婚約破棄とは|女性から男性からの理由の実例、メンタルを立ち直らせるために

婚約破棄をされた人がいるでしょう。女性からも男性からも行われるケースがあります。
好きな相手と結婚を約束したものの、結婚の準備を進めていく間に相手と不仲に…。相手が一方的に別れを告げてきた、なんてことも実際にあります。マリッジブルーなどが理由の場合も多いです。
この場合婚約破棄ということになりそうですが、本当に婚約破棄が成立するのでしょうか?
今回は、婚約破棄について解説します。恥ずかしい、辛いと感じる婚約破棄の原因と理由、決め手、婚約破棄にあたる場合と当たらない場合、婚約破棄から立ち直るためにできることについてわかりやすくご説明します。
目次
婚約破棄とは?原因と理由
まずは婚約破棄とは法的にどのようなケースを指すのか、理解していきましょう。その上で婚約破棄の原因と理由についてご説明します。
婚約破棄はどこから?婚約解消との違い
婚約とは男女が結婚の予約をする契約を指します。一般的なケースとしては、婚約指輪を貰えば婚約成立と考えますよね。しかしこれ以外でも、婚約指輪なしでプロポーズをして相手が同意したら、口頭でも婚約の成立となります。特に書面も必要ありません。
では、婚約破棄はどこから、どのような場合に成立するのでしょうか?
婚約破棄とは「婚約したのに」これを一方的にやめることを指します。具体的には、婚約が成立していて、正当な理由なく婚約を解消することを指します。
婚約解消の場合だと、お互いが納得した上で合意がある場合のことを指すこともあります。しかし、一方的に婚約解消を告げた場合には婚約破棄となり、慰謝料を請求することも可能です。
ただし、この場合は、先にあげた「婚約していた」という事実と「正当な理由なく婚約解消をした」という事実の両方を証明しなければいけません。
婚約破棄の原因、理由|決め手
婚約破棄の原因、決め手としてよく挙げられるのは、女性からでも男性からでも以下の通りです。
- 婚約中の浮気の発覚
- さまざまな価値観の違い
- 親の反対
- マリッジブルー
婚約中の浮気の発覚
一番良くある原因としては、婚約中にどちらかの浮気が発覚するケースです。女性からもありますし、男性からもあります。
婚約中であるのに、婚約者に浮気相手がいる事が発覚し、仲が拗れてしまう事があります。浮気は癖になっていることも多いので、結婚後に繰り返す人も多いです。先に発覚して別れる決断をした場合には、結婚後に傷付かずに済みます。婚約解消の理由として一番多い理由かもしれません。
さまざまな価値観の違い
婚約中は、結婚の準備でお互いに忙しくなります。親族への紹介から始まり、家族付き合い、結婚式場の予約、新居選び、などさまざまなことを進めていかなければいけません。ある意味初めての共同作業となるため、この時に相手に違和感を感じる方は非常に多いです。結婚式前の喧嘩は多くの方が経験しています。相手が思うように結婚式を進めてくれない、意見を出さない、積極的ではない、というだけでなく、思っているよりも貯金や収入が少なく金銭感覚が合わないと感じるケースもあります。家族との接し方などもお互いに差があれば、埋めるのが難しいと感じる方もいらっしゃるでしょう。これらが決定的な価値観の違いとなれば、どちらかが別れを告げてくることになります。
親の反対
相手のことが好きで結婚するにしても、親の反対がきっかけで結婚を迷うケースもあります。この人と結婚しても「結婚後に両親(または義理の両親)との関係で苦労するかもしれない…」と考え、親との関係が重要である場合には、結婚を破棄しなければいけないケースもあります。
マリッジブルー
結婚前になると、多くの方が経験するのがマリッジブルーです。女性からのイメージもありますが、男性からもマリッジブルーはあります。
「本当にこの人で良いのか?」と不安になり、相手を避けたり、喧嘩が増えるようになります。最終的には一緒にはやっていけないと感じ、婚約を破棄する結果となります。
以上が、代表的な婚約破棄の原因、理由です。結婚前に何らかの問題が発生し、結婚すべきではないとどちらかが気づいた場合に婚約破棄に至ってしまいます。
婚約破棄にあたる場合&当たらない場合
相手に慰謝料を請求したいと考える場合、婚約破棄にあたるかどうかは重要です。そこで、婚約破棄にあたる具体的な理由の実例、婚約破棄に当たらない具体的な理由についてご説明します。
婚約破棄にあたる理由の実例
婚約を一方的に解消されてしまった場合、相手に責任をとってもらいたいと思うのは当然です。しかし、相手に慰謝料を請求するためには婚約破棄の理由が不当である必要があります。婚約破棄にあたる具体的な理由の実例としては、以下が挙げられるでしょう。
- 性格の不一致や価値観の違い
- 信仰が異なる
- 親の反対
- 相手の親族の犯罪歴の発覚
- 出身、人種、国籍等による差別
- 自身の浮気の発覚
性格の不一致や価値観の違い
よくある実例は性格の不一致や価値観の違いです。結婚式前のゴタゴタで相手と合わないということに気づき、一方的に相手が婚約解消を告げるケースがあります。このような性格の不一致や価値観の違いは正当な理由とはみなされていません。
信仰が異なる
日本の憲法では信教の自由が保障されているため、信仰を理由にする婚約破棄は正当理由とはいえません。相手と宗教が同じことがその人にとって重要である場合は、婚約前に把握しておくべきです。
親の反対
親の反対も当事者の問題ではありませんので、正当理由とはなりません。実例として家柄を問題にする家庭もありますがこれも正当とはいえません。
相手の親族の犯罪歴の発覚
