モラハラと自己愛性パーソナリティ障害は違う?特徴などを解説
- モラハラの原因ってもしかして、自己愛性パーソナリティ障害なの?
モラルハラスメント(モラハラ)が自己愛性パーソナリティ障害に原因ではないかと考えている方もいらっしゃることでしょう。
これは、両者が共有する特徴があるためです。
しかし、結論から言うとと、モラハラを行う夫が必ずしも自己愛性パーソナリティ障害を持っているわけではありません。
この記事では、自己愛性パーソナリティ障害とモラハラの違いに焦点を当て、それぞれの特徴や弱点について説明します。
自己愛性パーソナリティ障害とは|最大の特徴
自己愛性パーソナリティ障害(NPD)は、一種の人格障害であり、以下のような特徴があります。
- 極端に自己中心的で、自分に対する評価が非常に高く、他人からの称賛や注目を強く求める
- 過剰な優越感を抱き、他人との関係で共感性に欠けることがしばしばある
- 自身の欠点や弱点を認めることに抵抗があり、自分への批判に敏感に反応することがある
この障害の背景には、深い内面の不安や欠けている感覚があり、これは幼少期の経験、特に親から適切な愛情や共感を受けられなかったことが原因であることが多いです。
その結果、成長しても自己の内面の空虚感を補うために、過度な自己愛や他人からの称賛を求める行動を取ることがあります。
このような自己愛性パーソナリティ障害を持つ人との結婚生活に実際に苦しんでいる方もいます。
モラハラと自己愛性パーソナリティ障害の違い
自己愛性パーソナリティ障害とモラハラの違いを知る前に、まず両者が持つ「類似点」について説明をしてみましょう。
支配や操作
自己愛性パーソナリティ障害のある人も、モラハラを行う人も、対人関係において問題となる行動を示すことがあります。
これには主に以下の傾向と言えるでしょう。
- 「他者を支配しようとする傾向」
- 「相手を操作しようとする行動」
以上のようなコントロール行動があり、例えば、どこへ行くか、何を着るか、誰と交流するかなどを指示してくるなどの例が考えられます。
また「あなたがいないと何もできない」と言って同情を引いたりして、相手を操作しようとする行動などをします。
相手の自尊心を低下させることで、自分に従順にさせるための批判や侮辱を行います。
他者に対する感情の欠如
自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の人々とモラルハラスメント(モラハラ)を行う人々に共通する特徴は、他者に対する感情の欠如です。
- 「共感性の欠如が見られる」
- 「他者の感情を無視する」
モラハラにしろ、自己愛性パーソナリティ障害にしろ、他人の感情に無関心で、相手の立場に立って考えることができない人が多いです。
他人が感じている苦痛や悩みに対して冷淡で、それに対する反応が極端に少ないか全くないケースがあります。
人間関係において、いつでも、相手の感情よりも自分の欲求を優先してしまうのです。
嫉妬、感情
また、自己愛性パーソナリティ障害とモラハラ夫は嫉妬や感情的である場合があります。
- 感情的に依存的な関係を構築しようとする。
- 妻の独立性や成功に対して嫉妬し、これを脅威と感じる。
- 感情的な虐待や不安定な感情の爆発につながる。怒りや不満を理不尽に妻にぶつける。
- 自分の意見や要望を押し付ける
小さなことで怒ったり、妻を責めたりして、自分の要求を押し通しがちということです。
自己愛性パーソナリティ障害とモラハラは違う
モラハラと、これらの共通点があるにもかかわらず、自己愛性パーソナリティ障害は精神医学の範疇で診断されるものであり、一方でモラルハラスメント(モラハラ)は特定の行動様式を指すため、両者を一緒に扱うのは不適切です。
自己愛性パーソナリティ障害を診断された人全員がモラハラ行為を行うわけではなく、またモラハラ行為をするすべての人が自己愛性パーソナリティ障害を持っているとは限りません。
ただ、自己愛性の傾向が極端なレベルに達すると、自己愛性パーソナリティ障害と診断され、治療が必要になります。
これらの問題を深く理解し、適切な治療やサポートを提供するためには、心理学的及び精神医学的なアプローチが必要と言えるでしょう。