離婚に踏み切るタイミングはいつがベスト?|子なし・子ありの場合
離婚に踏み切るタイミングはいつがベストか?しりたい 子どもがいるので、離婚のタイミングは慎重に判断したい 長い時間を…[続きを読む]
親が離婚した場合、子供の気持ちや、子供への影響はどうなるのでしょうか?
本当ならば父親と母親が揃っているはずなのに、どちらか片親になってしまう状況について子供はどのように感じているのでしょうか。
この記事では、離婚は仕方ないと考えながらも、子供への影響が心配で離婚になかなか踏み切れない方向けに、離婚による子どもへの影響と、親の離婚後、子供の気持ち、年齢別の心理について解説していきます。
また、離婚が子どもに悪影響を与えないようにどうすれば良いのかを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
以下のリンクで、記事内の年齢別の解説(幼少期、小学生、中学生、高校生)に飛ぶことができます。
親が離婚した子供の気持ちなどを、お子さんの年齢に合わせて早く結論を知りたい方はこちらからお読みください。
まずは両親の離婚が子どもに与える影響について、悪影響と良い影響に分けてご説明します。
子供の心理は複雑で、必ずしもこのようにパターン化しきれるものではありませんが、「傾向としてこのようなものがある」ということを把握することで、今後子供の気持ちをケアしたり生活スタイルを整えたりするのに役立てることもできるでしょう。
まずは、離婚が子どもに与える悪影響についてみていきましょう。
離婚して、片親と離れて暮らすことになると、子どもの心には「自分は捨てられたのではないか」という思いが残ってしまいます。
そのような子どもは、「今一緒に暮らしている親からもいつかは捨てられるのかもしれない…」という思いを無意識のうちに感じてしまう傾向があります。
アメリカの心理学者の研究により、離婚は、子どもにとって両方の親から捨てられるという不安を感じさせ、将来的な学業成績の悪化や成人後の社会的地位が低くなるといった傾向があることが、明らかになっています。
実際に、「いつか自分が捨てられるのでは」といった親から捨てられる不安や辛さ、離婚による生活環境の変化などにより、勉強に集中できず、成績が下がるケースは少なくありません。
両親の離婚や不仲といった状況の元で生活している子どもは、精神が不安定になりがちです。
そのため、学校の先生や友人、兄弟姉妹に対して攻撃的な態度をとってしまうケースもあるようです。
また、特に中学生や高校生などは、ドラッグやアルコールの依存症になる、タバコに手を出してしまうなど非行に走ってしまうケースもあります。
子どもは、一番身近な存在であった両親の離婚を目の当たりにすると、愛情に疑問を抱いてしまうようになります。
「どんなに愛情があってもいつかは別れてしまう」という思いから、友達や持ち物への愛着が薄くなる傾向があるようです。
両親が離婚した場合は、その子どもの離婚率が高まるという見解があります。
もちろん、離婚した両親を反面教師にして自分の結婚生活に生かす、というケースもあります。
しかし、これまで一緒にいた両親が離れ離れになってしまうという現実から、家族のあり方に懐疑的になってしまう傾向はあるのかもしれません。
子供たちは離婚によって親への感情の葛藤を抱えることがあります。親に対する愛情と怒り、理解と戸惑いなど、複雑な感情を抱えることがあります。
離婚によって転校や家庭環境の変化が生じる場合があります。新しい学校や生活環境への適応が難しくなることがあり、ストレスを感じることがあります。
離婚によって親との時間が減る場合、子供たちは親とのコミュニケーションや関係性に対してストレスを感じることがあります。
続いて、離婚が子どもに与える良い影響について解説していきます。
良い影響は、離婚前にDVがあった、夫婦関係が悪いことが子どもまで伝わっていた、というようなケースで多くみられる傾向にあります。
悪影響と表裏のものもありますが、状況によっては良い方向に作用する場合もあるということです。
両親の不仲な姿や口論をしている姿を見ることは、子どもにとって非常に辛いことです。
離婚によって、両親のそのような姿を見ることがなくなることは、子どもの気持ちを前向きにすることにも繋がります。
また、DVなどに苦しんでいた場合は特に、暴力を振るわれなくて済む、暴力を振るわれているところを見なくて済む、離婚によって明るくなった親と生活できるなど、子どもにとって良い影響を与えるということができるでしょう。
両親の不仲や苦しんでいる姿を見てきた子どもは、無意識のうちに親に気を遣っていることが多いです。
離婚して、明るい家庭になった時には、子どもも親に気を遣わず、子どもらしい振る舞いができる可能性が高まるようです。
