嫁姑問題で離婚できる?よくある事例、トラブル例などを解説

嫁姑問題で離婚

結婚にまつわる問題の1つに、嫁姑問題があります。

妻の中には、姑と不仲だったり、姑の行動にイライラしたりする人もいるでしょう。

そのような嫁姑問題は大きな悩みとなり、夫婦関係に悪影響を与えることもあります。特に、姑が嫁をコントロールしようとする場合や、姑が夫婦関係に介入しすぎる場合は、妻がストレスを抱えることになります。

嫁姑問題が深刻化すると、夫婦関係が悪化し、離婚を考える人もいます。

この記事では、嫁姑問題とそれに関連する離婚と慰謝料請求について説明していきます。

嫁姑問題のよくある事例5パターン

まず初めに、嫁姑問題にはどのような事例があるのか簡単に見てみましょう。

①姑の小言と過干渉

姑のなかには、嫁だけにとても厳しい人がいます。

「料理の味が濃くない?」
「ここ、きちんと掃除できてないわよ」

など、家事についてしつこく小言を言ってきます。

また、夫婦生活が気になるのか、夫婦の家に度々訪問してくることもあります。

事前に連絡をくれるならまだしも、アポなしで家に上がり込んできたり無断で部屋にあるものを使われたりすると気分が良いものではありませんよね。

②孫フィーバー

孫が可愛くて姑が過干渉になってしまう「孫フィーバー」に困っている方もいるでしょう。

この場合、夫婦とは違った教育方針で育てようとしたり、アレルギーも確認せず何でも食べさせようとしてしまったりと、子どもが心配で目が離せなくなってしまうことがあります。

また、妊娠中や子育て中の忙しい時期に頻繁に連絡をしてくるので、妻の気が休まる時間もありません。

③子(夫)離れできていない

結婚によって自分の子どもを取られたと感じたのか、嫁に強く当たる姑もいます。

夫にこのことを相談しても「気にしすぎだよ」などと姑の味方をして妻をかばってくれず、夫への信頼が崩れていきます。

誰かから悪意を向けられることは精神的にも辛く、妻のストレスは溜まる一方です。

④嫁ハラスメントをされる

パワハラやセクハラなど、義両親からの嫌がらせを総括して「嫁ハラスメント」と呼ぶことがあります。

具体的にいうと、以下のようなものが挙げられます。

  • 先祖の墓の管理を任される
  • 老後は介護をする前提で将来の話をされる
  • 「嫁だから」と家事や育児を押し付けられる
  • 子どもを早く作るように言ってくる

姑一家のために結婚したわけではないのに、”嫁だから”という理由で面倒なことを押し付けられるのは勘弁してもらいたいものです。

⑤価値観があわない

好みや考え方があわないという問題に悩まされることもあります。

姑と意見が合わなくなるたびに違う価値観を押し付けられ、妻の意見は何でも否定されてしまいます。

また、昔からの価値観が抜けていないのか、時代遅れな意見が目立つことも多くあります。

嫁姑問題が辛い…旦那と離婚することはできる?

ひとつひとつのことは小さくても、嫁姑問題が積み重なってくると大きなストレスを抱えることになってしまいます。

この悩みに苦しむぐらいなら離婚してしまいたい…と考える方もいるでしょう。

ここからは、離婚の3つの方法(協議離婚・調停離婚・離婚裁判)ごとに、嫁姑問題を理由として夫と離婚できるのかを解説していきます。

協議離婚の場合

夫婦で話し合って離婚することを、協議離婚といいます。
離婚する夫婦の約9割がこの方法を利用していると言われています。

協議離婚の場合、夫婦で合意して離婚届を提出すれば離婚が成立するため、嫁姑問題といったどんな理由でも離婚することができます

離婚調停の場合

家庭裁判所で調停委員や裁判官を介して離婚の話し合いを行うことを、離婚調停といいます。

こちらも協議離婚と同様に合意できれば離婚が成立するため、どんな理由でも離婚が可能です。

また、基本的に夫と顔を合わせないため冷静に話し合うことができたり、調停委員からアドバイス等を受けることができたりするメリットもあります。

離婚裁判の場合

裁判官によって離婚の可否を決めてもらうことを、離婚裁判といいます。

裁判官から中立的立場で判断を下してもらえると同時に、請求が認められれば強制的に離婚することが可能です。

ただし、裁判官に認めてもらうには客観的に離婚が妥当だとわかるような証拠を用意する必要があります。

裁判で嫁姑問題を原因として離婚するには?

裁判で嫁姑問題を理由として離婚を認めてもらうには、民法770条1項5号に当てはまることを証明しなければなりません。

(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
…(略)…
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

また、離婚はあくまで夫婦の問題となるため、「姑からいじめられている」といった理由だけでは認められにくい可能性があります。

そのため、「姑のいじめから夫が守ってくれず、夫婦仲が悪くなって婚姻関係を続けることが難しくなった」という風に少し言い換えをする必要があります。

加えて、この事実を証明するために、嫁姑間のトラブルの証拠とそれに対する夫の反応を記録したもの(日記、録音・録画など)を用意しておきましょう。

なお、嫁姑問題のひとつである”姑の認知症”で離婚を考える場合も同様です。

「姑の介護に夫が協力してくれず、夫婦生活が耐えられない」と言い換えて証明することができれば、離婚が認められる可能性も高いでしょう。

嫁姑問題で離婚するときに起きるトラブル

嫁姑問題で離婚する際、特に”親権”と”慰謝料”について悩まれる方もいらっしゃると思います。

最後に、この2点についてご説明します。

義両親に親権ついて口出しされた場合

離婚を申し出たとき、姑に「親権はこちらが貰うから」と言われるケースがあります。

しかし、親権についてもあくまで夫婦の問題であるため、姑に言われたからといって何か影響があるわけではありません

調停や裁判でも、

  • 今までどちらがより育児に注力していたのか(監護実績)
  • 子どもはどちらについていきたいと思っているのか
  • 子どもを育てられる経済的余裕があるか
  • 子どもが育つにはどちらの生活環境がいいか

というように、夫婦の状況の比較や子どもの利益を中心に決定されます。

妻と自分の両親で十分に育児をしていけることが証明できれば問題ありません。

姑に慰謝料を請求したいときは?

再三お話している通り、離婚は夫婦間での問題です。

そのため、離婚裁判で慰謝料を請求するのであれば、姑のいじめを止めてくれなかった夫に対して行うことになります。

実際、姑が嫁をいじめていたところに夫も加担していたケースでは慰謝料が認められたことがあります。

ただ、姑個人に慰謝料を請求したい場合には、別の訴訟を起こして慰謝料を請求しなければならないので注意してください。

まとめ

以上が、嫁姑問題の事例とこれを原因として離婚するときの方法でした。

もし嫁姑問題で離婚するときには、理由の内容が問われない協議離婚か離婚調停で行うことをお勧めします。

しかし、話し合いではうまくいかなかった場合には、夫にも問題があったことを証明する証拠をもって裁判に臨みましょう。

他にも、嫁姑問題での離婚で疑問に感じている部分がありましたら、離婚カウンセラーや弁護士といった専門家に一度相談してみてはいかがでしょうか。

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離婚弁護士相談Cafe編集部
弁護士ライター、起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)、行政書士資格者を中心メンバーとして、今までに、離婚に関する記事を300以上作成(2022年1月時点)。
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