離婚と家|住宅ローンの財産分与をどうしたら良いか。完全対策マニュアル

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どうする?マイホーム、家具、給料、車、土地を折半できる?

夫婦が離婚をするとき、夫婦が協力して築いた財産は公平に分割して折半されます。分割対象となる財産のことを共有財産と呼びます。夫婦共同生活のために購入した家具、夫の給料、車などが共有財産として代表的です。

マイホームの住宅ローンも共有財産に分類されます。共有財産に対して、夫がもともと保有していた土地など、分割対象にならない財産のことを特有財産と呼びます。例えば、結婚をした後に妻が親から土地をもらったという場合、土地は特有財産となり分割対象にはなりません(婚姻中に夫婦で形成した財産ではないため)。

住宅ローンはそれだけならばマイナスの財産ですが、持ち家とセットになっているのでトータルではプラスの財産となることもあります。ここでは、離婚時に住宅ローンをどのように分割すればよいのか、どうするのかケース別に紹介してみます。

1 名義変更なし・子なし・夫が住宅を取得して住み続ける場合

住宅ローンの主債務者には夫がなることが一般的です。夫がそのまま住宅に住み続けて住宅ローンを返済していく場合、特に名義変更などの手続きなども必要なく、一番シンプルなケースとなるでしょう。夫はそれまで家族で住んでいた広い家にひとりで住むことになります。

子どもがおらず、それまでも夫ひとりで住宅ローンを返済していたのならば、基本的にはローンの返済で苦しむことはないでしょう。

養育費への考慮と相殺

しかし、子どもがいる場合には養育費の支払いなどもありますので、しっかりとシミュレーションをしておかなくてはなりません。

お互いの同意があるならば折半ではなく夫が7割、妻が3割というように考慮して分割することもできます。住宅ローンの頭金として夫が1,000万円を出していた場合などには、その事情も考慮され相殺できる可能性もあります。例えば、現在の家の価値が3,000万円、住宅ローン残高が2,500万円という場合には、500万円のプラスの財産があるとみなされるのです。

ここで、その他に共有財産がなく、夫が頭金を1,000万円出していたという事情がある場合には、夫の取り分は家と住宅ローン、妻の取り分はゼロとするのが公平でしょう。実際にはこのような場合でもしばらくの生活費を考慮し妻に200万円程度を渡すという夫も多い傾向です。

2 夫からの名義変更なし。妻が住み続けることは可能か

妻が夫から家をもらい、子どもと一緒に妻が住むというケースも可能です。その場合には、実際にその家に住んでいない元夫が住宅ローンを返済していくことになります。「養育費の支払いをするかわりに、住宅ローンをしっかりと返済する」という約束をしているケースもあります。

実際にその家に住んでいない夫にとっては、住宅ローンを滞納して家が強制的に売却されてしまったとしても本人は大きなデメリットを受けません。「住宅ローンをしっかりと返済する」という約束をしていたのに、別れた夫が住宅ローンを滞納して家が強制的に売られてしまったというトラブルも起きているので注意をしておきましょう。

実際に夫がその家に住んでいる場合には、「ローンを返済しなければ家を追い出されてしまう」という心理的要因が働き、一生懸命になってローンを返済することが期待できます。しかし、別れて暮らしている場合にはこの心理的要因がなく、住宅ローン返済の優先順位が低くなってしまうこともあるようです。

3 持ち家が売却できない。残額がオーバーローンの場合

残高がオーバーローンとなっている場合には、持ち家を売るという選択肢はとりにくくなります。

任意売却をするという方法もありますが、任意売却は住宅ローンの返済が困難となった人向けの制度です。離婚や転勤が原因で家を売りたいという人が任意売却を利用できないというわけではありませんが、ブラックリストにのってしまうなどのデメリットが大きいといえます。ローンを返済できないという事情がないならば、夫もしくは妻が引き続き持ち家に住み続けて、住宅ローンの返済を進めるのがよいでしょう。

