不貞行為(妻の浮気や旦那の不倫)の離婚慰謝料相場を計算しよう

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不倫の慰謝料相場は計算ができない?

そもそも浮気や不倫などの不貞行為の慰謝料ってどの程度が相場だと思いますか?

例えば交通事故の慰謝料であれば、1日4200円といった自賠責基準があってそれで計算をしますが、不倫の場合は自賠責保険のような保険金が支払われるわけではないため、その金額については明確な基準はありません。

ただ、過去の裁判例からすると、概ね数10万円から数100万円とかなり大きな開きがあります。

これはなぜでしょう。

慰謝料請求は年収がポイント。支払い能力が大事

ここが交通事故の慰謝料請求と大きく異なる点です。

交通事故の場合は、慰謝料を増額交渉することで、最終的には保険会社がその増額した額の慰謝料を支払ってくれます。

けれども、不倫の慰謝料は保険がきくわけではないため、いくら請求しようがそれは不倫相手の「実費負担」となります。

例えば、年収300万円程度の不倫相手に600万円の慰謝料を請求したところで、現実的には回収できないでしょう。自己破産されるだけです。その反対に、年収2000万円の不倫相手に慰謝料として10万円請求しても、不倫相手にとっては痛くもかゆくもないでしょう。

請求するだけならもちろんいくらでも請求はできますが、このように、いくらの慰謝料を請求するかは「不倫相手の経済能力」によって大きく左右されてしまうのです。

なぜなら、回収できない金額を請求しても意味がないからです。ですから、もしも夫や妻が不倫をして慰謝料を請求しようと思ったら、不倫相手の身元を調査するとともに、およその経済能力についても出来る限り調査するとより適正な慰謝料が割り出せるでしょう。

どのような流れで不倫相手(愛人)に請求するか

浮気・不倫の慰謝料を請求する相手は

・愛人
・夫(or 妻)
・両方

の3通りがありますが、ひとまずここでは、愛人に慰謝料請求をする場合の流れをご紹介いたします。

請求する方法は、相手が簡単に支払ってくれるのであればどんな方法でも構いません。ただ,現実問題としては口頭で払えと言って不貞行為をした相手が払ってくれるケースはほとんどないでしょうから、基本的には次のような流れとなります。

・1. 不倫相手の住所を特定
・2. 内容証明郵便を送り、示談交渉を求める
・3. 慰謝料請求訴訟・裁判を起こし、金額確定
・4. 慰謝料が振り込まれない場合|強制執行で対処

となります。では順番に見ていきましょう。

ステップ1:不倫相手の住所を特定

慰謝料請求は「書面」を送付して行なうのがセオリーですが、送付するにしても不倫相手の住所がわからなければ送りようがありません。

ではどうやって不倫相手の住所を調べれば良いのでしょうか。

最初にもお話した通り、不倫は犯罪ではないため警察や役所に訴えたところで、不倫相手の住所は教えてもらえません。そこで、方法としては以下の3つが考えられます。

1:夫や妻に直接聞いて身元調査
2:尾行やGPS追跡
3:興信所や探偵に依頼する

それぞれ順番に見ていきましょう。

1:夫や妻に直接聞いて身元調査

不倫をした夫や妻に不倫相手の住所を直接聞くという方法が最もオーソドックスですが、まず教えてもらえないでしょう

もしも不倫相手が会社や職場の関係者であることが分かっている場合は、教えてくれないと会社に書類を送付することを臭わせるぐらいしかないでしょう。

■関連ページ
夫が部下と会社で不倫!慰謝料請求と示談費用について必ず知っておくべき全知識

2:尾行やGPS追跡

原始的なやり方ですが、現実問題としては不貞行為に対してはこれがもっとも確実です。

仮に裁判によって慰謝料を請求するにしても、相手の住所が分からなければ訴状を送る事ができません。そのため、夫や妻を尾行したり、また最近はGPSで追跡する方いるそうですが、そのようにして不倫相手の自宅を特定するしかないでしょう。

最後に「興信所」「探偵」についてです。

3:興信所や探偵に依頼する

お金に余裕がある人であれば、興信所や探偵に依頼するという方法もあります。実は、慰謝料請求が裁判沙汰になった場合は、この方法が最も確実となります

興信所や探偵に調査を依頼すると、不倫相手の住所だけではなく、不倫の決定的瞬間(ホテルから出てくるところ)などの写真を押さえる事ができるため、裁判上もとても有利になります。

実際、離婚問題を得意としている弁護士は、興信所や探偵事務所とも提携していることが多く、これらの弁護士に離婚や慰謝料請求を相談すると紹介してもらう事もできます。

ただ、これらの業者に調査を依頼すると数十万円から百万円近くの報酬が必要となるため、依頼するかどうかは慎重に数字を計算して検討しましょう。できるだけ自力での証拠集めが良いでしょう。

