面会交流を支援・サポートしてくれる「第三者機関」とは?

離れて暮らす親子の関係を維持し、円滑に進めるために、『第三者機関』が注目を浴びています。この記事では、面会交流を支援・サポートしてくれる『第三者機関』について詳しく解説します。

第三者機関は、離婚や別居に伴う子供と親との関係をサポートするための組織や機関を指します。この機関は中立的であり、親子双方の利益を考慮したプロフェッショナルが関与します。主な目的は、子供の幸福を第一に考えながら、面会交流や親子関係を円滑に進めることです。

第三者機関は、面会交流の場所や日程を設定し、両親のコミュニケーションを円滑にする役割を果たします。また、子供の感情や意見を尊重し、適切なサポートを提供することが求められます。このような機関は、特に親同士の対立やコミュニケーションの難しさを抱える場合に、非常に役立つ存在です。

記事では、第三者機関の役割や利点、どのように利用できるかなどについて詳しく説明します。離れて暮らす親子が健全な関係を築くために、第三者機関の存在は大きな支えとなることでしょう。

面会交流とは?面会交流に関するトラブルの現状

日本では離婚のうち約9割が夫婦の話し合いだけで成立する協議離婚のため、離婚後にトラブルが多発しています。面会交流もその一つで、平成27年度には1万2000件以上もの面会交流に関する調停の申し立てが行われました。

本来、面会交流は子どもの福祉や利益を最優先に考えて行われるべきものです。親が子どもに会える機会であると同時に、子どもにとってもいつも会えない親と過ごし親のことを知ることができる貴重な時間でもあります。

離婚により双方の親に対立があったとしても、お互いが冷静に状況を判断して親としての責任を果たすことが求められます。面会交流に伴い、夫婦間で面会の頻度や面会の場所などについて連絡を取ったり、子どもの受け渡しを行ったりします。

ちなみに欧米では両方の親に親権が認められる「共同親権」が主流で、裁判所によって養育費の分担や面会の方法などを決めたうえで離婚をするのが一般的です。しかし、日本では民法により、どちらか片方の親にだけ親権が認められる「単独親権」となっています。

第三者機関とは?

つづいて第三者機関についてです。

理想的な面会の形としては、離婚後も夫婦間でよく話し合い、子どもが楽しく過ごせる環境を準備することです。
しかし、夫婦間に葛藤があり感情的な対立が強い場合には、そう簡単には事が運びません。

親権がある親は相手に子どもを合わせたくない、親権がない親は少しでも多く子どもに会いたいと、お互いが自分の気持ちを優先するとトラブルに発展します。

また、面会交流の受け渡しの際に別れた相手と顔を合わせたくない、面会交流の調整のための連絡すら取りたくないといったケースも多く見られます。

そんなときにぜひとも利用したいのが「第三者機関」です。第三者機関は主に民間の団体で、面会交流に関する悩みの相談や面会交流の連絡・調整などを、本人に代わって支援してくれる専門家です。

経験豊富なスタッフが親身に相談に乗り、当事者にとってどのようなサポートが必要かを判断・提案してくれます。

第三者機関のサポート内容

面会交流に関する第三者機関の主な役割は、面会交流についての連絡・調整代理、子どもの受け渡し代理・面会交流の付き添いなどです。

夫婦間で連絡を取り合うのが無理という場合、第三者機関が間に入って面会日や時間、面会場所の連絡・調整を行います。この場合は実際の受け渡しや付き添いは当事者が行うことになります。

当事者が顔を合わせたくない場合は、面会場所まで子どもを連れて行き受け渡してくれるサービスもあります。夫婦間の対立が強くトラブルが発生している場合、面会中に相手に子どもを連れ去られるという可能性もあります。

そのような不安があるときには、第三者機関のスタッフが面会の間中付き添うことも可能です。また、子どもが乳幼児の場合や、子どもと面会する親の関係がうまくいっていない場合などにも、このサービスを利用する人が多く見られます。

基本的に第三者機関の利用は有料です。団体により異なりますが、一般的に連絡・調整にかかる費用は数千円から1万円程度、子どもの受け渡しは1万円から数万円程度、面会の付き添いは数万円程度かかります。

第三者機関を利用するメリットとデメリット

第三者機関を利用しての面会交流にはさまざまなメリットがあります。まずは、当事者同士が顔を合わせる必要がないことです。

子どもが小さい場合や、面会に消極的な場合など、親権を持つ親が面会交流に同伴するのが一般的です。しかし、お互いに対立感情があると顔を合わせるのも辛いので、代理でサポートしてくれる機関があると精神的に助かります。

また、面会中の親がその場にいない親の悪口を言ったり、家庭の状況を根掘り葉掘り聞き出そうとすることで、子どもの心は大変傷つきます。第三者がその場に居合わせることで、そのような状況を未然に防ぐことが可能です。

子どもが面会に積極的ではない場合など、誰かが一緒に付き添っていくことで、精神的負担を軽減することもできるでしょう。デメリットは費用の問題です。ほとんどの第三者機関が有料のため、当事者同士で話し合って負担額を決定します。

一般的には双方で利用料金を折半することが多いので、収入の少ない人にとっては経済的な負担になります

第三者機関をうまく利用して子どもの健やかな成長を!

夫婦間の葛藤が強く、面会交流に関する調停の申し立てを行った場合などは、家庭裁判所によって第三者機関の利用を勧められるケースもあります。

初めは乗り気ではなかったが、利用してみるととても助かるといった声もあり、第三者に「サポートしてもらう」こともとても大切です。

何よりもまず子どものことを考え、親の対立など見せなくていい部分は見せずに暮らせるよう配慮したいものです。基本的に第三者機関のサポートは月1回まで、サポート期間も1年以内としているところが多いようです。

そのため、サポートを受ける間に当事者間でも徐々に連絡を取ったり、受け渡しを行ったりというステップを段階的に踏んでいく必要があります。

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弁護士ライター、起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)、行政書士資格者を中心メンバーとして、今までに、離婚に関する記事を300以上作成(2022年1月時点)。
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