生活保護を考えている方必見!車や医療費、家賃のこと 2019年度版

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「夫が急に働かなくなって困っている」「生活保護も考える必要がある」という方が少なからずいらっしゃるかと思います。

一方、「生活保護」に対する世間の目は、日に日に厳しくなっています。メディアで大きく取り上げられることも多いですが、実際に不正受給をしている方はほんの一握りです。

多くの受給者は、本当に生活が苦しく、毎日生活していくので精一杯です。

今、経済的に苦しい思いをしている方は、真剣に生活保護を検討する必要があるかもしれません。

そこで今回は、生活保護の受給条件やメリット・デメリット、実際に受けられる扶助制度などを解説します。今、生活に困っているという方は参考にしてみてください。

2.生活保護とは?受給条件などの基本条項

そもそも、生活保護とはどのようなものを指すのでしょうか。受給条件や、どんな人が受給できないか、という点も一緒に解説します。

2-1.生活保護とは、生活困窮者を保護するための制度のこと。

生活保護は、憲法25条に定められた生存権を実質化するために制度化されたものです。

・憲法25条1項は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」

と規定しており、現水準の最低限必要な暮らしができることを国が保障しているのです。

そのため、生活保護制度では、経済的に困窮している方に対し、自立を助長するため、必要に応じて保護費を支給しています。

ただ後ほど別途お伝えいたしますが注意すべきこととして、実際に支給される保護費は、一律ではなく、地域や世帯状況に応じて変化します。

2-2.生活保護を受けられる人ってどんな人?

では、生活保護の受給条件にはどのようなものがあるのでしょうか。

生活保護の支給については、原則として、

①資産の活用
②能力の活用
③あらゆるものの活用
④扶養義務者の扶養

の4つが「期待できない場合」に可能となります。それぞれを簡単に解説すると以下のとおりとなります。

1の資産の活用とは、「土地や預貯金」など資産がある場合に活用すべきことを指します。

2の能力の活用とは、働くことができる場合は支給できませんということです。

3のあらゆるものの活用とは、「年金や他の手当て」を利用できる場合は、そちらを優先的に利用すべきことを指します。

4の扶養義務者の扶養とは、まず「親族等からの援助」を優先的に受けてくださいということです。

また上記事項は世帯単位でチェックされ、世帯全員が上記の要件を満たさない限り、受給はできません。

そして当然のことですが、⑤世帯収入が最低生活費以下であることが必要となります。

2-3.生活保護を受けられない人はどんな人?

では、上記とは逆に生活保護を受けられない人はどんな人なのでしょうか。

生活保護の受給を却下されてしまう人の例としては、上記の条件をクリアできない方となります。

具体的には、

1.売却できる家、車、財産などの資産がある方
2.健康で働ける状態にある方
3.家族(親、兄弟、家族)からの援助が期待できる方

などです。

つまり「夫が健康なのに、怠惰で働くなった」だけというケースでは受給ができないのです。ただし「夫はうつ病であり、子どもが小さく妻も働けない」というケースなら、受給の可能性はあります。

これ以外でも

・110万円以上の預貯金を持っている方
・他の制度で保護を受けられる方
・暴力団関係者

の場合は、受給を拒否されると言われています。

もっとも、これらに当てはまるからといって、絶対に受給できないわけではありません。資産を手放しても、お金が手元に残らない場合や借金の理由などによっても、受給できるかどうかはかわります。そのため、まずは福祉事務所に相談し、現状をお話しすることが大切です。

2-4.生活保護でよくある疑問

次に、生活保護に関してよくある疑問についてお答えします。

Q 収入はいくら以下なら受給できるの?

A 一律に収入いくら以下で受給できるというものではありません。

お話しした通り、家族構成等によって異なります。一応の目安としては、1人の世帯で年収100万円以下、母子家庭で年収150万円以下というケースであれば、福祉事務所に相談すべきです。

Q 生活保護に返済義務はあるの?

