離婚で父親は親権を取れる?母親が取れない事例・負ける場合を解説
「父親が親権を獲得するケース」について、理由や母親が親権を獲得できない、敗訴する場合、なぜ父親が親権を取りづらいのか…[続きを読む]
目次
今回は日本人と中国人の離婚を考えます。まず離婚手続きの概要についてです。
中国人嫁・夫と結婚するときに日本で手続きを行っていれば、日本で離婚手続きが行えます。
その際には日本人同士の離婚と同じく、離婚届に必要事項を記入し、その他の必要書類とともに市町村役場に提出し完了です。
一方、中国で結婚の手続きを行っている場合は、中国で離婚手続きを行う必要があります。
国が変われば法律も変わるため、中国で結婚した場合には中国のルールに則って離婚手続きしなければなりません。日本と中国では離婚手続きや必要書類が大きく異なるので注意してください。
日本と中国の離婚方法の大きな違いは、中国で国際離婚をする場合、基本的に協議離婚は認められず裁判離婚になる点です。
裁判といっても何年もかかって判決を待つような類いのものではなく、必要書類をきちんとそろえていれば1週間程度で終わることもあります。両国を行き来する必要もありません。裁判は中級人民法院で行われることが多いですが、国際結婚の場合、外国裁判所に提訴することも可能です。
外国裁判所と中級人民法院の判決が異なる場合、人民法院の判決が優先されます。中国で裁判離婚を起こすためには、どちらか一方が現在中国にいて、かつ、「戸籍を持っていること」「1年以上中国に滞在していること」が必要です。
もし、日本人側が中国国内におらず出廷できない場合は、日本国籍を持つ人や弁護士、日本の在中国大使館・領事館員、中国公民などを代理人に立てられます。その際は書面で離婚について合意している旨を中級人民法院に提出してください。
裁判離婚に必要書類は下記のとおりです。
中国で中国人が外国人パートナーと国際結婚をした場合には裁判離婚しかできないと述べましたが、一部例外もあります。
2003年から中国内地で結婚手続きをした場合に限り、国際結婚であっても協議離婚が可能です。協議離婚の場合、両性が中国人配偶者の常住戸籍所在地にある婚姻登記機関に赴き離婚登記を行います。
必要書類は下記のとおりです。
協議離婚において重要なことは、嫁・旦那お互いの離婚の意思や子どもの扶養について、財産分与などを合意し合うことに他なりません。中国では婚姻登記員が離婚についての審査権を持っているため、離婚に相当しないと判断された場合は、指導を受けたり調停を促されたりすることもあります。
日本と違い必要書類だけを提出すればスムーズに離婚できるわけではないことを留意してください。離婚後は離婚証が発行されますが、離婚成立後に気が変わった場合は離婚を撤回することも可能なケースがあります。その際には離婚証が回収されます。
中国人との離婚では、子どもがいる場合親権でもめることも多くあります。
中国では基本的に親権は母親が持つものだという考え方はなく、そもそも親権と監護制度を区別していません。
したがって、どちらが「子どもにとって利益が多いか」で子どもの行き先が決定されます。
中国人夫と日本人嫁で争っても、夫側が経済的に豊かであったり子どもが中国語しか話せなかったりした場合は夫側に親権が行ってしまう可能性もあります。
国籍もトラブルに発展しやすい問題のひとつです。
中国では2重国籍を認めていないため、中国に住んでいる場合、子どもは自動的に中国国籍となります。
パスポートも中国のものが発行され、日本に子どもを連れて行く場合は日本のビザが必要です。
通常、日本は日本人に対してビザの発給を行いませんが、特例として日本と中国の2つの国籍を持つ子どもに対しては、ビザを出している点を注意しましょう。このことを知らないと日本へ入国できない可能性があります。
今回は中国人と日本人の離婚手続き、子供の親権や法律などについて解説しました。
国際離婚はさまざまな制度の違いにより、事前に知っておかないと後悔することもたくさんあります。
特に、中国人嫁・旦那との離婚は、日本のものと異なることがあり、離婚には少なからず負担がかかるものなので、特に慰謝料や親権の問題で揉めそうな時は「国際離婚に強い弁護士」に相談・以来をすることをおすすめします。