夫・妻の失踪や精神病を理由に離婚できる?残った借金はどうなるの?

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・妻が大きな借金を残して失踪してしまった

・重い精神病になった

・専業主婦なのに家事をしない

などの事態になったら、辛い苦しい思いを抱きながらも、やむを得ず離婚をすることも考え始めるかもしれません。しかし夫婦問題はなかなかスムーズに行かないことも多いものです。

結婚には果たすべき義務がある?

結婚とは、法的にみれば「婚姻」という契約です。そのため、果たすべき「義務」が法律で定められているのです。

義務を果たさない相手に対しては、それを理由に離婚を申し立てることができます。

主な義務としては、以下の4つがあります。

・夫婦の貞操義務(民法770条第1項1号)
・同居と扶助の義務(民法752条)
・日常家事債務の連帯責任(民法761条)
・婚姻費用負担請求(民法760条)

貞操義務

1つ目の夫婦の貞操義務ですが、これは配偶者以外との肉体関係は契約違反ということであり、不貞行為として離婚の理由になります

同居と扶助の義務

2つ目の同居と扶助の義務についてですが、これは文字通り、夫婦は同居して互いに扶助しなければならないとされています。

扶助とは、自分と同レベルの生活を配偶者にもさせることを求めるものです。生活費を入れないという行為は扶助義務に違反します。また、勝手に「家出」をすることも同居と扶助の義務違反です。

日常家事債務の連帯責任

3つ目の日常家事債務の連帯責任は、日常の家事について第三者と法的な契約をした場合、その債務は夫婦が連帯して支払うというものであります。

夫婦が暮らす住居の家賃や水道光熱費などについては、夫婦で支払っていかなくてはなりません。また、職務労働と家事労働を協力して行う必要があり、「家事の放棄」は義務違反です。

婚姻費用負担義務

4つ目は「婚姻費用負担義務」です。夫婦はお互いに生活費を負担しあうことが求められます。

以上のような、婚姻の義務を妻が果たさないときには、離婚の正当な「理由」になってしまう可能性があります。

離婚が認められる5つの理由

どのようなケースなら正式な離婚と認められるのでしょうか。

離婚が法的に認められる理由としては以下の5つが主なものです。

・不貞行為
・3年以上の生死不明
・配偶者の強度で回復が見込めない精神疾患
・悪意の遺棄
・その他の婚姻を継続しがたい重大な事由

妻が失踪した場合、生死が分からないなら3年経てば離婚できますが、それ以前でも悪意の遺棄に当てはまれば離婚理由として認められるでしょう。

精神疾患を理由に離婚するのは簡単ではない

精神疾患を理由に離婚するのは簡単ではありません。

精神疾患を発症し意思能力がない(適切に話せる状態にない)とみなされると、協議離婚も調停離婚もできません。

そのため、まずは家庭裁判所に「成年後見人」や「成年後見監督人」の申し立てをして、その人を被告とした離婚訴訟を起こすことになります。

裁判では、症状の重さや回復の見込みのほか、回復のための療養に尽力したか、離婚後の生活に見通しが立っているか、などの点が問われます。

疾患の原因が妻にないなら、離婚後の生活によほどの補償を用意しない限り、認めてもらうのは難しいでしょう。

悪意の遺棄を証明するのは簡単ではい

悪意の遺棄とは、簡単にいうと「悪意をもって配偶者をほったらかす」ことで、同居協力扶助の義務に反しています。

勝手に家を出て行った、浮気相手と暮らしていて帰ってこない、などの行為が該当します。

しかし実は意外と「悪意の遺棄を証明する」のは簡単ではなく、証拠集めが重要なカギになります。

借金を残して失踪した場合

また、失踪した妻が作った借金を支払う必要があるかどうかは、借金の「保証人」や「連帯保証人」になっているか否かで決まります。

保証人になっているなら支払わなくてはなりませんが、そうでないなら借金の内容によって違ってきます。一般に、妻が作った分不相応の高額の買い物や事業失敗などによる債務は支払う必要がありません。

離婚するための手続きについて

詳しくは「離婚調停で必ず踏まえておくべき知識。慰謝料や養育費はどう決めるか。」のページをご参照ください。

調停や裁判では弁護士がいると安心です。離婚を有利に進めたいなら、信頼できる弁護士を選ぶことがポイントとなるでしょう。

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