ステップ2:内容証明郵便を送り、示談交渉を求める

内容証明郵便とは「誰から誰あてに、いつどんな手紙を差し出したか、郵便局が証明してくれる」制度のことです。その内容証明郵便にて、慰謝料を請求する旨を記載し送付します。これによって支払わなければ訴訟となります。

相手の出方を見定めることが大切

なお、この段階で不倫相手の出方がわかります。すなわち、不倫自体を「認めるのか、認めないのか」という点です。相手がこちらに証拠を握られていると感じている場合は、諦めて不倫を認めて謝罪した上で慰謝料の減額を要求してくる可能性があります。

反対に、不倫自体を否定してくる場合は、断固支払いを拒否してくるでしょう。

どちらの出方かによって、その後の流れが変わってきます。

金額を多めに請求することが大切

前者の場合は、計算して妥当な金額で合意できそうであれば、無理に裁判をせずに示談に応じて支払わせた方が、双方にとってメリットがある場合もあるでしょう。

そのため、浮気で慰謝料を請求する場合は、減額交渉されることを見越して、かなり多めに請求するのがセオリーです。

後者の場合は、裁判に向けて不倫関係(不貞行為)があったことを立証しなければならないため、写真、メール、SNSなどの決定的な証拠をかき集める必要があるでしょう。

ステップ3:慰謝料請求訴訟・裁判を起こし、金額確定

不倫相手が慰謝料の請求に応じない場合は、裁判によって請求するしかないでしょう。この場合、先ほども言ったように、不倫を認めているかどうかが大きな分かれ道となります。

基本的には、不倫相手が不倫を認めている場合は、裁判外の示談交渉で慰謝料に折り合いをつけて解決する方が良いでしょう。

反対に、不倫を否定している場合は、不倫の立証責任は「請求する側」にあるため、写真やメールSNSなどの証拠書類を準備しなければなりません。

裁判上、裁判官に不倫があったと信じてもらえなければ、慰謝料は成立しないのです。

Q.スマホの録音データは証拠になるか

不倫の決定的な証拠としてよく登場するのが録音データです。かつては、テープなどで録音していましたが、最近ではスマホなどでさりげなく録音できてしまうため、裁判においてもちょくちょく証拠として提出されることがあります。

例えば妻が夫に不倫を問いつめて、夫が「ごめんなさい」と不倫を認める証言をした録音データがあれば、不倫の主張立証に大きく役立ちます。

「相手の許可なく録音したデータは証拠にならないのでは?」

とのご質問をいただくことがありますが、確かに録音についてはさまざまな解釈や学説がありますが、慰謝料請求の実務上の話をすると、裁判で録音データを証拠として提出し、裁判官の目の前で再生すれば、たとえ相手が「そんなのは不当だ」なんてさけんだところで、裁判官の心証としては「不倫があった」との確信に至るでしょうから、録音の是非を問って面倒な争いを繰り広げる事はほとんどないでしょう。

そもそも、夫婦関係が破綻していて、相手をもとより信頼できる状況になければ、相手の同意を得ずに録音する必要性は出てきてしまうものです。

ですから、結論から言うと、録音データはないよりもあった方が、慰謝料請求においては断然有利です。

ステップ4:慰謝料が振り込まれない場合|強制執行で対処

裁判によって不倫が認められて慰謝料の金額が確定したら、決められた期日までに相手から振り込まれます。
なお、それでも振り込んでこない場合は、「強制執行」の手続をとることになります。

すなわち、相手の銀行口座や給与を差し押さえて、そこから直接慰謝料を差し引くということになりますが注意事項が1点あります

強制執行を可能にする条件

強制執行するには、相手の銀行口座や勤務先などが分かっていることが前提となります。これらの情報は、たとえ裁判で勝訴したとしても、公権力によって強制的に開示させることはできないため、万が一のことを考えて、相手のこういった情報は訴訟の段階で押さえておくようにしましょう。

内々に処理できなかった場合

以上が不倫による不倫相手に対する慰謝料請求の主な流れでした。

しかしいくら慰謝料をもらって妻・夫の不倫関係が途切れても、夫婦仲が回復するとは限りません。不貞行為は心に深い傷を負ってしまう場合が多々あるからです。

自分中心にすべてを考えていたことを不倫したパートナーが後悔し反省しているならば、パートナーへの積極的な許しを与えてみてあげることも念頭に考えてみましょう。また優しさだけでは関係は修復しません。何をするにしても「対話」が重要となります。

■参考ページ
妻や夫を許す|「許せない」不倫や浮気を許す方法
優しすぎる男性は要注意?妻に不倫・浮気されてしまう夫の特徴6つ
協議離婚の進め方マニュアル2018【弁護士が代理交渉する場合】

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