A 原則として、返済義務はありません。

もっとも、生活費を自分でまかなえるのに、生活保護を受給していた場合には、費用返還義務や返還命令(生活保護法63条、79条)が課せられる可能性があります。

Q 生活保護の審査中に、近親者に扶養義務の連絡がいくって本当?

A 生活保護は、「扶養義務者の扶養が期待できない」ことが受給条件にあります。

そのため、申請者の親、兄弟、子どもに対して、援助が可能かどうかの書面の送付が行われることもあります。親戚などには連絡されません。

以上が、生活保護の概要となります。簡単な条件ではありませんが、現在生活に困窮している方は、申請を検討してみましょう。

3.生活保護のメリットとデメリット

次に、生活保護受給のメリットとデメリットについてご説明します。

3-1.そもそも生活保護を受けることのメリットは何?

では、生活保護を受けることのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

資金

まず、生活のための資金を受け取れることです。
毎日の支払いができない、食べていくのも厳しいという状況の場合は、生活保護を受給することで一定程度解決することができます。

裕福に暮らせるわけではありませんが、毎日食べていくのに困らない額の生活費を現金で受け取ることができるのは、最大のメリットとなるでしょう。

扶助

また先にご紹介した通り、生活保護では、医療扶助や教育扶助などさまざまな扶助をうけることができます。「お金がなくて病院に行けない」ということはなくなります。

毎月支給されるものだけでなく、一時的に大きなお金が必要な場合(入院など)にも一時扶助として対応しています。

税金の免除

最後に、各種税金が免除されることです。

具体的には、年金保険料、住民税、所得税などです。

これ以外にも、NHK受信料、医療に関してかかる費用などは無料となります。地域によっては、公共交通機関の無料チケットを配布する自治体もあるようです。

3-2.生活保護を受けることのデメリット

生活保護はメリットだけではなく、デメリットもあります。

お金の制限(ローンや借金返済、貯金について)

まずは、お金に関する制限です。
生活保護の受給が許可されると、一切のローン、借金はできなくなります。

生活保護費は生活のために割り当てられるものではあり、借金返済のための資金ではないためです。また、車や家なども受給中は購入することができません。生活保護費で資産を購入することになるからです。さらに、貯金も許されません。

保護費からの貯金だけでなく、仕事での収入に関しても貯金は一切禁止です。これを破ると生活保護は受給廃止となってしまいます。

申告義務

次に、申告義務が発生する点です。
毎月の収入はもちろんのこと、臨時収入があった場合もすべて申告する必要があります。

仮に、嘘をついて申告しなかったり、少なく申告した場合には、保護費の返還を請求されることもあります。また、生活保護受給中は、ケースワーカーの指導等に従う必要があります。生活費の使途や生活態度等についても指導を受けることがあり、これに従わない場合は、支給が打ち切られることもあります。

現在、病気で療養中の場合には、「病気の治療に専念してください」と言われたり、病気の程度によって働けそうであれば「仕事を開始してください」と言われることもあります。

さまざまな制約(病院や保険、家賃について)

最後に、さまざまな制約があることです。

まず、住居の制限です。基本的に賃貸物件に住むことになりますが、家賃は上限額が定まっています。そのため、その範囲で住める場所に住まなければいけません。自分の希望する条件の場所には住むことができないケースもあるのです。

また、病院は、指定医療機関での受診が基本となります。救急以外では、病院が選べなくなってしまうことがあるのです。さらに、各種民間保険についても基本的に加入できません。生活面においてさまざま制約があることがデメリットとなります。

