離婚を求める相手が弁護士を立てた場合、どう対応すべきか?

離婚相手が弁護士を突然立てた場合はどうすればいいのでしょう。

夫婦が仲違いした場合、夫婦間の話し合いで解決できればよいですが、折り合いがつかずに、どちらか一方が弁護士を立てて争うケースも少なくありません。

離婚を求める配偶者が弁護士を立てた場合、対等に主張を戦わせるためには、ご自身も弁護士へ依頼することをお勧めいたします。
今回は、離婚に関して配偶者が弁護士を立てると言われたらどうすればいいのか、弁護士を立てたら相手に連絡ができなくなるのか、離婚弁護士からの連絡を無視して良いのかなど、今後の流れや注意点などをまとめました。

離婚について、相手が弁護士を立てた場合における今後の流れ

離婚を求める配偶者が弁護士を立てた場合、今後の離婚協議などは弁護士を窓口として行うことになります。具体的には、以下の流れを想定しておきましょう。

相手の弁護士から協議の連絡を受ける

相手の弁護士は、まず離婚協議を提案する連絡をしてくることが予想されます。連絡方法はケースバイケースで「電話」などで連絡が来る場合もあれば「内容証明郵便」で連絡が来る場合もあります。

相手の弁護士から連絡があった場合、無視をせずに、ひとまずは離婚協議に応じる方向で返信するのがよいでしょう。

ただし返信を急ぐ必要はなく、相手が主張する内容につき、法的に十分検討したうえで返信することが大切です。

相手の弁護士が離婚調停を申し立てる

離婚協議が成立する見込みが薄いと判断した場合、相手の弁護士は「離婚調停」を申し立てる可能性もあります。

離婚調停は、家庭裁判所で離婚の話し合いを行う手続きです。民間の有識者である調停委員が仲介者となり、夫婦それぞれから主張を聴き取ったうえで調整を試みます。

最終的に、裁判官が提示する調停案に夫婦が同意すれば、調停成立です。この場合、裁判所書記官によって作成された離婚調書の内容に従って離婚することになります。

離婚調停には、相手は代理人である弁護士を同席させる可能性が高いです。ただし、調停委員は夫側・妻側を個別に呼び出して主張を聴き取るため、相手方弁護士と直接やり取りする機会は基本的にありません。

相手の弁護士が離婚訴訟を提起する

離婚調停が不成立となった場合、離婚を求める相手方の弁護士は、離婚訴訟を提起する可能性があります。

離婚訴訟では、法定離婚事由(民法770条1項)が存在することを条件として、裁判所が離婚を認める判決を言い渡します。その際、財産分与・親権・養育費などの離婚条件についても判決主文で示され、強制的に離婚問題が解決されることになります。

離婚訴訟は、原則として公開の手続きです。各当事者は、自分の主張を裁判所に認めてもらうため、主張書面や証拠資料を提出して争います。

相手が提出する主張書面や証拠資料は、基本的に代理人弁護士が作成します。法的な観点からよく練られた書面等が出てくるでしょうから、それに対抗できるような反論を十分に検討しなければなりません。

相手の弁護士からの連絡を無視したらどうなる?

原則「協議離婚」を目指すのが良い

相手の弁護士から離婚協議に関する連絡を受けた場合、基本的には無視せず返信した方がよいでしょう。

協議によって離婚問題を解決することのメリットは、時間と費用を節約しながら、柔軟な形で離婚を成立させられる点です。

協議の場合、調停や訴訟よりも短期間で離婚が成立する可能性が高いでしょう。

仮に弁護士へ依頼するとしても、弁護士費用は協議の方が調停や訴訟よりも安くなる傾向にあります。また、夫婦双方の希望を細かく調整できるため、どちらにとっても良い形での解決が期待できます。

そのため、夫婦間の主張が決定的に対立している場合を除けば、相手の弁護士から受けた離婚協議の提案については、ひとまず応じることをお勧めいたします。

連絡を無視したら「離婚調停」の申し立てが行われる

もし相手の弁護士からの連絡を無視した場合、離婚調停の申立てが行われる可能性が高いです。そうなると、煩雑な法的手続きへの対応を迫られてしまいます。

調停期日は月1回程度の開催で、かつ調停委員を介しての調整となるため、必然的に時間がかかります。半年以上の期間を要するケースも多く、必ず調停が成立するとは限りません。場合によっては調停不成立となり、離婚訴訟に発展して、さらに1年以上の期間を要するケースもよくあります。

また、調停や訴訟に発展した場合、離婚について直接話し合う機会がなくなるため、夫婦の関係性を改善する機会が失われてしまう点もデメリットです。特に、夫婦の間に子どもがいて、今後も養育費の精算や面会交流などを行う必要がある場合は、できる限り協議による解決を目指した方がよいでしょう。

相手の弁護士からの連絡を無視することは、協議離婚の可能性を閉ざしてしまうことを意味します。到底話し合いができないほど、夫婦の関係性が悪化しているのでなければ、相手の弁護士からの連絡は無視せず、何らかの形で返信した方が賢明です。

相手が弁護士を立てた場合、相手と直接連絡をとってはいけないのか?

