DV男の特徴と離婚したくない被害者女性の心理まとめ

DV(Domestic Violence)とは、家庭内暴力の略称です。

近年、パートナーからの暴力を受けている女性が増加傾向にあります。

DVが原因で離婚することを決意する夫婦も多いですが、中には激しい暴力を受けながらもなかなか別れられない女性や離婚したくない女性も少なくありません。

そこで今回は、DVをする夫の特徴や心理、逃げられない女性の心理状況について解説します。

DVの4つの種類(モラハラ等)

そもそもDVにはいくつか種類があります。

主なところでは次の5つが挙げられます。

  • 直接的な暴力をふるってくる「身体的暴力」
  • 経済面で支配する「経済的暴力」
  • 他人から隔離する「社会的隔離」
  • モラハラ(モラルハラスメント)と呼ばれている「心理的虐待」
  • 性行為を強要される「性的虐待」

これらは単体で行われたり複数の種類を組み合わせて行われており、内容が複雑になるにつれて妻は逃げられなくなったり周囲に訴えられなくなるので第三者からは発見されにくい傾向があります。

DV夫|4つの特徴と心理

DV夫に見られる特徴は、DVの種類によって若干異なります。
ここでは、DV夫に共通して見られる4つの特徴と、特徴ごとの心理を紹介します。

全て当てはまったらDV夫ということではなく、当てはまらない項目があってもDV夫であることもありますし、その逆もあり、あくまで一般的な特徴としてお考えください。

DV夫の特徴と心理① 外では愛想がよく、評判がいい

まず、DV夫には外面では愛想がよく周囲からの評判は良い、という特徴があります。

妻に対してのみ暴力的で、職場や近所の人、親族などのコミュニティでは良い夫を振舞います。そのため、周囲の人からは良い夫だと評価を受けていることが多く、妻がDVの被害を訴えてもなかなか信じてもらうことができません。

このような男性は、世間体を気にして外ではいい夫を演じるため、必要以上に気を遣い、ストレスがたまりやすくなります。その結果、ストレスをDVという形で爆発させてしまうのです。

DV夫の特徴と心理② 独占欲が強く、束縛する

2つ目の特徴としては、独占欲が強く、妻を束縛することがあげられます。

束縛がエスカレートするあまり、常に相手の行動を監視しないと気が済まなくなります。外出するたびに行き先や帰宅時間の報告を義務付けられたり、他の男性の連絡先を全て削除させられたりといった行動があります。

このような男性は、「いつか自分が捨てられてしまうのではないか」と不安を抱えている場合が多いです。そのため、妻が自分の意に反する行動をすると、必要以上に不安になり、暴力を振るってしまうのです。

DV夫の特徴と心理③ 人によって態度を変える

3つ目の特徴としては、人によって態度を変えることがあげられます。

上司など、社会的立場が自分よりも上の人には媚びたり、礼儀良く接したりします。一方で、部下など、自分より目下の人には態度が大きく、偉そうな態度をとります

また、相手の前では頭を下げていても、相手がいなくなると悪口を言ったり急に偉そうになったりすることもあります。

このような男性は、「相手より上の立場であることを示したい」と考えていることが多いです。

家庭内においても、自分が上で妻である女性を下に見ている傾向が強く、妻は自分を肯定して従うものだと認識している可能性が高いです。そのため、自分に逆らえない妻に対して、DVを働きやすいのです。

ただし、付き合っている場合にはこのような傾向が見られることは少なく、結婚して女性を自分の所有物だと認識してから行動に移す人が多いと言われています。

DV夫の特徴と心理④ 感情の起伏が激しい

4つ目の特徴としては、感情の起伏が激しいことがあげられます。

些細な出来事でも異常なほど怒ったり、怒鳴ったりします。一方で、怒りが冷めると急に優しくなります。

この傾向は暴力を振るう際にも見られます。カッとなって妻に暴力を振るった後に、怪我をしている妻をみて慌てて優しくしたり、謝ったりするのです。

このような男性は、精神的に幼稚で感情や暴力をコントロールすることができません。
妻の側も、涙ながらに謝る夫を見て、情に流されて許してしまい、同じことを繰り返すという負のループに陥ってしまう傾向が強いです。

DVは辛いけど離婚したくない妻の心理|なぜ別れない?