このように、生活保護受給には良いことばかりではありません。生活面であらゆる制約があるため、受給するかどうかについてはしっかりと検討する必要があります。

4.医療・住宅・教育の各種扶助の具体的な内容

次に、各種生活扶助について簡単にご説明します。それぞれの扶助にはどのような内容があるのでしょうか。

4-1.医療扶助

では、医療扶助にはどのような内容が含まれているのでしょうか。

まず、生活保護の受給者は、医療費は基本的に無料になります。受診は、指定医療機関にて行う必要がありますが、これ以外に特に制限はありません。具体的には、診療費、薬代、入院給食費、交通費などが支給されます。持病の難病だけでなく、歯科診療などの治療費、統合失調症などの精神疾患等の医療費も支給されますので、安心してください。

支給の対象外となるのは、医療保険の対象外となる薬です。先進医療などの場合は、医療費を支給してもらえないケースもあります。もっとも、ケースワーカーに相談すれば解決できることもありますので、一度相談してみてください。

次に、保険証についてです。

生活保護を受給する場合は、国民健康保険から脱退しなければいけません。脱退後に、受給が開始されるため、生活保護受給者は保険証を持つことができません。もっとも、自己負担なく治療を受けられることには変わりませんので、この点は安心してください。

4-2.住宅扶助

では、住宅扶助の内容はどのようなものなのでしょうか。

まず、現在住んでいる住居が持ち家の場合は、そのまま住み続けることも可能です。しかし、「処分価値が利用価値に比べて著しく大きい」と判断された場合には、売却を勧められるかもしれません。売却する前に、福祉事務所に相談しましょう。

次に、賃貸物件に住んでいる場合です。家賃については、支給されるのですが上限があります。地域によって、支給額は異なりますが、東京では、40,900円〜69,800円程度(世帯構成による)、大阪では、40,000円〜52,000円程度(世帯構成による)となります。支給される額よりも、家賃が高い場合には、転宅指導・転居指導といって、支給額の範囲内で支払える物件に引っ越すことを促されます。

家賃以外の支給内容としては、引越し費用、敷金、仲介手数料、火災保険などがあります。転居指導を受けた場合でも、初期費用や退去費用は支給してもらえます。もっとも、水道や光熱費、共益費に関しては支給されませんので注意が必要です。

4-3.教育扶助(子供の習い事、塾代など)

では、教育扶助にはどのような内容があるのでしょうか。

教育扶助は、基本的には義務教育である小中学校の教育費となります。保育園は、保育料が無料となりますが、幼稚園は支給対象外となっていますので、注意が必要です。

教育費については、①基準額、②学級費、③学習支援費というものに分けられます。

①基準額とは、学校で必要になる消耗品の購入に充てるお金です。鉛筆やノート、衣類、ランドセルなどはこれに含まれます。

②学級費とは、児童会費、PTA会費などのことです。必要な分が支給されます。

③学習支援費とは、参考書や学外活動に使えるお金です。塾や習い事に使えるお金となります。

高校に関する教育費用は、教育扶助ではなく、生業扶助という項目から支給されることになります。

具体的には、入学準備金、授業料、教科書代、PTA会費、交通費、学習支援費(塾代等)が支給されます。もっとも、留年や休学の場合にはその期間の間、支給がストップしますので、注意してください。

また専門学校、大学に関する費用については、社会福祉協議会の「教育支援資金」を利用することになります。

以上が、各種扶助の内容となります。これら以外にも、一時金や介護扶助などがありますので、詳しくはお近くの福祉事務所にお尋ねください。

5.生活保護受給でできること・できないこと

次に、生活扶助を受ける上で、できること・できないことをご説明します。

5-1.クレジットカードや交通系電子マネー(suica)について

まず、先に少しお話しましたが、借金やローンを組むことやクレジットカードは持つことはできません。

クレジットカードは現在持っているお金よりも、多くの金額を支払うことが可能となります。そのため、借金につながる可能性があり、使用が禁止されています。

もっとも、電子マネーやデビットカードなどの使用は可能です。
Suicaなどの公共交通機関で利用できるもの、その他電子マネーも問題ありません。

生活で必要になることも多いため、この点は安心してよいでしょう。心配な方は、ケースワーカーに相談してみましょう。

5-2. 家電やペット飼育は基本的にOK

次に、家電などの生活用品についてです。

家電に関しては、基本的にすべてOKと思って大丈夫です。具体的には、テレビ、スマホ、PC、エアコン、空気洗浄機、ドライヤー、美容家電、テーブル、ソファなど各種家電は問題ありません。

