離婚届の書き方マニュアル!離婚届と離婚協議書を項目別に解説

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離婚届を書く際、記入すべき項目について戸惑うことはよくあることです。誤った記入は受理されない可能性があるため、慎重に内容を確認しながら書くことが重要です。また、離婚届を提出する前に準備すべきことも多くあります。離婚手続きにおいて問題が発生しないように、情報収集を行っておくことが大切です。

具体的な離婚届の書き方や必要な書類、手続きに関する疑問点について、一つずつ解説していきましょう。離婚届の記入方法や提出前に準備すべきポイントを明確に理解し、スムーズな手続きを進めることができるようになるでしょう。どんな疑問や悩みがあっても、適切な情報を手に入れて安心して進めるためのガイドとして活用してください。

離婚届を書く前に準備するべきこと・知っておくと良いこと

何も知らずに離婚届を書いて提出すると、後になって「これはどういう約束だった?」とトラブルになってしまうことも考えられます。
実際に離婚届を書く前に、知っておきたいことを見てみましょう。

離婚届の入手方法

まずは、離婚届の入手方法についてです。

最寄りの役所の戸籍課(市民課・戸籍住民課など)窓口で直接もらうか、自分でダウンロードしましょう。
しかし、自分で離婚届をダウンロード・印刷して用意する場合には以下の注意点があります。

●印刷時の注意点

  • 必ず「A3サイズ」でプリントアウトする
  • 自分でプリントアウトした紙でいいのか役所に確認する

印刷時のサイズは必ずA3サイズで行いましょう。

また、自分でプリントアウトした用紙では提出を受け付けてくれない役所もあります。
事前に利用できるかどうかを提出先の役所に確認をしておくと二度手間になりません。

事前にトラブルになりそうなことを話し合い、内容を離婚協議書にまとめる

離婚は、夫婦ふたりだけの問題ではありません。
お子さんがいる場合は親権や養育費などを決めなくてはなりませんし、夫婦の共有財産をどうするか、名前(氏)をどうするかなど多くの問題が山積しています。

これらの問題は、口頭での取り決めだと後でトラブルになる可能性があるため、約束した内容がわかるよう「離婚協議書」にまとめる必要があります。

●決めておく・書いておくべき内容

  • お互いが離婚に合意したこと
  • 離婚後の戸籍
  • 住宅ローン
  • 慰謝料
  • 財産分与
  • 支払い期限
  • 親権
  • 養育費
  • 子どもとの面会
  • 年金分割など

離婚協議書にまとめた後は、この離婚協議書を「公正証書」にしましょう。
執行認諾文言というものを付けた公正証書にすることで、もしも決めた約束を破ったとき(養育費の支払いが滞るなど)に、強制執行が可能となります。

当サイトでは、離婚協議書をどのように作ったらいいのか、どのような内容を盛り込んだらいいのか、ご自分の状況に適したサンプルを作成できます。
質問に答えるだけですぐにサンプルが自動生成されるので、離婚協議書のイメージを掴みたい方はぜひ利用してみてください。

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離婚原因によっては、相手と話したくない…と嫌悪感がある方もいらっしゃると思いますが、ここでしっかりと取り決めをすることが大切です。
いったん決めて公正証書化すれば問題が発生した際に解決しやすくなります。

離婚協議書を作成する際に揉めてしまい、なかなか話がまとまらないという場合は専門家に依頼するのもひとつの手です。
弁護士などに依頼し、スムーズに内容がまとまるようサポートしてもらいましょう。

協議離婚の場合には承認が二人必要になる

夫婦で話し合い、その結果離婚をする「協議離婚」の場合、離婚届に記入するための証人が二人必要となります。

証人は20歳以上であれば親・兄弟などの親族、友人、誰でも可能です。
自分たち以外の夫婦に頼む場合、夫婦でそれぞれ異なる印鑑を押してもらう必要がありますので、その旨を伝えておきましょう。

もし離婚届の証人になれそうな人がいない場合、「離婚届証人代行サービス」というものがありますので利用すると良いでしょう。
代行サービスを行う業者のほか、行政書士事務所でも代行を行っているところがあり、証人の人数で料金は異なりますが、相場は3,000円~5,000円ほどです。

離婚届の提出方法

離婚協議書ができ、離婚届の記入ができたら届けを提出しましょう。

提出先は本籍地または所在地の市役所、区役所や町役場です。
本籍地ではなくても、戸籍謄本を持っていけば提出ができます。
提出方法は、郵送・持参のどちらも可能ですが、郵送の場合は差し出した日ではなく役場に届いた日が提出日とみなされます。

また、仕事の都合がつかず役所が開いている時間に間に合わない場合、提出を第三者にお願いすることもできます。
ですが、役所が閉まっているときや夜間・休日でも、役所の守衛室・宿直室などで受理してもらうことはできますので、提出タイミングは気にしなくて良いでしょう。

ただ、役所が閉まっているときに書類に不備があった場合はその場で対応ができませんので、離婚届けが受理されず、後日また訂正する必要があるため注意しましょう。

記入時に間違えてしまった場合の対処法

もし離婚届けの記入時に間違えてしまったらどうすればいいのでしょうか。
そのときは、新しい離婚届に書き直しをするか、二重線を引いて訂正印を押しましょう。

公的な書類のため、修正液を使ったり消えるペンでの記入は認められません。

離婚届の記入方法

続いては、離婚届の具体的な記入方法について見てみましょう。
離婚届けの提出は夫婦でなく第三者でも良いのですが、記入は必ず離婚する当事者の夫婦が自筆しましょう。

記入例サンプル

離婚届の記入例は法務省のホームページにあげられています。

【法務省PDF】離婚届サンプル

この記入例にもあるように、女性であれば氏をそのままにするのか、婚姻前のものに戻るかどうかを決めることができます。
また、各自治体のホームページでも離婚届の書き方や見本が提示されていますので、チェックしてみてください。

