専業主婦だけど熟年離婚できる?その後のための準備|生活できる?

近年、増加している「熟年離婚」について、特に専業主婦である方々にとっては、踏み出すのが難しいかもしれません。

その中で、「専業主婦が熟年離婚を考える際にはどのように進めれば良いのか?」や「熟年離婚のメリットとデメリットは何か?」といった疑問が生じることもあるでしょう。

ここでは、専業主婦が熟年離婚を検討する際に考慮すべき準備や、生活費、その選択によって生じる可能性のあるメリットとデメリットについて紹介いたします。

離婚に向けての適切な準備をすることで、女性もその後の離婚後の生活をより良いものに変えるヒントが含まれていますので、是非読み進めてみてください。

女性・専業主婦で離婚するにあたり準備しておくことは?

専業主婦の方が離婚を考えたとき、躊躇してしまう理由としてよく耳にするのが、「離婚するためには何を準備しておくといいのかわからない」という点です。

長年専業主婦として家族のために働いてきたため、離婚後どうすれば生活をしていけるのかわからないという方もいるのではないでしょうか。
離婚後の生活が不安だからこそ、離婚へ踏み出せないという方もいます。

そこで、専業主婦の方が離婚を考えた場合、まず準備しなくてはいけないことについてお話しします。

離婚後、その後の家がない?

離婚後のその後の住まい、家を確保、準備しておくことは大切です。家がないと困ったことになります。

住まいを検討する代表的な方法としては、

  • 実家に帰る
  • 賃貸を借りる
  • 財産分与により、今の自宅に住む

といった選択肢がありますが、それぞれ次のようなデメリットもあります。

実家に帰る場合のデメリット

  • 出戻りで住みづらい
  • 今の生活スタイルや、友人関係などから遠くなる
  • 相続した場合は、税金など維持費が発生する

家・賃貸を借りる場合のデメリット

  • 断られてしまうケースもある
  • 老後も家賃を払い続ける必要がある
  • 保証人や、敷金・礼金が必要

財産分与により今の自宅に住むデメリット

  • 税金がかかる
  • 場合によっては、残りのローンを払う必要も

どの方法が自分に適しているのか、準備、費用やデメリットなどをふまえた上で検討をすることは大切です。

老後も家賃を支払うことが難しいといった場合は、公営住宅や高齢者向けの優良賃貸住宅への入居も検討する必要があるでしょう。

離婚後の住まいを探すときには、本当に住むことができるか住むためにかかる費用などを確認してから決めるようにしましょう。

離婚後の仕事、生活できない?

離婚をするということは、これから自分でお金を得て生活をしていかなくてはいけないということです。そのために準備をしておく必要がありますし、そうしないと生活できないなんてこともあります。

離婚後に職を探す方も多いですが、基本的には離婚前から生活の基盤である仕事は確保しておいた方がいいでしょう。

もし、離婚後に仕事が見つからないと、生活もままならなくなり、生活できないのです。

熟年離婚の場合、これから仕事先を見つけるのは難しいという方も多く、満足な仕事につけないという方もいます。その結果、生活ができずに思い悩む方も増えているのです。

熟年離婚の場合、これから正社員や契約社員になることが難しいというケースもあります。

まずは、パートなどから始めて離婚後は勤務日数を増やすといった方法を取るなど、検討してみましょう。

また、専業主婦の方は、ブランクがある方が多く、仕事をすることに不安を感じている方もいます。そういった方は、離婚前に資格を取るパソコンのスキルを上げるなどすることで、仕事につきやすくなるだけではなく、仕事のカンを取り戻すきっかけにもなります。

