奥さんから不倫の慰謝料請求!無視すべき?内容証明が届いた時の対処法

不倫で実際バレずに、今も続けている人もいるかとはと思いますが、奥さんに浮気がバレる、通称「奥バレ」で悩んでいる方が多いです。
ただ相手の奥さんにバレても謝罪ですめば良いのですが、実際、浮気相手の奥さんから慰謝料請求された!となり困ってしまう方もかなりの数いるのが実情です。
「内容証明郵便」が急に届き、数百万円のお金の支払いを要求されます。シングルマザーや若い学生の場合は金額に絶望してしまう可能性もあります。
今回は、もしも浮気相手の奥さんから不倫の慰謝料請求をされたら、どういう流れで対処をすればよいのかについて詳しく解説いたします。
目次
誰から・いくら・どのような請求をされたか確認!
不倫慰謝料請求といっても、いろんな形で請求されることがあります。
不倫慰謝料の請求した人・方法を確認
不倫慰謝料を請求されたときは、「絶対払わなければいけないの?」と不安になっていることでしょう。
たしかに、場合によっては支払わなければいけません。しかし、まずはどのような方法で請求されたのかを確認すべきです。
誰からどのような形で請求されたのかがポイントです。
本人から(不倫・浮気相手から)の請求の場合
まず、不倫相手の配偶者から請求されたパターンです。
電話などの口頭で「慰謝料を支払え!」と言われたかもしれません。またメールや手紙などで「支払い義務があります。」と請求されたかもしれません。
この場合、口頭やメールの段階であればすぐに支払いの対応をしなければいけない段階とはいえません。
相手も感情的になって怒って口走っただけのこと、相手に反省してほしいという気持ちからやったことの可能性もあります。真摯に謝れば、慰謝料など支払わずに穏便に解決できる可能性もあります。
ただし、後述しますが内容証明郵便で請求された場合、期日までに連絡したほうがいいでしょう。
弁護士からの請求の場合
次に、弁護士から請求されたケースです。
この場合、相手の配偶者が弁護士に依頼して慰謝料を請求しようと考えているのですから、本気度はかなり高いといえます。
放置していると訴訟を起こされる可能性がありますので、放置せず必ず書かれてある連絡先に連絡するようにしてください。
通常は応答の期限があるため、その期日までに応答します。
ただし、ここで「○○万円支払います」など確定的なことは言わないようにしましょう。交渉を始める段階だと考えてください。
裁判所からの訴状の場合
最後に、裁判所から訴状が届いた場合です。
訴状が届いたら無視してはいけません。
内容を確認して、どうしたらいいかわからない場合は弁護士に相談しましょう。
相手に弁護士かついている場合は、こちらも弁護士で対応した方が対等に進めることができます。
仮に訴状など裁判所から届いた書類を無視していると、相手の主張のままに請求が認められ、高額な慰謝料を支払わなければいけなくなってしまうこともあります。
請求を否定すべき事情はあるか
覚えておいてほしいのは、請求されても必ず払う義務があるとは限らないということです。
原則として、これまでに当該不倫に関して相手と示談を成立させた場合でなければ、直ちに支払い義務があるとはいえません。仮に不倫の事実があっても、内容によっては支払わずに済んだり、減額交渉が可能であるためです。
したがって、まずは支払うべき理由があるのかを確認するべきです。
以下の事情に当てはまれば、支払う必要がありません。
- 不倫の事実がない(この「不倫」は原則として肉体関係のみを指す)
- 不倫の事実はあるものの、強制的に肉体関係を迫られた場合
- 不倫時に、相手方夫婦の婚姻関係が破綻していた場合
- 既婚者であることを知らなかった、知らなかったことに落ち度がない場合
当然ながら、不倫がなければ請求の根拠がありません。
相手とデートしただけ、キスしただけであれば、原則として不倫の事実があったということはできません。
また、相手が上司等で強い圧力によって強制的に性交渉を迫られたケースなどでは、逆に損害賠償を請求できる可能性があります。
そして不倫時に相手方が離婚に向けた別居を開始している場合は、婚姻関係が破綻しているため、慰謝料請求ができません。
相手に未婚だと騙されていたというケースの場合も、支払わずに済む可能性があります。
上記の場合でも、個別時事情によっては慰謝料請求が発生する可能性もあるため、不安な場合は弁護士に確認するのがベストな対応といえるでしょう。
相手の奥さんからの内容証明郵便が届いたら
内容証明郵便とは
内容証明郵便とは、郵便局に送付を依頼した文書について、「このような内容で書類を郵送しました」ということを証明するために行われる郵便方法のことです。
なお前述しましたが、内容証明と聞くと「公式な文書だからすぐ支払わなきゃ」と考えがちですが、実際はそれほど大掛かりな文書ではありません。
一般的な請求書と通知書と同じだと考えてください。受け取ったら、まずは内容を確認し冷静になりましょう。
奥さんから慰謝料請求されたら、無視しても大丈夫?
