年収600万円の場合の養育費の相場(子供1人、2人、3人の場合)を解説

2022年のデータによると、日本人の年収の中央値は366万円、男性の年収の中央値は418万円となります。

このような数字から見ると「年収600万円」は一般的には高収入となります。

それでは、「年収600万円」は、離婚の際の養育費にどのような影響が出るのでしょうか。

「一般的に高収入なら、養育費も増額が期待できるのでは?」と思ってしまいますよね。また実際に養育費を受け取っている方がどのように養育費を決定したのかも気になるでしょう。

そこで今回は、元夫が年収600万円の場合の養育費の相場、子供1人、2人、3人について解説します。養育費の決め方から、養育費の計算で知っておくべき内容、ケース別の養育費のシミュレーションまでわかりやすくご説明します。

養育費の決め方

まずは、養育費の計算方法と養育費計算で知っておくべき内容について理解していきましょう。

養育費の計算方法|子供の数、年齢、収入

養育費とは、子どもは自立するまで必要とされる費用のことを指します。

養育費の金額は、当事者間(父母)の合意によって決まりますので、子どもが自立するまでの生活費として十分であると父母が納得できる金額であれば「いくらでも問題ありません」。

逆に言えば、支払い者側(多くは男性側)の事情に鑑みて、相場よりも低い金額で合意することさえあります。

一般的に、養育費の具体的な金額に関しては、養育費算定表を使って、以下の要素を考慮して判断されることが通例です。

  • 父母の収入
  • 子どもの年齢
  • 人数

養育費算定表に関しましては、後ほど(3.養育費シミュレーション|年収600万円の場合)にて詳しくご説明します。

養育費の計算について押さえておくべきポイント

「養育費に不満があるけれど、早く解決すべきか?」

養育費に関しては、早く解決したいという思いから、妥協して合意することもあります。

しかし、長期的な契約になるため、金額に納得がいかない場合は話し合いを続けるべきです。

たとえ専業主婦であっても、働くことが可能と判断される場合には、資格や以前の職歴を考慮して一定の収入があると見なされることもあります。

また、支払い側の年収が一定でない場合には、数年間の平均年収を計算に用いることもあります。

このように、様々な要素によって、思っていたよりも少ない金額になるという問題が生じる可能性があります。

不満がある場合や増額を希望する場合には、弁護士などの専門家に相談することが最善です。

「養育費はいつからいつまで受け取るべき?」

養育費の基本的な終了時期は、子どもが成人するまでであり、具体的には20歳と考えられています。

近年の法改正により成人年齢が18歳に引き下げられたとしても、これは養育費の計算には影響しません。

また、子どもが大学や大学院に進学する場合には、卒業までの期間とすることも可能です。

基本的には当事者間で合意した時期が終了時期となりますが、子どもが病弱など特別な事情がある場合には、それに応じて設定することができます。

「子どもの教育費は考慮されるべき?」

子どもが公立ではなく私立学校に通う場合など、通常よりも教育費がかかる場合もあります。

このような場合には、教育費も考慮して養育費を算定するべきと考えられます。

養育費シミュレーションと算定表

では早速、具体的なケースに基づいた養育費シミュレーションを見ていきましょう。養育費算定表の見方をご説明した上で、給与所得者の場合と自営業者の場合に分けて養育費の相場をご紹介します。

養育費算定表とは、家庭裁判所において養育費を算定するために用いられる資料のことを指します。

ご自身に当てはまる事情を算定表に当てはめていくことで、どれくらいの養育費をもらうのが一般的なのかがわかります。表1−9までありますので、ご自身のケースに当てはまる書類を確認して相場を判断してください。

どの算定表を参照すべきか、また以下の要素によって手順は異なります。

  • ①子どもの数と年齢によって金額は異なる
  • ②支払義務者、権利者のそれぞれの年収
  • ③給与所得者か自営業者かの区分をみる
  • ④ご自身の事情に当てはまる金額を見る