記入する内容

離婚届に記入する内容は以下のとおりです。

届出の日付 調停離婚・裁判離婚の場合は、確定日から10日以内に提出する必要があります。
もしこの期間に提出を忘れてしまうと過料が課せられますので注意しましょう。
繰り返しになりますが、郵送の場合は差出日ではなく役所に届いた日が提出日(離婚成立の日)とみなされます。
離婚届に記入する日付は郵送する日で問題ありません。
日付が確定していない場合は空欄で、年号は省略せず書きましょう。
氏名、生年月日 お互いに婚姻中の姓名で書きます。
旧字体の場合、正しく書くよう注意しましょう。
住所 現在、住民登録をしているところを記入します。
世帯主の名前を一緒に記入すること、ハイフンを使わないよう注意しましょう。
本籍 戸籍謄本に記載されている本籍を記入しましょう。
戸籍筆頭者(戸籍の一番上に記載されている人)の氏名も記入します。
父母の氏名(続き柄) 両親が婚姻中の場合、母の名字は省略可能です。
離婚・死別している場合にもそのまま氏名を記入し、義父母の場合はその他の欄に記入しましょう。
続き柄には長男・次男・三男…(長女・次女・三女…)というように書きましょう。
離婚の種別 協議離婚・調停離婚・裁判離婚か、さらに調停や裁判の場合は判決確定した日などの記入欄もあります。
該当する部分にチェックを入れましょう。
婚姻前の氏にもどる者の本籍 離婚をして元の戸籍に戻るのか、新しい戸籍をつくるのかを記入します。
もし離婚後も同じ姓を名乗る場合、「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出しましょう。
未成年の子の氏名 親権がある方の欄に、未成年の子の氏名を記入します。
複数人の子がいる場合、少しスペースが小さいのですが名字も省略せずフルネームで正しく書きましょう。
同居の期間 「同居を始めたとき」は婚姻した日付、同居を始めた年月のどちらか早い方を記入しましょう。
別居している場合は別居した年月を、まだ同居している場合は空欄もしくは今後別居する予定の日を記入しましょう。
別居する前の住所 もし別居していなければ空欄でかまいません。
別居する前の世帯のおもな仕事 婚姻生活中の収入源に当てはまるものにチェックを入れましょう。
夫妻の職業 5年に一度、国税調査が行われる年のみ記入しましょう。
その他 両親が義父母の場合はここに記入しましょう。
記入の仕方は父母の氏名と同様です。
もし他に特筆するべきことがある場合、正しい記入欄に事情があって書くことができない場合には、この欄に理由を記入しておきましょう。
届出人 協議離婚であれば離婚する夫婦ふたりともが自書し、押印します。
印鑑は実印、もしくは朱肉をつけるタイプの認印を使いましょう。
このときの注意点としては、夫婦の印鑑は別々のものを使うということ。
調停離婚・裁判離婚の場合、離婚届を提出するどちらか一方の署名・押印でかまいません。
証人の署名・押印 証人二人分の名前、生年月日、住所、本籍を記入してもらい、押印します。

 

離婚届を受理してもらえないケース

離婚届けを提出しても、時には受理してもらえないことがあります。

子どもの親権者が決まっていないとき

未成年の子どもがいる場合、父母どちらかが必ず親権者にならなくてはいけません。
決まらないまま離婚届が受理されることはありません。

相手が役所へ「離婚届不受理申立届」を提出していたとき

話し合いに応じず、配偶者が勝手に離婚届を提出してしまう事案が実際に起こっています。
いったん離婚が成立すると、取り消しには裁判所に対して調停・訴訟を起こす必要があり、とても手間がかかります。
それを防ぐために「離婚届不受理申立届」を事前に提出できるのです。

この届出には有効期限がないため、たとえ数年前に提出されたものでも有効です。
離婚届を受理してもらうためには、離婚届不受理申出をした本人が離婚届を提出する、もしくは取り下げ申請書を提出する必要があります。
取り下げ申請には、身分証明書と印鑑が必要です。

離婚届提出の際の必要書類

離婚届を提出する際、特別な書類など何か用意する必要があるのでしょうか。
離婚届とともにそろえる必要があるものをチェックしておきましょう。

●離婚届の他に必要なもの

  • 戸籍謄本(本籍地以外で提出する場合)
  • 申立人の印鑑

協議離婚の場合、基本的には離婚届を提出するのみでかまいません。
ただし、本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)が必要になることはありますので、提出時には携帯しておきましょう。

また、上記は一般的な協議離婚によるもので、調停離婚や裁判離婚、さらに本籍地と違う場所で離婚届を提出する場合には他の書類が必要になることもあります。

離婚パターンによって必要書類が異なりますので、以下の記事を参考にしてみてください。

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まとめ

以上が離婚届記入のマニュアルとなります。

離婚届や離婚協議書を書くことは相手との話し合いも必要になり、面倒に感じるかもしれません。
しかし、離婚届が正式に受理されれば晴れて自由の身になれます。

後悔なく新しい生活を送ることができるようにするためにも、離婚届の書き方や離婚協議書に盛り込む内容をチェックし、慎重に記入していきましょう。

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執筆・監修
服部 貞昭
ファイナンシャル・プランナー(CFP・日本FP協会認定)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
東京大学大学院 電子工学専攻修士課程修了
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