両親の離婚は、子どもにとって大きな影響を与えますが、同時に精神的に大きな成長を与えるとも考えられます。
片親を自分が守らなくては、といった自立心が芽生えたり、「離婚」という困難を乗り越えた分メンタルが強くなるなど、精神的な自立が早くなることもあるでしょう。
幼少期から小学生、中学生、高校生まで、年齢によって、両親の離婚に対する捉え方や影響、親が離婚した子供の気持ちは違ってきます。
心理というのは個々に異なり、一概に言えるものではないですが、年齢別にその傾向は異なります。
お子さんの年代の心理傾向を把握することは、お子さんの心情理解の一助になるでしょう。
では、早速見ていきましょう。
まず子供が小学校に入る前の幼少期(0歳や1歳も含めて、5歳程度まで)の場合には、子供はまだ「離婚」という実態についてはよく分からないものです。
どうしてなのか分からないけれども、片親しかいないことに対して、いつもと何か違うと察して寂しさや物足りなさ、不便さなどを感じて泣くことが増えるケースも多いようです。
また「みんなはお父さんお母さんがいるのに、自分だけ片方しかいない」ということに気付いて、友達との差を感じる子も出てきます。「どうしてパパはいないの?」など素朴な質問をすることもあります。
分からないなりに寂しさを感じているのは事実です。
次に小学生の場合を見ていきます。
3年生くらいまでの低学年の子供は、親にまだまだ甘えたい年頃です。
自分には片親しかいないと思いうまく甘えることができず、親にかまって欲しい気持ちから余計に悪さをする子もいるでしょう。中には不安定な気持ちから、おねしょをしてしまう小学生もいます。
一方で、小学生でも高学年になってくると、だんだんと「離婚」の意味も分かってくるようになります。
「両親が仲が悪くて離れて住んでいる」というふうに捉えて、詳しくは分からないけれども問題のある家庭に生まれたのだと悩んでしまう子もいるかもしれません。
特に引き取った親があまりにも忙しかったり、暗い表情を見せていたりすると、小学生の子供も余計に寂しさを感じるでしょう。
けれども、高学年になると友達と遊ぶ時間や学校や塾や習い事の時間も楽しくなってきます。
親が片親であってもあまり気にせず、友人と楽しく遊んだり習い事に夢中になったりしてのびのびと成長していく子も意外と少なくありません。
それでは子供が中学生の場合はどうでしょうか。
両親が揃っている円満な家庭で育っていても、思春期のこの時期にはいろいろと敏感に思い悩む中学生が多いものです。両親が離婚したとなると、そのことを複雑に捉えて「自分は不幸な子供だ」と感じてしまう子もいるでしょう。
何かにつけてデリケートな感情になりやすい時期なのです。
「自分がいじめられるのは片親のせいだ」「両親がいてくれればもっと勉強できたのに」というふうに、親の離婚についてとても過敏になってしまうのです。
上記のように家庭問題について複雑化して捉えてしまう中学生は、万引きや喧嘩などの悪さを起こしてしまう子もいれば、不登校や引きこもりなどに陥ってしまう子いるようです。
また胃腸炎や頭痛など、心因的な不調を訴える子もいるでしょう。
ちょっとしたことでも精神的に参ってしまいやすいこの時期は、両親の離婚は大きな傷になりやすいと言ううことができます。
高校生にもなれば、親の離婚について冷静に捉えることができる子供も増えてきます。
中には「お父さんとお母さんが喧嘩して仲が悪い状態を見ているより、離婚してそれぞれ幸せになってくれたほうがいい」というふうに大人の意見を言う子も見られます。
また高校生になると恋人がいる子供もいるでしょうが、何もかもうまくいくわけではないという現実も知るようになり、親の離婚に対しても「仕方がない」と割り切ることができるのかもしれません。
離婚に踏み切るタイミングというのは、特に子供がいる場合は非常に難しいものです。
出来るだけ子どもに悪影響を及ぼさないタイミングで離婚をしたいと考える人は多いのではないでしょうか。
もちろん、子供のことを考えて離婚しないという判断に至る人もいるでしょう。
人生における大きな決断であるからこそ、慎重に時期を見極めることが大切です。
詳しくは以下の記事をご参照ください。こちらでも子供の年齢別に解説しています。
子どもに離婚を伝えることは、子どもが離婚を受け入れ始める第一歩です。一方で、伝え方を誤ると、子どもに深い傷を負わせてしまう可能性もあります。
そのようなことがないように、子どもに離婚を伝える際には、以下のことに細心の注意を払うようにしましょう。
離婚について子供の意思を尊重しようとするあまり、子供に「○○はどうしたい?」と意見を聞くケースが少なくありません。
しかし、これは子供にとっては大変な負担・ストレスです。
