子供の親権や認知はどうなる? | 妊娠中の離婚で注意するべき5つのポイント

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戸籍や養育費|出産前妊婦が離婚したら

出産前妊婦が妊娠中に離婚した場合、子どもの親権は原則的に母親がもち、元夫が親権をもつことはありません

また、戸籍について婚姻中に懐胎したとされる子どもは民法第772条第2項により婚姻届を提出していた両親の戸籍に入ることになります。したがって、子どもの名字を変更する場合は戸籍を母親の戸籍に移す手続きが別途必要です。

また、離婚後に子どもが生まれた場合は、「離婚届提出後300日が経過しているかどうか」で戸籍の取り扱いが変わってきます。まず、離婚して300日以内に子どもが生まれた場合、親権者は原則的に母親です(臨月のときに旦那や妻とケンカばかりという方も多いようです)。戸籍についても、民法772条2項により婚姻時の父親の戸籍に入ることになります。

しかし、離婚後300日を経過して子どもが生まれた場合、婚姻関係のない男女から生まれた子(非嫡出子、婚外子)として扱われるので戸籍は母方です。この場合も親権者は母親となります。もっとも、非嫡出子には法律上父親がいないことになっているので、元夫に対して養育費を請求するためには、元夫の認知が必要です。

非摘出子の認知とは?子供の戸籍について

認知とは、出産前妊婦が産んだ子どもを自分の子どもだと法律上認めることです。

認知届という書類を市役所に提出することで子どもを認知することができます。認知は離婚後、経済的に逼迫する可能性がある子どものために元夫に相続権や養育費の支払い義務を発生させる制度です。子どもを育てていくうえで、養育費は非常に大きな負担となります。

離婚してから300日が経過した後に子どもが生まれた場合は、できるだけ元夫に子どもを認知してもらいしましょう。もし、元夫が認知に応じない場合は強制認知という手段を取ることも可能です。

強制認知とは?認知と調停

強制認知とは、認知に応じない元夫に対して強制的に認知させ法律上の父親とすることです。

強制認知をするにはまず、家庭裁判所に対して認知の調停を申し立てます。元夫を交えた家庭裁判所による調停で、元夫が認知に応じれば裁判になることはありません。しかし、調停で話がまとまらない場合は家庭裁判所に訴えを起こし裁判を提起することになります。

認知の調停は数千円の収入印紙が必要なだけなので、さほど時間もお金もかかりません。しかし、裁判となると弁護士を雇うことになるのでまとまったお金が必要になります。さらに、時間も半年から1年程度かかるのが一般的です。

今後、子どもを育てていくうえで「毎月の養育費を払ってもらえるのかどうか」は重要なポイントになります。時間とお金はかかりますが、裁判も辞さない態度でのぞみましょう。そして、認知されると子どもは父親の相続権をもつことになります。

父親に万が一のことがあった場合、子どもに財産を相続させることも可能です。「認知されているかどうか」は子どもの将来に大きな影響を与えることになるので、できるだけ認知してもらうようにしましょう。

臨月の離婚でも。生活費・扶養的財産分与

婚姻中は、お互いの生活費を分担する義務が両方に課せられるので、夫は妻の婚姻費用を支払う必要があります。

しかし、離婚後は婚姻費用としての生活費を支払う義務は元夫にはありません。したがって、臨月など妊娠中に離婚し出産やその後の育児で仕事ができず、生活に困ったとしても生活費を元夫に請求することは不可能です。請求できるのは、あくまでの子どもの養育費だけとなっています。

■参考ページ
別居時の生活費 | 婚姻費用の分担請求で知っておくべき5つのこと

また、扶養的財産分与という制度がありますが、これは生活に余裕のある一方の配偶者からもう一方の配偶者へ生活が安定するまでの間お金を負担するというものです。特に、妊娠中の出産前妊婦が離婚後に出産や育児をしながら、仕事に就いて生活を安定させるまでには多額のお金がかかります。

この期間を元夫がフォローするための制度が扶養的財産分与といわれるものです。もちろん、逆の場合もあります。半年~3年の間一方の配偶者が毎月送金したり、決めた金額を分与したりするのが一般的です。妊娠している女性であれば、請求したい扶養的財産分与ですが、この制度は法律に規定されているわけではありません。したがって、元夫に扶養的財産分与をする法律上の義務はありません

あくまでも、経済的にゆとりのある一方の配偶者が善意でもう一方の配偶者に対して金銭面での援助をするというものです。もちろん、金銭的に余裕がなければ元夫へ請求することもできないので、注意が必要しましょう。

場合によっては慰謝料請求も

夫に不貞行為や多額の借金が見つかったなど、婚姻生活を継続しがたい状況になってしまった場合は慰謝料を請求することも可能です。

認知と同様に、離婚後に子どもをひとりで育てるには莫大なお金が必要になってきます。もし、慰謝料が請求できる事情がある場合には請求しましょう。もっとも、慰謝料は離婚したときに必ず支払わなければならないものではありません。

今現実的に慰謝料が取れるかどうか悩んでいる出産前妊婦さん、臨月の方なども近くの弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

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