オーバーローンの状態が解除された後になってから、あらためて家を売るかどうかを検討するのが賢明です。

4 家の保有名義人を妻に変更して住む場合

夫がそのまま購入したマイホームに住み続ける場合には住宅ローンの名義変更は必要ありません。また、妻が家をもらって夫が住宅ローンの返済を続けて妻が住む場合にも、住宅ローンの名義変更は必要ありません。

この場合、家の保有名義人を妻に変更するかどうかが問題となります。「住宅ローンの契約者がその家に住んでいる」ということが条件となっている場合には注意が必要です。契約者である夫が家を出て行き、妻が家の名義人になっているという状況は契約違反であるとみなされるため、金融機関から契約解除され一括返済を請求されてしまう可能性があります。

履行引受とは

この解決策として、ローンを完済するまでは家の保有名義人を夫のままにしておくということが1つにあげられます。その時する約束を履行引受といいますが、妻がローンを完済するまで20年以上が経過し、その後に夫が名義変更するという形です。

ただし20年先に夫が応じてくれる保証がありませんし、勝手に住宅を売却されるおそれもありますので、離婚協議書や公正証書にしっかりと記載しておくことが重要になります。

債務引受とは

他には、妻に十分な収入があるのならば、妻が住宅ローンの名義人となるという方法もあります。

通常は金融機関はローンが残っている場合名義変更を承諾いたしませんが、金融機関が返済能力に問題なしと判断して審査に通れば、住宅ローンの名義人を妻に変更することも可能でしょう(これを免責的債務引受と言います)。

5 連帯保証人もしくは連帯債務者となっている場合

妻が連帯保証人もしくは連帯債務者となっている場合で、離婚をするのでその立場から逃れたいという事例について考えてみます。

その場合、金融機関が同意をしてくれるのならば妻は連帯保証人などの立場から外してもらうことが可能です。しかし、金融機関としては主債務者が返済してくれなくなったときの保証はできるだけ多く残しておきたいので、無条件で連帯保証人などの立場から外してもらうことは難しいでしょう。

代わりの連帯保証人を連れてくることができるのならば同意してもらえる可能性は上がりますが、その連帯保証人に返済能力があるということが条件です。一度連帯保証人や連帯債務者となってしまうとその立場から外してもらうことは難しくなるので、ペアローンや収入合算を利用するときは慎重に検討しましょう。

家を売ることが一番の方法?

離婚時に住宅ローン付きのマイホームを残したままにしておくと、後々のトラブルにつながる可能性が高いです。

オーバーローンとなっていないならば、家を売ってしまうことが一番の方法でしょう。また、住宅ローンの残高が2,000万円だったとして、家が2,200万円で売却できたなら200万円の現金が残ります。その現金を財産分与の対象として、夫と妻で公平に分割するというのがよいでしょう。

しかし、住宅ローンの残高が2,000万円なのに、家の査定をしたら1,800万円にしかならなかったという場合には、そのままでは家は売れません。この場合、そのままローンの返済を続けてオーバーローンの状態が解除されてから家の売却を検討しましょう。ブラックリストにのってしまうといったデメリットを考慮してもなおメリットのほうが大きくなりそうな場合には、任意売却も1つの手となります。

まずは不動産査定を受けてみる

離婚時に家を売るかどうかという判断をするときに、家がいくらで売却できるのかということを知らなければ話になりません。

不動産会社によって査定金額は変わってくるので、できるだけ多くの不動産会社に査定をしてもらいましょう。

複数の会社から査定結果を出してもらった後、より正確な結果を出してもらうために訪問査定も受けてみましょう。家がいくらで売れるのかがわかったら、「そのタイミングで売ってしまうのか」「それともローンの返済を続けたほうがよいのか」メリットの判断がしやすくなるはずです。

基本的には、離婚時には家を売ってしまって分割しやすい財産に変えてしまうことがおすすめです。財産分与が争いに発展してしまいそうな時は「離婚に強い弁護士」にご依頼ください。

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