離婚後の資金調達・財産分与

専業主婦の場合、今まで仕事をしていたわけではないので、個人の貯金などの資産がないなどといった方がほとんどです。だからといって全く資金がないわけではありません。

離婚をした場合、財産分与が行われます。

しかし、きちんと財産を把握しておく準備がなければ、正当な財産分与を得ることができず、損をしてしまう可能性があるので、気をつけてほしいところです。

預金にはいくらあるのかなど、離婚前にきちんと把握しておきましょう。

財産分与の対象としては預金だけではありません。夫名義であっても、購入したのが婚姻関係にある期間であれば、車や家、家財道具までもが対象になります。

ただ、結婚前に貯めていた貯金などは対象外になるので覚えておいてくださいね。

離婚で得られる財産については、「離婚により得られるお金はどのくらいあるの?」で詳しく解説していくので、チェックしてみてください。

離婚後に頼れる関係を築いておく

熟年離婚の場合、老後を心配する声は多いです。

「もし、家で倒れてしまったら?」「誰とも関わりがなくなってしまったら?生活できない」など不安を抱えている方もいるでしょう。

離婚後は、元夫に頼ることは難しいです。

そのため、老後に問題視されている孤独や、健康面をサポートしてくれる方を見つけておくことが大切です。
頼れる子供が近くに住んでいるのであれば、それがベストといえますが、難しい場合は友人やご近所の方でも構いません。

日頃から定期的に連絡を取って、お互いに助け合えるような人間関係を築いておくようにしましょう。

離婚により得られるお金はどのくらいあるの?

先にお話ししたように、離婚までに夫婦が持っている財産はどれくらいあるのか、把握しておくことはとても大切です。それによって、財産分与の金額も異なるためです。

また、中には、
「財産分与の他に、得られるお金ってあるの?」
「財産分与も含めて、離婚後受け取れるお金ってどれくらい?」
などの疑問をお持ちの方も多いでしょう。

そこで、離婚によって得られるお金についてお話ししていきます。

離婚により受け取れる財産分与

まず、離婚と同時によく耳にすることが多い財産分与は、結婚生活で得た財産を公平に分配することをいいます。

よく、専業主婦は収入自体を得ていないから、あるいは名義が夫の財産であるから財産分与されないのでは?といった声もありますが、それは間違いです。

金銭的には貢献できていなくても、専業主婦は夫の労働環境を整える、家族の生活を守るといった働きをしているため、財産分与を受ける権利があるので、きちんと夫と整理していくことが大切です。

詳しい財産分与については、以下の記事を参考にしてみてくださいね。

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年金分割により受け取れる年金

離婚をしたとしても、年金分割によって年金を受け取ることが可能です。
しかし、年金の満額を受け取れるわけではないため、思ったよりも少なかったといった方が多いのが、現実と言えます。

年金分割は、あくまで婚姻関係にあった期間に夫が支払った、会社員や公務員の厚生年金が対象になります。
つまり、結婚が遅ければ遅いほど対象期間が短くなり、それと共に年金として受け取ることができる金額が少なくなります。

そのため、年金分割を得るのは大切ですが、老後の資金としてはあまりあてにしない方がいいでしょう。気になる場合は、正確な金額を把握しておくことも大切です。
年金分割の詳しくは、以下の記事も参考にしてください。

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別居期間中も受け取れる生活費・婚姻費用

意外と知られていないのが、婚姻費用、生活費です。

夫婦が一緒に住むためにかかる費用である婚姻費用には、夫と妻の収入や資産に応じて分担しあう義務があります。それは、別居期間を含めて離婚まで対象となります。

別居関係にあったとしても、収入が多い配偶者が、収入が少ないもしくは子供を養育している配偶者に対して、生活費や家賃を払わなくてはいけません。

専業主婦の方が別居をする場合、必然的に夫の方が収入が多いため、婚姻費用として別居期間中も夫から生活費を受け取ることができます。

婚姻費用の義務については知らない方も多く、別居期間中の生活費や家賃など夫から受け取ることなく、自分で負担している方も多くいます。

その他場合により得られるお金

今までご紹介した他にも、離婚によって受け取ることができる資金として、「養育費」「慰謝料」があります。

養育費は、未成年の子供と一緒に生活を送る場合に、子供の生活費として夫から受け取ることができるお金です。
また、夫に不倫やモラルハラスメントなどといった離婚原因があれば、妻の権利を侵害したとして慰謝料を請求することもできます。

これもまた、離婚前に支払い方法などを話し合い、取り決めをするのがおすすめですが、養育費は特に1度も支払われない、支払いが滞るといったことはよくあります。そうならないためにも、離婚協議書を公正証書で作成するなど正式な取り決めをするようにしましょう。
詳しい養育費や慰謝料についての解説は、以下の記事も確認してみましょう。

