離婚の弁護士費用|種類や金額相場などを詳しく解説

離婚に関する話し合いを夫婦間でまとめるのが難しい場合は、弁護士を代理人に選任することが有力な選択肢です。

ただし、離婚問題の解決を弁護士に依頼した場合、一定の弁護士費用が発生します。具体的な費用は弁護士ごとに異なりますので、複数の弁護士から相見積もりを取得するのがお勧めです。

今回は離婚の弁護士費用について、種類や金額相場がいくらかなど、協議離婚の場合、公正証書作成の場合、財産分与について依頼したい場合などを詳しく解説します。

離婚の弁護士費用の種類

離婚問題の解決を弁護士に依頼した場合の費用には、主に以下の5種類があります。

相談料

正式な依頼前の法律相談にかかる費用です。

着手金

正式な依頼の際に支払う費用です。解決内容の如何を問わず、原則として返還されません。

報酬金

離婚に関する弁護士の対応が完了した際に支払う費用です。解決内容によって金額が変わります。

日当

調停・訴訟への出席など、弁護士の出張が発生する場合に支払う費用です。

実費

裁判所に納付する手数料や郵便代など、弁護士が支出した実費については精算を行います。実費精算のタイミングは、弁護士によってまちまちです。

離婚の弁護士費用相場はどのように決まるのか?

離婚の弁護士費用は、個々の弁護士が事案の内容を考慮して自由に決定しています。
ただし、かつて存在した日本弁護士連合会(日弁連)の報酬基準を、現在でも参考にして費用を決定する弁護士が多い状況です。

弁護士費用は各弁護士が自由に決めている

かつては日弁連の報酬基準が存在し、弁護士は同基準に従って弁護士費用を決定していました。

しかし、同基準は2004年をもって廃止され、現在では各弁護士が自由に弁護士費用を決定している状況です。したがって、同じ事件であっても、提示される費用の金額は弁護士によって異なります。

旧報酬基準に見る|弁護士費用はいくら?

日弁連の報酬基準は廃止されましたが、現在でも同基準を参考に費用を決定している弁護士が多数存在します。そのため、離婚問題に関する弁護士費用の相場を知りたい場合は、同基準を参照するのがよいでしょう。

旧報酬基準に従うと、離婚事件において適用される弁護士費用の相場・目安はいくらかというと、以下のとおりです。離婚手続き全体だけではなく、財産分与の場合、慰謝料の問題の場合なども併せてご参考ください。

<離婚手続き全体>|協議離婚・調停離婚・裁判離婚

着手金 報酬金
調停事件

交渉事件

22万円~55万円 22万円~55万円
訴訟事件 33万円~66万円 33万円~66万円

※いずれも消費税10%込

協議離婚・調停離婚・裁判離婚で、金額相場が異なることが分かります。

<財産分与・慰謝料などの請求>

着手金 報酬金
調停事件

交渉事件

訴訟事件

事件の経済的利益の額に応じて以下の金額

300万円以下の場合:経済的利益の8.8%

300万円を超え3,000万円以下の場合:経済的利益の5.5%+9万9,000円

3,000万円を超え3億円以下の場合:経済的利益の3.3%+75万9,000円

3億円を超える場合:経済的利益の2.2%+405万9,000円

事件の経済的利益の額に応じて以下の金額

300万円以下の場合:経済的利益の17.6%

300万円を超え3,000万円以下の場合:経済的利益の11%+19万8,000円

3,000万円を超え3億円以下の場合:経済的利益の6.6%+151万8,000円

3億円を超える場合:経済的利益の4.4%+811万8,000円

※いずれも消費税10%込
※着手金の最低額は11万円(税込)
※調停事件・交渉事件の場合、着手金・報酬金をそれぞれ3分の2に減額することができる

なお、財産分与・慰謝料などの請求を行う場合は、離婚事件全般の弁護士費用と、当該請求に係る弁護士費用の両方が発生する点にご注意ください。

離婚の弁護士費用は依頼内容によって変わる

離婚に関する弁護士費用の金額相場は、どのような業務や解決を依頼するかによっても変わってきます。
弁護士費用を抑えるために、一部の請求を取り下げるようでは本末転倒ですが、考え方を理解しておくことは有益でしょう。

財産分与と養育費を両方請求する場合の費用例

たとえば、財産分与と養育費を両方請求する以下のケースを考えます。

  • <設例①>
  • 離婚手続き全体の弁護士費用は、着手金33万円、報酬金33万円
  • 財産分与300万円を請求
  • 養育費毎月5万円×180か月(15年間)を請求

