知っておきたい!養育費の減額と再婚に関する全知識

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「養育費を減らしたい!免除してほしい!」と思っても特に大きな理由がなければ、なかなか減額が認められないのは当然です。

しかし、もしも元妻が再婚をして、再婚相手の所得に頼ることができる場合はどうなるのでしょう?

元配偶者が別の男性と結婚したなら、普通は経済的に困窮しない、つまり「養育費を自分が支払う必要はない」と考えるのも当然といえば当然でしょう。

そこで今回は再婚と養育費の関係、また再婚と「養子縁組」についてもあわせて解説して参ります。

そもそも養育費の相場とは?

未成熟子を持つ夫婦が離婚した場合、父母のどちらかが親権を持つ義務が発生します。

このとき親権を持った親は子どもと共に新しい生活を送り、もう一方の親は別の世帯を構えることになります。しかし、夫婦が離婚しても、法律上では親子関係は変わりません。

つまり、子どもと同居をしていない親にも子どもを扶養する義務があるのです。このとき、発生する費用が「養育費」です。養育費の支払いには、いわゆる算定表で確認できますが、それも目安であって、明確な平均の期間も金額相場も実はありません。

(※算定表や相場については、また別のページで解説致します。「知っておくべき養育費の決め方【2018年版】」を後ほどあわせてご参照ください。)

支払い義務の期間は大学まで?

また金額だけではなく、支払う年数、大学まで払う等の決まりもありません。

子どもが経済的に自立するまで支払いの義務があるため、いつまで支払うかというと高校を卒業する18歳までのケースや大学院を卒業する24歳までのケースまでさまざまです。

また、金額についても父母の所得によって大きな開きがあるため、家庭の状況・所得に応じて算定表などで計算して都度決めていく必要があります。

養子縁組の問題:相手が子連れ再婚したら養育費は免除?

そもそも養育費とはあまり知られていませんが、父親もしくは母親が、「血のつながった」子どものために支払う費用です。

つまり、離婚した相手が子連れ再婚して、実の息子が再婚相手と「養子縁組」した場合でも、実の両親によって支払う義務が発生します。これは養子縁組をしたからといって父子・母子の関係が否定されるわけではないからです。

(※「養子縁組」とは簡単に言うと、血のつながりがないものを法律上、親子同士とみなす手続きです。もちろん解消する手続き、離縁をとればまた赤の他人に戻れる関係のことです。)

特別養子縁組とは?

ただし実の息子が養子縁組をした場合でも、例外的に養育費を支払わなくても良いケースがあります。それが「特別養子縁組」です。

実の息子が元妻の再婚相手と特別養子縁組をした場合は、血のつながりがあったとしても親子の縁が完全に失われる制度です。

養育の義務もなくなるため、養育費を支払う必要はなく免除されます。

そもそも養育費を払えない場合は、減額調停がある

先ほど紹介したように特別養子縁組でもない限り、子どもが自立するまで養育費を支払う義務はあります。

義務自体はあるのですが一方、法律では養育の事情に変動があった場合には、養育費の額を変更できるということも明記されています(民法第880条)。

そして「子連れ再婚」は、この事情の変動に含まれます。再婚によって元パートナーが経済的に豊かになっているのであれば「養育費払いたくない」「減額したい」と考え出す人も出てくると思いますが、実際的に養育費の減額は可能となっております。

減額は認められるが、すぐ通るわけではない

また、自身の所得減での「払えない」問題や再婚によって経済的に困窮した場合にも減額を求める権利はあります。

しかし、減額の要求がすぐに通るわけではありません。元パートナーとの話し合いを通して、減額後の養育費を決めていくのです。

もし、話し合いがまとまりそうになければ、養育費減額調停の申し立て行い家庭裁判所の判断を仰ぐことになります。

※また余談ですが、「調停」は訴訟ではありません。その他、離婚用語についても詳しくは「離婚と調停・審判|家庭裁判所に行く前に知っておくべき離婚用語」のページをあわせてご参照ください

減額の交渉の流れ。家庭裁判所で手続き

元パートナーの子連れ再婚による養育費の減額を求めていくためには、相手との話し合いが必要不可欠です。

給与明細・家計簿など証拠が必要になる

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に調停の申し立てを行うことになりますが、できれば話し合いで解決できると良いでしょう。そのためには、まず資料を集めることが大切です。

自分自身の給与明細や家計簿、事情の変動を証明できる資料を前もって準備しておきます。また、元パートナーにも同様の依頼ができるとベストです。

特に元パートナーの再婚相手の給与明細は交渉のカギとなります。減額の要求を流れで簡単に受け入れる人は決して多くありませんが、客観的に判断できる資料を提示することで冷静に話し合いを進めることができるはずです。

揉めた場合は調停・審判へ

もし、話し合いでの解決が困難な場合は、家庭裁判所に申し立てを行います。家庭裁判所では調停委員が双方の事情を聞いたうえで、支払額を決定します。

調停委員の判断に従うことになりますが、それでも流れの中で折り合いがつかない場合は審判という手続きに進みます。審判とは強制力のある決定となるため、ここで提示された養育費は決定事項として支払う義務があります。

逃げる・放棄|子どもの健やかな成長のために

離婚の理由はさまざまです。性格の不一致、相手の不貞行為、親族とのわだかまりなど、心に一生に傷を負ってしまうこともあるでしょう。養育費を支払うということは、そんな相手とのつながりを持ち続けることにもなります。これは、離婚後の金銭的な負担にとどまらず、精神的にもストレスの大きなものになるかもしれません。しかし、元パートナーとの間に子どもがいる場合は、養育の義務が発生します。

子どもの父親・母親として、健やかな成長を支える責任があるのです。そのため、どれだけ苦しくても自分と血がつながった「子ども」のために養育費を払う必要があります。自分のこれからの人生養育費から逃げる、子供からまったく逃れたい、養育費は払いたくない等という気持ちも理解できますがまずは、子供のこころに寄り添ってあげることが必須であります。

離婚という決断をした以上、新しい人生を歩むこともできます。つまり、「養育の義務」と「自分の人生を歩む権利」のバランスをどのように取っていくかはポイントとなります。そのためには、自分や相手の事情の変化に応じて話し合いや調停、審判などで養育費の金額を変えていくことも必要となるかもしれません。元パートナーの再婚はその大きなきっかけとなるでしょう。

養育費について、より詳しい「知っておくべき養育費の決め方【2018年版】」のページもあわせてご参照ください。

新しい人生への出発

再婚すると多くの家庭でそれまでより所得がアップします。つまり、生活が豊かになるのです。子どもが豊かに暮らせる環境が整っているのであれば、免除は難しいですが十分に養育費の減額要求は可能です。

元パートナーの中には養育費の減額を嫌がって再婚事実を隠す人もいるようです。しかし、そういったことにならないよう相手の事情を把握できる体制を整え、離婚後の人生も豊かに送っていきましょう。

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