離婚の手続きと準備・手順マニュアル(子どもあり&なし)

★ お気に入りに追加
rikonn zyunnbi

結婚生活の行く末に限界を感じ、離婚をしたいと思うようになったら、離婚に向けた準備を整えなければなりません。

しかし、いざ実際に離婚するとなると、どのタイミングでどのようなことを準備すれば良いのか、わからない方が多いでしょう。

そこでこの記事では、離婚をするための手続や、実際に行うべき準備などについて詳しくまとめました。
子どもがいる場合、いない場合のそれぞれについて、決めておくべき離婚の条件についても解説しているので、参考にしてください。

【ステップ1】離婚のための準備|離婚を決意したら…やることリスト

実際に離婚手続きが始まる前に、離婚手続きの進め方や、離婚後の生活についての準備をしておく必要があります。
まずはステップ1として、離婚を決意した段階で準備を進めておくべきことについて見ていきましょう。

配偶者や自治体などに対して請求可能なお金について理解する

離婚の際には、配偶者に対してさまざまな金銭的請求ができる場合があります。

配偶者に対して請求可能なお金の種類としては、婚姻費用・財産分与・慰謝料・養育費などがあります。
それぞれの詳細については、【ステップ3】で解説しています。

特に配偶者よりも収入や財産が少ないケースでは上記のお金をできるだけ多く獲得することが重要になります。弁護士に相談をしつつ、それぞれの費目を請求するための準備を整えておきましょう。

また、ひとり親家庭になった、安定した収入が得られなくなったなどの理由により、離婚後に自治体から助成金を受け取れる場合もあります。助成制度の内容は、居住している市区町村によっても異なりますので、離婚後の居住地となる自治体に問い合わせるなどして、事前に確認しておきましょう。

 離婚理由を明確にし、必要に応じて証拠を収集する

配偶者に対して離婚を説得するため、離婚の理由を明確にしておくことも大切です。
婚姻生活を続けていくうえで不都合となることを、具体的に挙げられるようにしておきましょう。

なお、話し合いがまとまらずに離婚裁判で離婚を争う場合には、民法770条1項各号に規定される離婚事由がなければ、離婚が認められないことに注意が必要です。

裁判上の離婚(民法770条1項)

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

離婚裁判では、離婚事由の存在は証拠により立証する必要があります。
たとえば、不倫やDVなどを離婚事由として主張する場合は、その事実を裏付ける写真・動画・メールやLINEなどを集めておきましょう。

また、離婚の条件について話し合いや裁判で争う場合、配偶者の財産状況についての証拠も重要になります。
たとえば、

  • 預貯金通帳
  • 所得を証明する書類(源泉徴収票、納税証明書など)
  • 不動産登記簿謄本
  • 生命保険に関する書類
  • 証券口座の明細

などがあれば、配偶者の財産状況を明らかにするのに役立つでしょう。
これらの情報をどのように得たらいいかわからないという場合には、弁護士にご相談ください。

 離婚後に備えて経済的に自立する

離婚をする場合、収入や財産が少ない側にとって、大きな問題となるのが経済面です。
特に専業主婦などの場合は、収入源となる職もキャリアもない状態からのスタートになります。

そのため、離婚後の生活設計をしっかりと行い、将来の家計収支が成り立つかどうかについて、事前に検討しておきましょう。

財産分与などでもらえる金銭を当てにすることもある程度は可能ですが、離婚後の生活を安定させるためには、ご自身の収入を安定させることが重要です。
可能であれば、離婚の話し合いへと進む前に、仕事を確保し、安定させておくことが望ましいでしょう。

離婚後の住居を確保する

通常、離婚後は配偶者と別居することになりますので、離婚後の住居をあらかじめ探しておきましょう。
実家に帰るという選択肢も考えられますが、その際には両親に事前に事情を説明しておくといいでしょう。

【ステップ2】相手に離婚の意思を伝える|上手な伝え方とは?

離婚に向けてご自身の準備が整ったら、ステップ2として、実際に配偶者に対して離婚の意思を伝えましょう。
以下では、離婚の意思の上手な伝え方について解説します。

 離婚の意思の伝え方

離婚の意思を伝える際には、口頭ではなく文章で伝えることをおすすめいたします。
文章であれば、離婚の意思を明確かつ論理的に伝えることができるでしょう。形式は手紙でもメールでも構いません。

なお、もしDVなどで離婚したい場合は、ご自分の身に危害が及ばないよう、離婚を伝える前から弁護士に相談することをお勧めします。
必要に応じて自治体の「配偶者暴力相談支援センター」等への相談も検討しましょう。

離婚を切り出す際の注意点

実際に離婚を切り出す場合、上記のように文章で伝えるということも含めて、配偶者に対して感情的な態度で接しない努力をすることが大切です。
感情的になってしまうと、双方がけんか腰になり、スムーズな話し合いができなくなってしまう可能性があります。

