離婚調停中にやってはいけないことって?離婚調停を有利に進めるには

離婚調停に挑む際、「どうすれば自分の言い分が通るの?」「調停中にやってはいけないこととは?」という疑問が浮かぶ方も多いでしょう。
そこで今回は、離婚調停をする上で避けた方がいい行動、自分の有利に調停を進めるためにはどうすればいいのかなどをお話ししていきます。
離婚調停は心労を抱えるものです。できるだけ自分の不利な状況を作らないよう、離婚調停中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
離婚調停中にやってはいけないこと
離婚調停中ということは、気持ちの上では結婚関係が終わっているという感覚の方も多いと思います。
しかし、まさか悪いとは思わず行動してしまったことが離婚調停で不利に働くことがあります。
離婚調停中にやってはいけないことを確認しつつ、注意するようにしましょう。
ただし、すでに結婚関係が破綻しているということが明らかである場合など、不利にならないこともあります。
その部分も含めて詳しく解説していきます。
他の異性と付き合うこと・同棲・デート
離婚調停中であっても、異性と付き合ったり体の関係を持ってしまうと、不貞行為とみなされることがあります。
配偶者以外の異性との同棲も、もちろん問題になります。
気持ちの上では夫婦関係が終わっているつもりであっても法律上はまだ夫婦であり、夫婦間に発生する権利などは残っています。
そのため、離婚調停では不貞行為は大変不利に働き、相手の希望する通りに進んでしまうケースもあるので注意が必要です。
最悪、慰謝料請求もありえるので、不貞行為だと判断されるような行為は避けましょう。
婚姻関係が破綻していると明らかである場合は、異性と交際をしたとしても慰謝料の対象とならず不利に働かないケースもありますが、中には、異性と連絡を頻繁に取っているだけで交際も体の関係もないとしても、印象が悪くなるケースもあります。
調停中に相手方に連絡して文句を言うこと
離婚調停中に相手に対する不平不満があったとしても、連絡をして文句を言うなどといったことは避けた方がいいでしょう。
言いたいことがたくさんあったとしても、離婚調停中はお互いに感情的になりやすく、対立が激しくなる可能性があります。
相手方を誹謗中傷をしてしまった場合、調停委員の印象が悪くなります。
離婚調停中は、さまざまな思いが浮かぶものですが、冷静な対応を心がけることが賢明です。
もし相手から連絡がきて、誹謗中傷されるようであれば、証拠として提出しましょう。
一方的に家を出ることは大丈夫?
夫婦には同居義務があるため(民法752条)、別居をした際に、相手方から「同居義務違反」の主張をされることがあります。
しかし、この同居義務も絶対ではありません。夫婦関係が悪化していて離婚調停に至るようなケースで同居義務違反に当たることは稀ですし、多くの場合、それで調停が不利になることもあまりありません。
そのため、「調停中にやってはいけないこと」として心配されている方もいらっしゃいますが、余程身勝手な別居でない限り、実際にはあまり問題にはならないでしょう。
離婚調停を円滑に進めるには|上手くいくためのポイント5つ
ここからは、離婚調停を円滑に進めるためにはどうしたらいいのか、調停を有利に進めるためのポイントを5つご紹介します。
服装や調停前に用意するものなどもお話しするので、ぜひ参考にしてください。
①調停委員の信頼を得る
離婚調停は、家庭裁判所で調停委員と共に離婚について話を進めていきます。
お互いの言い分を主張し、調停委員が介在、離婚の合意に向けて離婚条件なども話し合います。
そのため、調停委員の信頼を得られるよう、次の3つに気をつけましょう。
- 姿勢や話し方は丁寧に
- 服装や身だしなみに気をつける
- 感情的にならない
言葉使いやトーン、話すスピードは相手に与える印象を大きく変えます。
例え清楚な服装をしていても、「ふざけんなよ!」などといった暴力的な言葉を使うようでは、やはり印象はよくありません。
また、社会人として常識的な服装を心がけ、身だしなみをきちんとしてください。
ただ、どうしても離婚調停では感情的になりやすく、相手の言い分に怒りを抑えられないといった方も多いです。
しかし、それは相手も同じ。有利な立場を得るためにはいかに感情をコントロールするかが鍵になります。
難しいことではありますが、冷静になることを意識して調停に臨むようにしましょう。
②陳述書を作成・提出する
調停委員に伝えたいことがあれば「陳述書」を作成し提出しましょう。
陳述書は、これまでの夫婦関係のトラブルや、離婚に至るまでの経緯の説明、希望の条件などを書面でまとめたものです。
ただ、離婚調停では陳述書は、絶対に用意しなければいけないものではありません。
しかし、離婚調停を始めるときに提出した書類だけでは表すことができない問題なども、陳述書に記載することで調停委員に理解を求めることができます。
陳述書には文字制限や形式がないため、今までの夫婦関係について切実に訴えることができるのですが、読むのは調停委員です。
書く場合はできるだけ簡素に、分かりやすくまとめるようにしましょう。
③具体的なエピソードを提示する
離婚調停では、それぞれの言い分を訴える場面があります。
しかし言いたいことが多いとしても、長々と話すのはやめましょう。
長く話すことによって、本当に伝えたいことが伝い、理解されないという可能性があります。
本当に訴えたいことは何なのか、具体的なエピソードを入れ、できるだけわかりやすくまとめて話すようにしましょう。
もし、相手からの暴言について訴えたいことがある場合は、きちんとした文書にして提出する必要があります。
④希望する条件に固執しすぎない
離婚をするときの条件として、譲れないものは誰でもあります。
しかし、条件に固執しすぎてしまうと、場合によっては条件の折り合いがつかず、調停不成立になってしまうケースも少なくありません。
そうすると離婚訴訟となり、離婚するまでさらに時間がかかってしまいます。
そのため、親権や養育費などどうしても譲れないという条件を除いて、できるだけお互いの着地点を探すようにしましょう。
「ここは譲歩するので、どうしてもこの条件は受けてほしい」などといったように、柔軟に条件を相手に掲示し、交渉することが大切です。
⑤訴訟になった場合の見通しを持つ
離婚調停をしたからといって、必ず離婚が成立するわけではありません。
条件などお互いの言い分の折り合いがつかない場合は、調停不成立として離婚訴訟に発展する可能性もあります。
離婚訴訟になれば、裁判を受けることになるので、今まで以上に費用や期間が必要になります。
今後の見通しをきちんと把握しておかなければ、最悪は相手の言い分が通った形での離婚ということも考えられるのです。
後から離婚調停で離婚しておけばよかったといっても、後の祭りです。
自分の中で譲れるところ、そしてどこを着地点とするのか、先の見通しを意識しつつ離婚調停に臨みましょう。
裁判での決着も見通せるようであれば、裁判の準備も意識しつつ、調停に臨むようにしてください。
まとめ
離婚調停中は、感情の揺れ動きも大きく、精神的に疲れ果ててしまう人も少なくありません。
そんなときに誰か支えてくれる人がいると、寄りかかってしまうという方も多いです。
しかし、離婚調停中であっても婚姻関係は続いているため、異性との交際や同性は不利に働くことが多いので覚えておきましょう。
そして、調停での発言は自分にとって有利に働くのか、不利に働くのかの別れ道です。
服装や発言、言葉遣いに気をつけましょう。
そのためにも、自分の言い分は調停の前にまとめて何度も確認をすることが大切です。