旧報酬基準に従うと、財産分与請求の着手金は26万4,000円、報酬金は52万8,000円です。

養育費については、獲得額のすべてではなく、おおむね5年分前後の22%程度を経済的利益とみなすケースが多いです。この基準に従うと、養育費請求の着手金は5万8,080円、報酬金は11万6,160円となります。

上記を合計すると、設例①における着手金・報酬金は以下の金額となります。

着手金
=33万円+26万4,000円+5万8,080円
=65万2,080円

報酬金
=33万円+52万8,000円+11万6,160円
=97万4,160円

合計:162万6,240円

財産分与を請求せず、養育費だけ請求する場合の費用例

設例①とは異なり、財産分与を請求せずに養育費だけを請求する以下のケースを考えます。

  • <設例②>
  • 離婚手続き全体の弁護士費用は、着手金33万円、報酬金33万円
  • 養育費毎月5万円×180か月(15年間)を請求

設例①と比べると、離婚手続き全体および養育費請求の着手金・報酬金は同じですが、財産分与の着手金・報酬金がかからなくなります。

したがって、着手金・報酬金は以下のとおりです。財産分与を請求する設例①の半分程度になりました。

着手金
=33万円+5万8,080円
=38万8,080円

報酬金
=33万円+11万6,160円
=44万6,160円

合計:83万4,240円

離婚公正証書の作成だけを依頼する場合の費用例

離婚条件についての交渉がすでにまとまっており、離婚交渉証書の作成だけを弁護士に依頼する場合、弁護士費用はさらに安く済む可能性が高いです。

旧報酬基準では、契約書類およびこれに準ずる書類の作成については、弁護士費用の額が以下のとおり定められています。

定型 経済的利益の額に応じて以下の金額

1,000万円未満:5万5,000円~11万円

1,000万円以上1億円未満:11万円~33万円

1億円以上:33万円以上

非定型 経済的利益の額に応じて以下の金額

300万円以下:11万円

300万円を超え3,000万円以下:1.1%+7万7,000円

3,000万円を超え3億円以下:0.33%+30万8,000円

3億円超:0.11%+96万8,000円

公正証書にする場合 上記に3万3,000円を加算

※いずれも消費税10%込

たとえば、以下のケースを考えます。

  • <設例③>
  • 離婚公正証書の作成のみを依頼
  • 財産分与は300万円で合意済み
  • 養育費は毎月5万円×180か月(15年間)で合意済み

財産分与は全額、養育費は5年分の22%を経済的利益とみなすと、経済的利益の総額は366万円です。離婚公正証書は非定型扱いとなることが多いため、弁護士費用は以下のように計算されます。

  • 弁護士費用
  • =366万円×1.1%+7万7,000円+3万3,000円
  • =15万260円

同じ離婚条件でも、交渉等から弁護士に依頼した場合に比べて、離婚公正証書のみを依頼した場合は、弁護士費用が10分の1以下まで安くなりました。

DV・モラハラなど離婚理由によって弁護士費用は変わるのか?

夫婦が離婚する理由は、DV・モラハラ・不倫・性格の不一致などさまざまです。

弁護士は、事案の難易度も考慮して弁護士費用を決めるため、離婚理由によって弁護士費用が変わる可能性もあります。

たとえば、難しい事件になりやすい以下のようなケースは、弁護士費用が高額になりやすいです。

  • DV・モラハラのケース
  • 証拠に乏しい不倫のケース等

一方、性格の不一致について夫婦が共通認識を持っており、比較的スムーズに離婚を成立させられそうなケースであれば、比較的安価で弁護士に依頼できるかもしれません。

いずれにしても、離婚の弁護士費用は個々の弁護士によって、さらに事案の内容によって異なります。

具体的な弁護士費用相場がいくらかかるか知りたい方は、弁護士の無料相談などをご利用ください。

離婚に強い弁護士が法的に解決いたします

離婚問題でお困りの方は、離婚に強い弁護士にご相談ください。慰謝料、財産分与、親権など離婚を有利に進めることができる可能性があります。

弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

  1. 慰謝料がもらえない
  2. 財産分与が妥当でない
  3. 親権がとられそう
  4. 養育費が納得いかない

離婚に強い弁護士に相談・依頼することで、相手との交渉を有利にすすめ、難しい手続きもサポートしてもらえます。

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阿部由羅(あべ ゆら) 弁護士
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。一般民事から企業法務まで、各種の法律相談を幅広く取り扱う。webメディアにおける法律関連記事の執筆・監修も多数手がけている。
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