年収の判断に関しては、給与所得者の場合は、源泉徴収票の「支払金額」から確認可能です。自営業者の場合は確定申告書の「課税される所得金額」から確認できます。

今回は、パート主婦(年収102万円)と専業主婦に分け、それぞれ会社員の場合と自営業者の場合における養育費の相場をシミュレーションしていきます。

裁判所の算定表のページ

支払い者が会社員年収600万円&パート主婦の場合

会社員年収600万円で、妻がパート主婦・年収が102万円以下の場合の養育費の相場は以下の通りとなります。

ケース1) 子ども1人

0-14歳の子ども 6-8万円
15歳以上の子ども 8-10万円

ケース2) 子ども2人

0-14歳の子ども・0-14歳の子ども 8-10万円
15歳以上の子ども・0-14歳の子ども 10-12万円
15歳以上の子ども・15歳以上の子ども 10-12万円

ケース3) 子ども3人

0-14歳の子ども3人 10-12万円
0-14歳の子ども2人・15歳以上の子ども1人 10-12万円
15歳以上の子ども2人・0-14歳の子ども 12-14万円
15歳以上の子ども3人 12-14万円

支払い者が会社員年収600万円&専業主婦の場合

会社員年収600万円で、専業主婦の場合の養育費の相場は以下の通りとなります。

ケース1) 子ども1人

0-14歳の子ども 6-8万円
15歳以上の子ども 8-10万円

ケース2) 子ども2人

0-14歳の子ども・0-14歳の子ども 10-12万円
15歳以上の子ども・0-14歳の子ども 12-14万円
15歳以上の子ども・15歳以上の子ども 12-14万円

ケース3) 子ども3人

0-14歳の子ども3人 12-14万円
0-14歳の子ども2人・15歳以上の子ども1人 14-16万円
15歳以上の子ども2人・0-14歳の子ども 14-16万円
15歳以上の子ども3人 14-16万円

支払い者が自営業者年収600万円&パート主婦の場合

次に自営業者の場合を見てみましょう。年収600万円で、パート主婦・年収が102万円以下の場合の養育費の相場は以下の通りとなります。

ケース1) 子ども1人

0-14歳の子ども 8-10万円
15歳以上の子ども 10-12万円

ケース2) 子ども2人

0-14歳の子ども・0-14歳の子ども 12-14万円
15歳以上の子ども・0-14歳の子ども 12-14万円
15歳以上の子ども・15歳以上の子ども 14-16万円

ケース3) 子ども3人

0-14歳の子ども3人 14-16万円
0-14歳の子ども2人・15歳以上の子ども1人 14-16万円
15歳以上の子ども2人・0-14歳の子ども 16-18万円
15歳以上の子ども3人 16-18万円

自営業年収600万円&専業主婦の場合

最後に自営業者で年収600万円、妻が専業主婦の場合の養育費の相場は以下の通りとなります。

ケース1) 子ども1人

0-14歳の子ども 10-12万円
15歳以上の子ども 12-14万円

ケース2) 子ども2人

0-14歳の子ども・0-14歳の子ども 16-18万円
15歳以上の子ども・0-14歳の子ども 14-16万円
15歳以上の子ども・15歳以上の子ども 16-18万円

ケース3) 子ども3人

0-14歳の子ども3人 16-18万円
0-14歳の子ども2人・15歳以上の子ども1人 18-20万円
15歳以上の子ども2人・0-14歳の子ども 18-20万円
15歳以上の子ども3人 18-20万円

養育費の増額は弁護士にご相談を

適切な養育費の計算は、各当事者が抱える細かな事情を考慮して判断する必要があります。

算定表による計算だけでは、個別事情を考慮できないことから納得のいく結果とならないこともあるでしょう。

養育費換算表で納得のいく結果が得られない場合にはぜひお近くの弁護士にご相談ください。養育費の交渉を有利に進めるためも、弁護士がサポートいたします。

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執筆・監修
服部 貞昭
ファイナンシャル・プランナー(CFP・日本FP協会認定)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
東京大学大学院 電子工学専攻修士課程修了
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