離婚調停とは|流れや必要書類、期間について詳しく解説!
いざ離婚調停をしよう!と思っても、裁判所に申し立てる方法がわからない方も多いのではないでしょうか。この記事では、裁判…[続きを読む]
離婚調停は、夫婦間の問題を中立的な第三者の調停員を通じて解決する手続きですが、その期間や進行の流れについて詳しく知っておくことは重要です。
この記事では、離婚調停の基本的なステップから、申し立てから合意形成までの過程、注意すべきポイントを解説します。離婚調停の期間や進行について不安を感じている方々にとって、手続きをスムーズに進めるための情報提供を行います。
目次
離婚調停とは、離婚の成立や条件についての争いが夫婦間での話し合いで解決できなかったときに利用できる制度のことです。
離婚調停では調停委員を介して話し合いを行い、夫婦で顔をあわせることはありません。
そのため、夫婦同士では感情的になってしまっていた話し合いを、冷静にスムーズに行うことができます。
調停では離婚の成立以外にも、養育費や財産分与、親権や面会交流といった争いも話し合うことができます。
離婚調停を行うには、まず裁判所に申し立てを行わなければなりません。
申立てを行う際は、主に以下のものが必要になります。
必要書類や費用の詳細は以下の記事で解説しています。
では、必要なものを準備し終えたら早速申立てに行きましょう。
ここからは申し立てから調停終了までの流れに沿って解説します。
申立てに必要な書類や収入印紙が準備できたら、家庭裁判所に提出しましょう。
ここで重要なのは、持ち込みをする裁判所は自分の住所地ではなく、「相手の」住所地を担当(管轄)する裁判所でなければなりません。
また、相手方の住所地とは「現」住所地を指します。住民票と現住所が違う場合は気を付けてください。
なお、双方の合意があれば合意のある裁判所で申立てを行うことができます。
もし持参した書類に間違えている部分があるとその場で修正する必要があります。
そのため、印鑑も一緒に持参するのがいいでしょう。
郵送の場合、書類に間違えがあると受領されないので注意してください。
相手方の住所地の管轄がわからない場合は以下のリンクから調べることができます。
裁判所ごとに受付時間も違う可能性があるので一緒に確認しておきましょう。
【参考】裁判所の管轄区域
書類等を裁判所に提出したら、2週間ほどで「調停期日通知書」が自分と相手方に届きます。
この通知には一回目の調停期日、つまり初めて話し合いを行う日付が書かれているので確認しましょう。
第一回調停期日は申し立ててから大体1ヶ月後に設定されますが、裁判所が忙しい場合はさらに遅くなる可能性もあります。
第一回調停期日の日を迎えたら、遅刻しないように時間に余裕をもって裁判所に向かいましょう。
また、以下のものを持っていくのを忘れないようにしてください。
裁判所についたら家事書記官室で受付をします。
受付をするときは「調停に来たこと」「事件番号」「名前」「申立人かどうか」を伝えます。
受付が済んだら待合室に案内されます。
相手方とは違う待合室に案内されるのでこのときは顔をあわせる心配はありません。
自分たちの番になったらまずは調停手続の説明を受けます。
夫婦一緒に説明を聞くのが原則ですが、少しでも顔をあわせたくないという人は、申立ての際に提出する書類にある「進行に関する照会回答書」にその旨を書いておきましょう。
手続きの説明が終わったら相手方が退席し、申立人から話を聞かれます。
調停委員は2名おり、夫婦二人の意見を聞きながら公正中立の立場で話を進めてくれるので、事情・要求・主張をしっかり話しておきましょう。
大体30分で相手方と交代します。
自分と相手方、基本的には30分を2回ずつ(計2時間)交代で話すと今回の調停は終了です。
話がまとまらなかった場合、次回期日の日程を決めて解散となります。
第二回以降の調停期日も一回目と似たような流れで行われます。
全体的には月に1回程度のペースで行われ、約9割の人が2~4回の期日で調停を終了しています。
申し立てから1年以内に終わらせることが多いようです。
調停が成立(離婚決定)した場合は裁判官から合意内容の言い渡しがされ、「調停調書」が作成されます。
この「調停調書」には合意した内容がまとめて記載されており、もし守られなかった場合は強制執行ができるという法的な力も備えています。
記載内容が読み上げられますので、記載漏れや金額・日付の誤り、曖昧な点などがないか確認しましょう。
原則としてこれ以降の変更はできません。
調停調書は郵送されることになっていますが、郵送には申請が必要です。
また、調停が成立してから離婚届を出すまでには期限があり、期限を過ぎると過料をとられる可能性もあるため、裁判所に直接取りに行く人が多いです。
調停調書と共に離婚届を役所に提出することで離婚成立です。
第一回調停期日は参加者の予定を考えずに設定されます。
そうすると、相手に予定があるなどして来られない場合があります。
その場合は裁判所側から連絡が行き、次回は出席するようであれば次回期日を決めて終了します。
何回も相手方が来なかった場合は不成立として処理されます。
また、第一回期日前に相手方から出席できない旨の連絡があった場合、期日の変更や2回目からの出席になるといった対応がされます。
調停を何回も行っても合意がされない場合は調停不成立となります。
その場合は離婚訴訟を申し立てることが可能です(その他、調停に代わる審判、もう一度協議離婚を試みることもあります)。
離婚調停はなるべく自分の主張の通った離婚ができるように進めたいですよね。
ここからは離婚調停を有利に進めるためのポイントをご紹介します。
調停委員は公正中立の立場…といえども一人の人間であることに変わりはありません。
人間であれば誰しも感情によって判断も偏ってしまうもの。
そのため、調停委員が自分の味方になってもらえるように服装や言動には注意するようにしましょう。
不倫やDV、モラハラといった相手方の問題によって離婚する場合、それらを証明するための証拠を準備しておきましょう。
また、財産分与を行う場合は貯金などの財産を示す証拠を、親権について争っている場合は自分が子供を育てるのにふさわしいことを証明するために収入や家庭環境を示す証拠を用意しましょう。
客観的な情報はあればあるほど有利になります。
それぞれの調停にあわせた証拠を用意することが重要です。
調停委員に自分の主張をぶつけられるのは各調停期日ごとに1時間しかありません。
弁護士に頼まず自分だけで話をするとなると、話しておきたかったことを言い忘れてしまったり、相手方への反論がうまくできない可能性もあります。
そのため、調停に行く前は自分が言っておきたいことや離婚前の状況をまとめたメモを作っておきましょう。
調停でやってはいけないことや有利になる方法を以下のリンクで詳しくまとめていますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
なお、待ち時間が意外と長いので暇つぶしができるものを持って行ったり、子供の預け先を確保するといった準備も忘れずに行いましょう。
以上が離婚調停の流れとなります。
裁判所に行くなんて誰も慣れたことではなく、敬遠してしまう方もいるかもしれません。
しかし、安くて信頼できる第三者が立ち会ってくれる離婚調停は、協議離婚ができなかった場合にとても有効な手段の一つになります。
ただ先述したように、注意しなければならない点も多々あるので、気を付けながら納得のいく離婚ができるように頑張りましょう。