相手の親族に犯罪歴があったことが発覚したとしても、婚約破棄をすれば慰謝料請求の対象となります。結婚する当事者には関係のない事柄であるためです。
出身、人種、国籍等による差別
出身、人種、国籍等による差別は憲法で禁止されています。これを理由に婚約破棄をすることは正当理由に当たりません。
自身の浮気の発覚
ご自身が婚約中に浮気した場合に、相手から婚約破棄を告げられた場合には、こちらから慰謝料請求をすることはできません。あなた自身に婚約解消の責任があるためです。
上記のような理由の実例がある場合には、正当な理由がない婚約破棄の事実として考えられるため、婚約が成立していたことが証明できる場合には慰謝料を請求可能です。
婚約破棄に当たらない場合|正当な理由がある場合
では、どのような場合に婚約破棄に当たらないのでしょうか? 婚約破棄には正当な理由がある場合には、慰謝料請求の対象とならないと考えられています。具体的には、以下のような理由で婚約破棄をした場合には慰謝料請求の対象となりません。
- 相手の浮気の発覚、相手が既婚者だった
- 暴力、子への虐待
- 重い精神疾患
- 結婚相手の失踪
- かなりの借金がある事が発覚した、経済状況の大きな変化
- 性的な問題、肉体関係の強要
相手の浮気の発覚、相手が既婚者だった
相手が浮気していた、相手が既婚者だったことが発覚した場合には、相手に婚約解消に関する責任がありますので、婚約破棄をしたとしても正当理由に当たると考えられます。
暴力、子への虐待
また暴力や子に対する虐待などが発覚した場合には刑事責任を追求することも可能ですので、婚約破棄しても問題ありません。
重い精神疾患
また相手に重度の精神疾患がある場合には婚約解消の正当理由となります。
結婚相手の失踪
相手が結婚前に失踪してしまった場合には、婚姻生活は不可能ですので婚約破棄の正当理由に該当します。
重い精神疾患
さらに経済的な問題が発覚した場合も、正当理由に当たります。
かなりの借金がある事が発覚した、経済状況の大きな変化
相手に返済不可能なほどの借金が発覚した場合や経済状況が変わったことにより2人での生活が難しくなった場合なども婚約破棄の正当理由です。
性的な問題、肉体関係の強要
最後に、相手に性的に不能であることが発覚した場合や肉体関係において問題(異常な性癖、性交渉の強要)があった場合にも、慰謝料発生なく婚約破棄可能です。
婚約破棄とメンタル|立ち直れない場合にできること
婚約破棄となってしまった場合、メンタルがしんどい、また辛い気持ちから立ち直るのには時間がかかります。少しでも早く回復するためにできることを見ていきましょう。
メンタル回復のためにすべきこと
少しでもメンタル回復し、辛い気持ちから抜け出せるようにするためにも、以下のことを実践してみてください。
- 婚約解消の後始末を早く終わらせる
- 楽しめることを見つけよう
婚約解消の後始末を早く終わらせる
まずは、婚約解消後に残された後始末を早く終わらせましょう。式場を予約していた場合にはキャンセルなどの手続き、親への報告、そのほかにすべきこと、などできるだけ短い期間に終わらせてしまいましょう。ショックで1人で落ち込み、何も手につかない方も多いですが、物理的に相手との関係をできるだけ早く切ることが前に進むことにつながります。そのためには、婚約に関連する作業を早めに終わらせることが重要です。
楽しめることを見つけよう
また結婚や恋愛のこと、相手のことを考えない時間をできるだけ多く持つことも重要です。相手のことを忘れるには多くの時間がかかります。その期間の辛さを少しでも減らすために、メンタルを回復するためにも、好きなことを見つけて、楽しむことが重要です。婚約中や婚約前に気になっていた趣味などは、今やってみるべきです。できれば身体を動かすことを積極的にやりましょう。
心の回復のためにやってはいけないこと
早くメンタル回復するためには良くないこともあります。以下には気をつけましょう。
- 恥ずかしい、辛いので、無理に元気になろうとすること
- 1人で抱え込まないこと
- 結婚に執着しないこと
恥ずかしい、辛いので、無理に元気になろうとすること
「好きなことを見つけてください」と言いましたが、100%楽しむ必要はありません。
恥ずかしいと思ったり辛いと思うことは当然のことです。最初は気が進まないのは当然です。
気持ちを無理にポジティブに持っていこうとすると、反動が起きることも多いので辛い気持ちを否定しないでください。泣きたいときは思いっきり泣いて、自分の気持ちを認めてあげることも重要です。恥ずかしい、辛いと感じている人は特に注意をしましょう。
1人で抱え込まないこと
恥ずかしい、辛いと感じている人は、また1人で抱え込まないようにしましょう。
辛いことは口に出して友人に伝えることで少しずつ楽になっていきます。信頼できる人との時間を増やすのもポイントです。
結婚に執着しないこと
恥ずかしい、辛いと感じて「早く次の人を見つけて結婚したい」という気持ちはわかります。しかし、焦るとうまくいかず、余計に辛くなります。一旦結婚のことは忘れ、心の回復に努めてください。忘れた頃に次の恋愛ができるようになります。
慰謝料請求も、心の回復のための1つのステップになる
相手を許せない気持ちが強い場合は、きちんと慰謝料請求することが解決につながることも多いです。相手にも責任をとってもらうことで、あなたの心の回復も早めることができます。ショックが大きいため、相手に直接会って慰謝料の相談をするのは大変です。こういうときこそ、専門家である弁護士に相談してみましょう。迅速に慰謝料請求を進めてくれます。