あくまでも離婚の意思を伝える際には、配偶者を批判することなく、自分が考えていることを丁寧に伝えるようにしましょう。

離婚自体について合意が得られた場合は【ステップ3】へ、反対された場合は【ステップ5】へ進んでください。

【ステップ3】夫婦で離婚条件について話し合う|子どもあり・子どもなし

配偶者から離婚についての合意が得られた場合には、離婚の条件面について話し合います。

子どもがいる場合に特に決めておくべき条件と、子どもあり・子どもなしにかかわらず決めておくべき条件がありますので、それぞれについて見ていきましょう。

子どもがいる場合にはこのすぐ下から、子どもがいない場合にはこちらからをお読みください。

子どもありの場合に決めておくべき離婚条件

夫婦の間に子供がいる場合に決めておくべき離婚条件は、以下のとおりです。

養育費

未成年の子がいる場合には、両親の年収・子どもの年齢・人数に応じて、養育費の金額を決定します。入学費用など、まとまったお金が必要となった際などの分担についても、事前に決めておくことが可能です。

養育費については、裁判所の計算方法を元に試算できるツールをご用意しています。
必要に応じて活用してください。

関連記事
養育費計算ツール
養育費の目安を計算できます 離婚前、別居中の費用については「婚姻費用計算ツール」をご利用ください。 それぞれの年収を…[続きを読む]

親権

離婚後は、どちらかの親が単独で子どもの親権者になります。
離婚届を提出する際にも、子どもの親権の所在を記載する必要がありますので、事前に親権者をどちらにするかについて話し合っておきましょう。

なお、仮に調停や裁判になった場合、夫婦それぞれの収入状況や生活環境、子どもの意思などが考慮されて親権者が決定されます。

調停や裁判における親権者の決定の際にどのような要素が考慮されるかについては、以下の記事を参考にしてください。

離婚の際に発生する大きな問題の一つが親権争いです。 特に、調停を有利に運ぶためには、裁判所の基準に合わせて「自分が親…[続きを読む]

面会交流

子どもと離れて暮らす親の側が、離婚後にどのように子どもと面会するかについても話し合っておく必要があります。
面会交流について決めておくべき事項としては、

  • 面会日時
  • 面会頻度
  • 面会場所
  • 子どもの受け渡し方法
  • 連れて行かない場所

などが考えられます。
面会交流について詳しくはこちらの記事で解説しています。

関連記事
mennkaikouryuu
面会交流とは?決め方や一般的な内容、問題があるケースを解説!
離婚をして、親権者にならなかった方の親が子どもと定期的に会いたいと思った場合に行われれる面会交流。この記事では、面会…[続きを読む]

面会交流の話し合いは感情的になってしまう場合もありますので、弁護士を代理人として立てて交渉してもらうことをおすすめいたします。

子どもあり・なしの場合に共通して決めておくべき離婚条件

子どもがいる・いないにかかわらず、夫婦が離婚をする際に共通して決めておくべき離婚条件は、以下のとおりです。

財産分与

婚姻期間中に夫婦が共同で築いた財産については、「財産分与」によって夫婦間で公平に分ける必要があります(民法768条1項)。
特に夫婦のうち収入が少ない側にとっては、財産分与がどの程度認められるかがきわめて重要です。

財産分与を行うに当たっては、配偶者が所有している財産を正確に把握することが大切ですので、弁護士に調査を依頼するといいでしょう。

なお、財産分与の割合は原則として2分の1ですが、どちらか一方の特殊技能によって収入を稼ぎ出した側面が大きいと判断される場合には、異なる割合による財産分与が行われることもあります(医師など)。

財産分与の詳細については、以下の記事もご参照下さい。

夫婦が離婚をする際に生ずる大きな問題の一つである財産分与。では、財産分与とはいったいどのようなものなのでしょうか?財…[続きを読む]

 婚姻費用

婚姻費用とは、夫婦生活を営むうえで必要となる費用です。
離婚の話し合いでは、特に婚姻中の別居期間があるケースにおいて、婚姻費用の精算が問題となります。

婚姻費用の詳細については、以下の記事をご参照ください。

別居したいけど経済的な理由からなかなか別居に踏み切れない…と考えている方へ。婚姻費用を請求するにはどうすれば良いので…[続きを読む]

慰謝料

離婚の原因が配偶者の不貞行為やDVであるなど、もっぱら配偶者の側に責任があると認められる場合には、慰謝料を請求できる場合があります。配偶者に対して慰謝料を請求するには、不貞行為やDVの事実など、配偶者の不法行為(民法709条)を基礎づける事実について立証しなければなりません。

離婚の慰謝料の詳細については、以下の記事をご参照ください。

離婚に至る原因が相手側にあったときに請求できる「慰謝料」。離婚の慰謝料ってどうやって決まるの?金額の相場は?できるだ…[続きを読む]