内容証明郵便が届いて奥さんからの慰謝料請求されていることを認識したにも関わらず、動揺してしまいつい無視したくなる方もいます。
しかし、これはNGな対応です。
なぜなら無視して期日までに、何の対応もとらないと、相手方から裁判を起こされてしまう可能性があります。
とはいっても「すぐ支払うべき」というわけでもありません。なぜなら「金額が高すぎて」相場とかけ離れた金額の可能性もあります。
慰謝料を請求する場合は、高めに請求して相手の出方をみることもよくあります。例えば、最初は500万円を内容証明郵便で請求してきたが、交渉の末最終的に支払った金額は200万円というケースもあります。
また支払っても、追加で請求されたりなどトラブルになることがあるからです。
ですので慰謝料額が高すぎると感じる場合は、必ず「不倫慰謝料の減額請求」を行うことが必要となります。
回答書で返事をする
では無視してもNG、支払ってもNGなら、どう対応するのが正解なのでしょうか?
答えは、回答書という返事を書くことです。回答書を書かず、相手の弁護士や法律事務所の連絡先に電話やメールをするという方もいらっしゃいますが、あまり意味はありません。
正式な文書として、反論を行うのが適切です。内容としては、以下のような内容が必要です。
- 回答書やおわび状というタイトルにて返信する
- 不倫が事実なら、具体的な事実を書いた上でお詫びの言葉を必ず書く
- 金額に不満があるなら、支払い能力がないことを書く
- 示談書を作成したいことを伝える
文例
—————
◯◯(請求者の名前)様
お詫び状(回答書)
内容証明郵便に書かれた損害賠償請求について回答します。(回答書であることを説明)
書かれている平成〇年〇月から平成〇年〇月まで不倫関係にあったという内容は事実であり、深く反省しています。心からおわびを申し上げます。(おわび文を添える)
お支払いしたいが、現在の経済的状況を考えると、お支払いが難しい状況ございます。(or「◯◯円なら支払い可能です」といった支払い能力に関する文言を入れる。)
上記金額でご納得いただけるようでしたら、示談書を作成したい所存です。(示談書作成の文言)
この度は、多大なるご迷惑をかけ、申し訳ございませんでした。(重ねておわびする)
日付
氏名(請求された側)
住所 印鑑
—————
内容証明郵便対応で分からないことがあったら弁護士相談
回答書では以上のような内容を入れるのが一般的です。
しかし「事実と異なる」と考える場合や、「どのくらいの支払いが妥当かわからない」というケースもあることと思います。
この場合は、内容証明郵便をもって、必ず弁護士に一度相談してみてください。
不倫・浮気の慰謝料請求されたら|減額交渉する
不倫の慰謝料請求は、正式には不法行為に対する損害賠償請求となります。婚姻関係にある相手と関係をもったことで、配偶者の女性・男性を傷つけたこと(精神的苦痛)に対し、損害賠償としての慰謝料を支払うことでトラブルを解決する方法です。
不倫の慰謝料相場
慰謝料の金額に関しては、当事者が納得して合意に至れば、その金額が損害賠償の金額となるので、一般的に定められた相場というものはありません。
もっとも、実際の交渉での相場はあり、全体で考えると50-300万円が相場となります。先に指摘したように、最初の請求では高めに設定してあることも多いため、減額交渉をすることは一般的です。
減額の条件
慰謝料の実際の金額は、不倫の期間、回数、夫婦仲、婚姻年数、子供の有無、離婚の有無、支払う側の経済状況、などを総合的に考えて、妥当な金額を判断していきます。減額される条件としては、以下のような内容が挙げられるでしょう。
ポイントは、不倫された配偶者の精神的苦痛が少ないと判断できるかという点にあります。
- 奥さんと離婚、別居をしていない
- 不倫期間が短い、回数が少ない
- 不倫が相手からの誘いで始まった
- 自身も既婚者であり、旦那が不倫を知っている
- 求償権を放棄する
ご自身の浮気相手(旦那さん)が奥さんとの離婚や別居の予定がない場合は、離婚や別居があるケースに比べ精神的苦痛は少ないので減額交渉をしやすいです。
また不倫回数や期間についても同様です。不倫期間が半年以内であれば、減額交渉に値すると考えてください。
また、不倫関係が相手の積極的アプローチにより始まり、その後関係を拒否できなかった(会社の上司である、先輩である)場合など、不倫に積極的でなかった事情がある場合は、減額の要因となります。
そして、あなた自身も既婚者であるという場合には、あなたの配偶者から相手方(不倫した人)に対し請求が可能です。そのため、両者の家計がともに支払い責任を負いかねないため、減額や相殺で解決するという方法があります。
求償権の放棄とは
上記の条件で「求償権の放棄」という言葉が出てきました。
