婚姻費用と養育費は別?どちらをもらう方が生活に困らないか

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「一刻も早く別れたい」という感情から、すぐに離婚に踏み切ろうとする方と、離婚をする前に一度別居をして様子を見ようとする方もいらっしゃるのでないでしょうか。

また裁判所のホームページで公表されている「養育費算定表」の中には離婚後支払い続ける「養育費」という項目と、また別居時などに支払われる「婚姻費用」という項目が記載されていることがわかります。

算定表で養育費と婚姻費用の両者を比較してみると、婚姻費用のほうが金額が多いことに気づく方もいらっしゃるかと思います。今回は婚姻費用と、請求する際の注意点などについて見ていきたいと思います。

婚姻費用とはなにか?

民法760条に「婚姻から生ずる費用」についての記載があります。これが婚姻費用のことを指しています。

夫婦で共同生活を営むうえで必要になるいっさいの費用のことです。衣食住の費用はもちろん、医療費、教育費、娯楽費などもすべて含まれます。婚姻費用は配偶者と子どもの生活費のことです。

子どもの人数が多いほど負担すべき婚姻費用の金額は大きくなります。

重要なことは、婚姻費用は別居をしていても婚姻関係が続いている限りもらえるということです。離婚をして財産分与や養育費があまりもらえないことが予想される場合には、婚姻関係を続けて婚姻費用をもらったほうが得になる場合があるのは事実です。

注意点:婚姻費用を過去に遡って請求することも可能?

例えば、2017年8月から別居を始めて、2018年2月になってから婚姻費用を請求できるということを知ったとします。

その場合、別居を始めた2017年8月に遡って請求することは基本的にできません。この場合、急いで請求をしても2018年2月時点の分からしか請求できません。

もちろん、事情によっては例外的に請求できることもあります。一般的には婚姻費用分担請求は「請求したとき」からもらえるという考え方ですので、別居を始めたらすぐに請求をするべきです。夫が自主的に支払ってくれている場合には必要ありません。

請求が認められない場合もある

婚姻費用は一般的には「妻と子どもの生活費」のことを指します。

このうち、子どもの生活費の部分についてはどのような事情があったにせよ請求することができますが、妻の生活費の分については別居に至る事情によっては認められないこともあります。

例えば、別居に至った原因が主に妻の側にあるというケースなどです。このような場合には、権利の濫用として婚姻費用の一部もしくは全額の請求が認められないことがあります。

急いで離婚をせず、まずは別居をして婚姻費用の請求を検討する

一般的に、離婚をして養育費をもらうよりも別居をして婚姻費用を請求したほうが金額は多くなる場合が多いです。

その主な理由は、養育費は子どもの生活費だけなのに対して、婚姻費用には妻の生活費も含まれているということが理由です。ですが、人によっては離婚をして母子手当と養育費をもらったほうが得をすることもあるのでケースバイケースです。

離婚をしてしまうと婚姻費用を請求するという選択肢がなくなるので、離婚を考えている方は念頭に置いておいてください。まずは別居をして婚姻費用をもらいながら離婚をすることが本当に幸せにつながるのかどうかをじっくりと考えてみることです。

婚姻費用の金額は話し合いで決めることが理想的ですが、話し合いがまとまらなければ調停や裁判をすることになります。請求をした時点から権利は発生していますが、裁判は半年~1年の長期になる場合もあるのでご注意ください。

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