こうした離婚の条件について、配偶者と合意できた場合は【ステップ4】へ、合意できなかった場合は【ステップ5】へ進んでください。

【ステップ4】協議離婚に合意したら、合意した内容を離婚協議書にまとめる

夫婦間で離婚の条件について合意したら、その内容を離婚協議書の形でまとめておきましょう。
離婚協議書の作成は法律上義務付けられているわけではありませんが、後から離婚の条件について合意があったことを証明するのに役立ちます。

離婚協議書の内容についてのイメージを持つためには、以下の離婚協議書サンプルメーカーを利用してみてください。

離婚協議書は公正証書にする

なお、離婚協議書は、公正証書の形式で作成することがおすすめです。
公正証書の中で、債務者が直ちに強制執行に服する旨が記載されていれば、合意内容が履行されなかった場合に、裁判を経ることなく直ちに強制執行することができます(民事執行法22条5号)。

公正証書はこのように非常に強力なものですので、弁護士のサポートを受けて作成することをお勧めします。

【ステップ5】離婚自体や離婚条件に反対された場合の手続き|離婚調停申立て

配偶者が離婚自体に反対していたり、離婚の条件について合意が得られなかったりした場合は、裁判所を通じた手続きによって解決することになります。

離婚調停を申し立てる

夫婦同士での離婚の話し合いがまとまらない場合、最初の解決手段となるのが「離婚調停」です。離婚調停では、調停委員が夫婦双方の言い分を交互に聞いて、双方が合意できる離婚調停案の作成が試みられます。

離婚調停の場では、夫婦が直接対話する必要はないので、ヒートアップせずに冷静な話し合いが行われやすいメリットがあります。

裁判よりも先に調停が必要

家事事件手続法257条1項の規定により、離婚事件についてはいきなり裁判を起こすことはできず、原則として先に離婚調停を申し立てる必要があります。
そのため、弁護士と相談をして、まずは離婚調停を前提とした準備を進めるようにしましょう。

離婚調停の費用と必要書類

離婚調停にかかる費用としては、

  • 収入印紙1200円分
  • 連絡用の郵便切手の購入費用
  • その他公的書類の発行費用

などがあります。弁護士に依頼する場合には、これに加えて弁護士費用が必要です。

離婚調停の費用や必要書類の詳細については、それぞれ以下の記事で解説しています。

「離婚調停はいくらかかるの?」「弁護士に頼んだ方がいいの?」こんな悩みを抱えている方も多いと思います。この記事では、…[続きを読む]
いざ離婚調停をしよう!と思っても、裁判所に申し立てる方法がわからない方も多いのではないでしょうか。この記事では、裁判…[続きを読む]

 離婚調停が不成立の場合は離婚裁判

離婚調停は、夫婦双方が離婚の条件に合意できなければ、不成立となってしまいます。
その場合は、離婚裁判の場で離婚について争うことになります。

離婚裁判では、夫婦双方がそれぞれ主張・立証を行い、離婚を認めるかどうか、および離婚の条件について裁判所の判決が言い渡されます。

離婚裁判はきわめて専門的な手続きのため、弁護士に代理人への就任を依頼することが一般的です。

離婚裁判の詳しい流れについては、以下の記事をご参照ください。

離婚裁判と聞くと、「難しそう」と不安に思う方も多いでのはないでしょうか。この記事では、離婚裁判の流れ・手続きを詳細に…[続きを読む]

まとめ

離婚を決意した場合には、話し合い・調停・裁判などの離婚手続きに向けた準備や、離婚後の生活に向けた準備など、やるべきことがたくさんあります。

必要に応じて弁護士にアドバイスを受けながら、段階ごとにやるべきことを確実にこなしていくようにしましょう。

 
Cafeおすすめ! 【東京都】
弁護士法人 浜松町アウルス法律事務所
弁護士法人浜松町アウルス法律事務所
弁護士法人 浜松町アウルス法律事務所 弁護士法人浜松町アウルス法律事務所

ご相談だけでも、「安心した」「解決の糸口が見えた」と思っていただけるよう心がけています。全国対応ですのでお任せください。

ご相談だけでも、「安心した」「解決の糸口が見えた」と思っていただけるよう心がけています。全国対応ですのでお任せください。

ご相談者様のお気持ちに真摯に寄り添い、「率直なご希望」をお聞きするよう努めております。正直なご要望をお伺いして、それに近づくためにはどのような選択肢があるのか、幅広くご提案させていただいています。
「どうしたいのか自分でもわからない」という方もぜひご相談ください。私どもと一緒に考えていきましょう。
お電話でのお問い合わせはこちら
050-1709-6142
[電話受付]平日 10:00~19:00
電話で相談する 弁護士詳細情報はこちら 弁護士詳細情報はこちら
この記事が役に立ったらシェアしてください!