DV被害を受けていても、離婚はそう簡単に決断できるものではありません。
日々辛い思いをしながらも、なかなか離婚に踏み出すことができずにいる人・離婚したくない人は少なくないです。

そこでここでは、DV被害を受けていながら離婚できない・離婚したくない妻の5つの心理について解説していきます。

妻の特徴① 辛い思いをしても、夫のことが好き

どんなに暴力を振るわれても、心無い言葉を吐かれても、夫のことが好きだから一緒にいたいと考えます。

DV夫は、普段は温厚で優しい傾向があります。また、DVも毎日されている訳ではないということもあります。そのため、夫のいいところに触れることもあり、なかなか嫌いになることができないのです。

付き合っていた頃は暴力がなかったような場合には、「反省して昔のように戻ってくれるのではないか」という期待を込めているようなケースもあるので、これも離婚したくない心理の一つといえます。

妻の特徴② お互いに相手が必要(共依存状態)

夫には自分が、自分には夫が必要だから離婚できない、と考えている人もいます。

このように、お互いに相手に対して自分自身の存在価値を委ね合っている心理状態を、共依存と呼びます。カップルであっても夫婦であっても「自分がいないとだめだ」と思い込んでしまっているところが特徴です。

DV夫側としてはDVによって妻が自分から離れてしまうかもしれないという恐怖心から謝ったり優しい態度を取り、それを受けた妻は「普段は優しい夫がこんなことをしたのは自分が悪い」と感じてしまいます。そこから「自分が夫を支えなければいけない」、「自分がいないとこの人はだめだ」と感じるようになり、DVを受け入れてしまうのです。

こうして妻が自分から離れないと確信した夫は一時的に優しくなるものの、何らかのきっかけでDVを行ってまた謝ったり優しい態度を取る、というループを夫婦で繰り返すようになります。

これが共依存であり、周囲がDVを指摘したり別れることを助言しても「自分の存在価値が否定される」と思い込んでしまうため、被害者である妻はなかなか別れようとしないのです。

妻の特徴③ 怖くて離婚を切り出せない

「離婚を切り出したら何をされるかわからない」と、離婚を切り出すことに怯えて離婚できないというケースもあります。

DVから逃げられない女性に多い心理状況として、「暴力による恐怖に支配されている」状態があります。女性にとって暴力を振るわれるのは恐怖であり、場合によっては命にかかわるほど深刻な問題となります。

そのため無理に逃げ出すよりもおとなしく従っていた方がいい、離婚はせずに黙っている方が安全と考えてしまい、暴力による支配で正常な判断力が鈍ってしまいます。

このように、DV夫によって心理的に支配されてしまい、離婚したくない、できないと考えてしまいます。

妻の特徴④ DV夫の収入に生活が依存している

自身の収入がない、もしくは少なく、DV夫の収入に依存した生活を送っているため、離婚できないということもあります。

特に専業主婦の場合には、新しく就職先を見つけなければなりませんし、離婚に伴う引越しや諸手続きの費用、離婚後の生活費の確保も必要になります。今後の不安定な生活を考えると、「少し辛くても我慢して、今の生活を続ける方が良い」と感じてしまうのです。

このように経済的な理由を心配して、離婚できない・したくないと考えます。

妻の特徴⑤ 子供への影響が心配

離婚に伴う子供への影響を心配して、離婚できないということもあります。

どんなに暴力を振るう旦那であっても、子供にとってはたった1人の父親です。「子供を片親にしたくない」と、子供を優先して我慢することを選びます。

また、子供がいる場合には離婚後の生活に不安を抱えている場合も多いです。子供を育てる費用を考えると、養育費があったとしても、離婚する決断はできないと考える妻も多くいます。

このように、子供にまつわる様々な問題を考えて、離婚したくないと考えます。

妻の特徴⑥自己評価の低さ

DVの被害者はしばしば自己評価が低くなり、自分に価値がないと感じることがあります。そのため、自分が幸せになる権利がないと考え、離婚を考えることが難しくなる場合があります。

妻の特徴⑦希望や変化への信念

妻は夫との関係について、将来的な改善や変化を期待している場合もあります。DVのパートナーとの関係を修復したいと願っていることが、離婚を避ける理由になる場合があります。いつか、必ず、夫がDVをやめると信じているケースがあります。

まとめ

DVは許されざる行為です。

DV被害を長年受けているとどうなる?

DVを受け続けているうちに精神的なストレスから「自分のためにこのようなことをしているんだ」と考えるようになってしまうなんてことも少なくありません。

被害女性は、暴力によって精神的に支配・洗脳されてしまっていることが多く、中には現実逃避を起こして自らDVを受け入れてしまう人も少なくありません。

DV被害を受けて悩んでいる場合どうする?

もしも夫からDVを受けていると悩んでいるのであれば、DVを受けている自覚をしっかり持って離婚に向けて対策することが非常に大切です。

別居やDVの証拠集めなど、今後の対応方法を考えている人は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

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離婚弁護士相談Cafe編集部
弁護士ライター、起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)、行政書士資格者を中心メンバーとして、今までに、離婚に関する記事を300以上作成(2022年1月時点)。
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