もっとも、2代目のスマホやPCなどは売却しなければいけない可能性があります。これ以外にも、高級家具、ブランド品、美術品などは生活に不可欠といえないため売却を促されます。

また、ペットについても飼育して大丈夫です。特に制限はありません。

5-2-2 電動自転車はOK。車・バイクは高額な場合は問題あり

さらに、移動手段として自転車を利用されている方も多いでしょう。これも問題ありません。自転車、電動自転車は大丈夫です。

もっとも、車やバイクについては高額なものについては売却しなければいけないケースもあります。

生活にどうしても必要な場合には、所持することも可能ですので、一度担当の方に相談してみてください。

5-3.学資保険・生命保険は積立の場合、基本的に解約

次に、保険についても解約しなければいけないケースがあります。

保険は、積立型の場合、貯蓄とみなされます。生活保護を受給中は、貯蓄自体が認められていませんので、積立型の生命保険は解約しなければいけません。

また、受給中に加入することもできません。もっとも、掛け捨てタイプなら継続・新規加入することも可能です。もっとも、支給されている保護費の中からやりくりすることになります。

学資保険についても同様です。生命保険の一種と考えられているため、解約しなければいけません。もっとも、子どもが同世帯で暮らしている場合、解約払戻金が同世帯で暮らす子どもものための学費である場合、保険スタート時の解約払戻金が50万円を超えない場合には、そのまま継続することができます。

5-4. 旅行など娯楽費の使用は可能。ただし、ゲーム機(PS4等)は没収の可能性

最後に、娯楽費についてです。

生活保護に対しては、「娯楽にお金を使うこと自体が許されない」という世間の空気があります。では、実際に娯楽費への使用は本当に禁止されているのでしょうか。

原則として、生活扶助費を娯楽に使用してもなんら問題ありません。子どもと遊園地に出かけたり、回転寿司などを外食をしたりすることは特に問題ないと考えられています。PS4などのゲーム機の購入等は贅沢品として禁止されるケースもあるかもしれません。この場合は、ケースワーカーの指導に従ってください。

旅行に関しても禁止する規定はありません、ただし、海外旅行については受給停止・廃止の可能性があります。そのため、旅行に関しては、担当のケースワーカーに確認したほうがよいでしょう。

では、競馬やパチンコに関してはどうでしょうか?

基本的に、これらを制限するものはありません。もっとも、これらの娯楽で得た賞金については、保護費の返還の対象となるため、注意してください。

このように、通常の生活に必要なものは基本的に所有して大丈夫です。生活に必要不可欠といえないものについては、NGとなるケースもあります。不安がある場合は、地域の担当者に尋ねるようにしましょう。

6.デメリットも多い生活保護。まずは、福祉事務所に相談を

生活保護の概要をお伝えしました。不正受給のニュースを聞いていると、「簡単に受給できるのでは?」と思ってしまいがちですが、実際のハードルは高くなっています。

現金で生活費を受け取れるという点は、大きなメリットとなりますが、申告・報告義務等も発生するため、生活のあらゆる面を監視されているような気分になることもあるかもしれません。

メリットだけでなく、デメリットも同じくらい存在するため、この点をしっかり検討すべきでしょう。

もっとも、「明日食べていくのも難しい…」という方は、生活保護が必要です。まずは、お近くの福祉事務所を訪ねてみてください。

生活の状況等を相談してみることで、生活保護を勧めてもらえるかもしれません。生活保護とまではいかなくとも、他の扶助が受けられるケースもあります。まずは、困っていることを必要な機関に相談することから始めてみましょう。

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