離婚について相手が弁護士を立てた場合でも、配偶者に直接連絡をとることが禁止されるわけではありません。しかし実際には、配偶者が直接連絡を拒否するケースも多い点にご注意ください。

当事者同士の連絡は禁止されていない

法律トラブルにつき、相手方が弁護士を立てた場合でも、相手方本人に対して直接連絡をとることは禁止されていません。離婚が問題となっているケースでも同様です。

したがって、配偶者に対して電話などで直接協議を提案することもできますし、同居していれば話しかけても大丈夫です。

相手が直接連絡を拒否するケースも多い

ただし、離婚について配偶者が弁護士を立てているケースでは、夫婦間の関係性がきわめて悪化していることが多いでしょう。特に別居している場合は、配偶者が直接の連絡を拒否し、弁護士を通じた連絡を求める可能性が高いです。

配偶者から直接連絡を拒否された場合は、無理強いせずに弁護士を通じて連絡を取りましょう。直接の話し合いをしつこく求めてしまうと、ストーカー規制法違反などに該当するおそれがあるので注意が必要です。

自分が立てた弁護士から相手への直接連絡は原則禁止

ただし、ご自身が離婚問題に関する対応を弁護士に依頼した場合、弁護士から配偶者へ直接連絡することは、原則として禁止されています(弁護士職務基本規程52条)。

したがって、夫婦双方に弁護士が選任された場合、離婚に関する協議などは、弁護士同士の間で行われることになります。夫婦が直接話し合うことは依然として可能ですが、協議が二重に行われて行き違いが発生することを防ぐため、弁護士に一任した方が賢明です。

相手が弁護士を立てた場合、自分も弁護士を立てるべきか?

弁護士に依頼すると費用がかかるため、できれば弁護士を立てずに離婚問題を解決したいという気持ちはわかります。

しかし、相手が弁護士を立てた場合、基本的にはご自身も弁護士に依頼する方がよいでしょう。

弁護士を立てることは必須ではない

離婚問題への対応に関して、弁護士に依頼することは必須ではありません。

協議・調停・訴訟を問わず、いずれの手続きについても、ご本人だけで対応することはできます。

現実的には、弁護士に依頼した方がよい

ただし、配偶者が弁護士を立てている場合、弁護士を代理人とせずにご本人だけで離婚問題に対応することは、現実的には困難と言わざるを得ません。

相手の主張が適正か分からない

離婚協議の場合、配偶者側では、弁護士が協議への対応を全面的に代行します。

配偶者側の弁護士は、離婚に関する実務経験や知識を活かして、配偶者にとって有利な条件による離婚を実現するため、さまざまな要求を行ってくるでしょう。

その際、配偶者側の要求が適正なものかどうかを判断することは、法律や離婚実務に関する知識がなければ困難です。

調停・訴訟の準備が大変

離婚調停では、調停委員を味方に付けるため、ご自身の主張が妥当であることを説得的に訴える必要があります。

配偶者側では、弁護士が主張内容の検討や提出書類の準備などを行いますが、それに対抗できる準備を整えるためには、やはり法的な専門知識が必要不可欠です。

離婚訴訟では、裁判所にご自身の主張を認めてもらうため、さらに厳密な準備が必要となります。また、訴訟手続きには独特の専門性があるため、不慣れな方が一人で対応するのは非常に大変です。

特に、配偶者側に弁護士がついている離婚事件では、ご本人だけで訴訟に対応すると、不利な展開を強いられる可能性が高いでしょう。

まずは弁護士に相談

このように離婚問題につき、配偶者が弁護士を代理人としているケースにおいて、配偶者側と対等以上に渡り合うためには、弁護士に依頼する必要性は非常に高いといえます。

弁護士費用はかかりますが、納得できる形で離婚問題を解決するためにも、弁護士へ依頼することがお勧めです。

当サイトでも離婚に強い弁護士を掲載していますので、早い段階で一度相談してみましょう。

まとめ

今回は、配偶者に弁護士を立てると言われたらどうなるのか、また離婚相手が弁護士を立てた場合に連絡できるのかできないのか、弁護士の連絡を無視して良いのかなどを解説しました。

離婚問題について、配偶者が弁護士を立てた場合には、ご自身も弁護士を立てて対応することをお勧めいたします。

弁護士に依頼すれば、法的な観点から十分な準備を整えることで、配偶者側と対等以上に渡り合うことができます。また、離婚手続きの見通しや注意点などのアドバイスを受けられるため、精神的な安心にも繋がるでしょう。

弁護士費用の負担が懸念されるところですが、正式な依頼前には無料相談を受け付けている弁護士が多数存在します。
具体的な弁護士費用については事前に見積もりを提示してもらえますし、支払いが難しいときは法テラスの立替払い制度を利用できることもあります。

離婚問題を納得できる形で解決するには、弁護士に代理人として対応してもらうことが賢明です。配偶者から離婚を求められた方や、配偶者と離婚したい方は、お早めに弁護士までご相談ください。

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離婚問題でお困りの方は、離婚に強い弁護士にご相談ください。慰謝料、財産分与、親権など離婚を有利に進めることができる可能性があります。

弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

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監修・執筆
阿部由羅(あべ ゆら) 弁護士
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。一般民事から企業法務まで、各種の法律相談を幅広く取り扱う。webメディアにおける法律関連記事の執筆・監修も多数手がけている。
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