女性ならではの熟年離婚のメリット・デメリット

子育てもひと段落し、自分の人生を考えたときに離婚を頭に浮かべる人は多いです。
特に長い間夫に対しての不満を蓄積していた場合は、夫から解放されたいと強く思う方もいますよね。

しかし、熟年離婚には、女性だからこそのメリットとデメリットが存在するので、ご紹介しましょう。
離婚後のメリットばかりを見るのではなく、デメリットも把握したうえで、離婚を検討することが大切です。

熟年離婚のメリット

熟年離婚に限らず、メリットの一つとして苦痛の結婚生活から解放されるといった点があります。

離婚をすると、夫の浮気やDVなどといった精神的苦痛や、夫の浪費癖や収入が少ないための生活苦から解放されます。
また、夫の両親を介護しなくてはいけないなどといった家族間のしがらみを、背負う必要もなくなるので身軽になりますね。
そして、離婚をすることによって、新しいパートナーと恋愛・結婚することも可能です。

これまでできなかった趣味の時間を持てるなど、熟年離婚にはメリットがあるといえるでしょう。

熟年離婚のデメリット

熟年離婚でデメリットと感じる部分としては、

  • 仕事を見つけるのが容易ではない
  • 焦って離婚して財産分与などをせずに離婚してしまう人が多い

といった2つがあります。
やはり年齢的に、仕事を探すのは若い人材に比べて難しく、特に未経験の分野に挑戦しようと思っても、その間口は狭いです。そのため、希望する職に就けないなどといったこともあります。
また、安定した仕事も見つけずに離婚をしてしまうと、十分な生活ができるだけの収入が得られないということもあります。
そして、社会人経験が少ないまま専業主婦になった方は、働くということに精神的にも肉体的にも疲れてしまい、長く務めることができないといったケースも少なくありません。

生活の糧である仕事がデメリットとなると、金銭面でもデメリットが発生します。
きちんとした準備をして熟年離婚へ踏み切った場合はいいのですが、中には「離婚」をすることに急ぎすぎて、財産分与や慰謝料請求などといったことをせずに離婚してしまう方も多いです。

熟年離婚の場合、仕事など金銭面を考えると財産分与などをきちんと相談して取り決めてから、離婚をするようにしましょう。

まとめ

今回は、熟年離婚の準備と、メリット・デメリット、女性はその後生活できないのか、生活費や家がないとどうなるかなどを解説しました。

熟年離婚は、近年増え続けています。しかし、財産分与や年金分割などといった手続きを取らないまま離婚をする人は少なくありません。
特に今まで仕事をしていなかった専業主婦の場合は、しっかりと離婚後の生活設計を立てて、それに向けて準備をすることが大切です。

それさえしっかりとこなしていれば、夫の家族のしがらみや、夫婦であることで受ける苦痛などから解放され、自由になることができます。

まずは、専業主婦で熟年離婚を考えた場合、婚姻関係にあるうちに自立できる基盤を作りましょう。住む場所や仕事を見つける、そして財産分与など重要な部分はきちんと話し合うことが大切です。

もし、離婚後も自立した生活を送ることができれば、仕事面や金銭面でも厳しいことはありますが、自由な人生を得ることができるでしょう。

熟年離婚に強い弁護士も無料相談を受け付けているので、相談してみるとよいでしょう。

離婚に強い弁護士が法的に解決いたします

離婚問題でお困りの方は、離婚に強い弁護士にご相談ください。慰謝料、財産分与、親権など離婚を有利に進めることができる可能性があります。

弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

  1. 慰謝料がもらえない
  2. 財産分与が妥当でない
  3. 親権がとられそう
  4. 養育費が納得いかない

離婚に強い弁護士に相談・依頼することで、相手との交渉を有利にすすめ、難しい手続きもサポートしてもらえます。

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執筆・監修
服部 貞昭
ファイナンシャル・プランナー(CFP・日本FP協会認定)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
東京大学大学院 電子工学専攻修士課程修了
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