完全に夫婦2人の問題で離婚を検討する場合、子供からすればどちらも大切な両親なのに、どちらかとは離れ離れになってしまうことになります。
また、子供によっては「自分がどちらかについていくことになれば、もう一方の親が悲しむ」と考えることもあります。
したがって、伝え方を考える際に、子供の意見を尊重するのは大切なことですが、直接的に子供に選択権を委ねるべきではありません。
子どもに離婚を伝える時、絶対に嘘をついてはいけません。
嘘をついてしまうと、後々嘘がバレた時に子どもは深く傷つきます。
さらに、信用していた親から裏切られたと考え、人を信用できなくなってしまうケースもあります。
伝え方を考えて、話す時には、事実のみを伝えるようにしましょう。
「子どものせいで別れるわけではない」ということをはっきりと伝えるようにしましょう。
多感な子どもの中には、両親の不仲や離婚の原因が自分にあると考えてしまう子どもがいます。
中には、親権者でない親に捨てられたと考えてしまう子どももいるそうです。
あくまでも「親の問題」ということを強調しましょう。
子どもにとって、たった2人の大切な両親です。
たとえ非親権者に離婚の原因があったとしても、そのことを子どもに対して悪くいうことはやめましょう。子供のへの成長には大事なことです。
離婚しても自分たちは子どもの親である、ということを伝えることが重要です。
これは、子どもが「捨てられる不安」を持ってしまうことを避けるためにも必要なことです。
「会いたくなったら会える」「両親からの愛情はかわっていない」ということを伝えるようにしましょう。
離婚を伝えられた子どもは、年齢に関わらず様々な影響を受けます。
できる限り悪影響を軽減してあげるためには、引き取った側の親が子どもの心情をケアすることが大切です。
たくさん愛情を注ぎ、子どもと向き合う時間を意識的に作るようにしましょう。
以下では、年齢別に離婚による影響をケアする方法を解説していきます。
ぜひ、参考にしてみてください。
こうした幼少期の子供に対しては、普段通りに接してあげることが一番です。
離婚のダメージや育児の難しさから子どもに当たってしまいそうな時は、家族や友人を頼ることも必要です。
4歳、5歳頃になって子供が離婚について疑問を持ったら、嘘をつくことなく、子どもが納得できるまでどうして片親がいないのかについて話すことが大切です。その際、もう片親のことを悪く言ったり、子どもの敵として伝えたりしてはいけません。
親の都合で離婚した場合、不在の片親も子どものことを愛していることを伝えるようにしましょう。
子どもが小学生の場合には、子どもの抱えている不安を全身で受け止めてあげるようにしましょう。
子どもが10歳を超えた頃には、「離婚」がどのようなことであるのかということを理解している場合が多くなります。
離婚を認めたがらないケースもあるようですが、子どもと向き合う時間をしっかりと作り、納得のいくまで話し合うことが大切です。
子どもが中学生の場合には、まずは子どもの話をしっかりと聞くことを心がけましょう。
中学生になると、反抗期を迎え、親と会話をしない子どもも多くいます。また、学校で抱えている不安や悩みを相談できずに苦しんでいる子もいるようです。
子どもが尖っている、ぶっきらぼうな態度しかとらない、と言ったケースは、両親が揃っている家庭でも起こりうることです。決してひとり親だからだと焦る必要はありません。
子どもの成長を受け止め、自分は子どものことを信用しているという態度を見せましょう。
離婚に対して打ち明ける際も、決して嘘はつかず、正直に打ち明けることが重要です。
子どもが高校生の場合には、特に女の子は母親の気持ちを理解できる傾向にあります。
だからこそ、離婚による家計の問題などを気にして進学を断念する子もいるようです。
この時期の子供には、「選択肢の多い人生」を見せてあげることが大切です。
経済的に無理をすることはオススメはできませんが、子どもとしっかりと向き合い、話し合いをして進路を決定するのが良いでしょう。
場合によっては、非親権者に進学のための養育費を請求するのもいいかもしれません。
子どもの夢が断たれることのないように、子どもの進路と向き合う時間を意識的に作るようにしましょう。
今回は、親が離婚した子供の気持ちやストレス、悲しさ、辛さ、そして小学生や中学生、高校生などの年齢別の子供への影響を解説しました。
離婚後には、子どもは少なからず悪影響を受けてしまいます。
離婚後は色々と大変だと思いますが、子どもの気持ちをサポートしてあげられるのは一緒にいる親の愛情です。
子どもと向き合う時間を意識的に取るようにして、出来るだけ離婚による子どもへの悪影響が軽減されるように気をつけてあげることが大切です。