不倫の慰謝料請求を受けた場合は、その請求の半分はあなたの不倫相手(婚姻している側)が負担します。共同不法行為者といって、不倫は行った当事者2人に平等に責任があると考えられているためです。
従って、支払い後に、もう一方の相手に対し求償権を主張(半分支払うように相手に言う事)することも実はできますが、これを放棄するといえば、減額を受け入れてもらいやすくなります。
慰謝料請求されたが払えない・お金がない場合は
損害賠償は一括払いが基本
損害賠償請求に対する支払いは、一括払いが基本です。
しかし、いくら減額してもらった額であっても、「何十万、何百万もの大金をすぐには用意できない…」という方は多いでしょう。
このような経済的事情がある場合には、分割払いの交渉を行うことで対応できます。
もっとも、できる範囲で最大額の一時金の支払いを要求され、そのあとは分割といった流れが一般的です。途中で支払いがストップしてしまわないようにするためです。
分割払いにするには|必要となりやすい条件
分割払いを選択すると、相手も「支払ってもらえないリスク」があると考えます。そのため、以下のような内容が条件となりやすいでしょう。
- 慰謝料を高めにする
- 期限内の支払いを求めてくる
- 示談交渉時に公正証書を作成する(強制執行が可能)
最終的に支払ってもらえないリスクを回避するため、最初から金額を高めに設定することが考えられます。
また、一定期間内の支払いを約束し「公正証書」にて示談契約をまとめることを条件とするのが一般的です。
公正証書を作成すると、支払いがない場合は債務名義となるため、強制執行も可能となり、のちのち給料や預金、資産などが差し押さえることが可能となります。
弁護士費用&弁護士に依頼するメリット
弁護士費用の相場
弁護士費用の相場は、着手金で20万円〜30万円(もしくは請求額の10-20%)、さらに成功報酬として利益の10-20%程度となります。以下が計算例です。
《200万円の請求で、100万円に減額できた場合》
着手金(固定) 20万円〜30万円
成功報酬(減額幅の10-20%) 10-20万円着手金(請求額の10%-20%) 20万円
成功報酬 (減額幅の10-20%) 10-20万円
また、これにプラスして、実費として日当1-3万円程度がかかることもあります。
無視せず、誠実な交渉を行うこと
不倫慰謝料請求をされても、そこから長い時間放置して弁護士事務所に駆け込んでくる方は意外と多いです。
最初は「支払う必要がない」と思っていても、相手方が本気になり、弁護士をつけ、訴訟を提起されたら、こちらも放置しておくことはできなくなるのです。
訴訟を起こされてからでは減額交渉が難しいこともあり、穏便に解決することも叶いにくくなります。
そのため、不倫の事実があり請求を否定すべき理由もない場合に慰謝料請求がきたら、無視せず誠実に対応することが大切です。
相手方から求められた期日は守って連絡をすること、そして謝罪の気持ちを相手方に見せることが必要です。こちらとしては償いたい気持ちがあるが、現実的に支払える収入がないことなどを説明していけば、減額交渉にも応じてくれる可能性があります。
相手に弁護士がついている場合には、本人と直接話すよりも冷静かつスムーズに進んでいくことが多いでしょう。金額の面で相手方が強気に出てきたら、こちらも弁護士をつけることをおすすめします。
弁護士依頼のメリット3つ
その他、弁護士依頼のメリットは以下の通りです。
・請求額が妥当な金額が判断できる
・減額交渉ができる
・脅しや嫌がらせがあっても、適切な警告をしてもらえる
「減額したい」と思っていても、どのくらいが現実的か判断できないのが通常です。
弁護士に相談すれば、不倫の内容や相手方の夫婦関係等から最終的に妥当な金額を提示してもらえます。
また、不倫の事実はあるものの「請求を否定できる理由がある」といえるかも…と考える場合も弁護士に相談してください。
相手に主張してうまくいけば弁護士は必要ありませんが、相手から反論を受けた場合は問題が長期化する場合もあります。
当事者間のトラブルを長引かせないためにも、不倫の事実や弁護士に請求を否定できる事実について説明をし、専門的なアドバイスを受けるのが賢明なやり方です。
このように、ご自身で判断できない事情に関しては、専門家である弁護士に相談すべきです。
素人交渉はトラブルになりがち!専門家に相談すべき
一番ありがちな問題として素人が不倫の慰謝料交渉を行うと、トラブルが大きくなったり、長期化しがちです。
弁護士を通せば、冷静にスムーズに解決できるため、比較的早く解決できるでしょう。
このように、弁護士に依頼することで、交渉自体がスムーズに進むというのが大きなメリットです。ご自身で対応するよりも、「弁護士が対応している」という点で、減額幅が大きくなる可能性もあります。
内容証明郵便が届き、奥さんに慰謝料請求されて、どう対応してよいか迷う場合は、一度弁護士にご相談ください。