離婚について弁護士に相談する前に準備しておくべき事と注意点
離婚を弁護士に相談の仕方やポイント、相談前の準備や相談の際に持っていくべきもの、無料相談で何を聞くべきなのか、何を聞…[続きを読む]
離婚について「弁護士に相談したいけど、弁護士費用が心配」「弁護士に相談するのは少し敷居が高い」と考える人は少なくありません。
そのようなときに思いつく相談先の一つが、市役所などで行われている法律無料相談です。
弁護士事務所を訪ねるよりも敷居が低く、無料で相談できる画期的な制度ではありますが、実は役所での無料相談にはデメリットも存在します。
そこで、この記事では、離婚相談を市役所・区役所で行うメリット・デメリット、役所以外の離婚問題の相談先をご紹介をしていきます。
離婚に関する相談をしたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
法律相談と聞くと、法律に関してなんでも教えてくれる…と考える人が多いのではないでしょうか。
しかし、役所で行われている無料の法律相談は、どんな問題でも解決できるものではありません。
相談者の持ち込んだ問題に対して、一般的な対処方法や手続きの仕方、正式に依頼した方が良い問題であるかどうか、今後の流れ等をアドバイスしてくれるものが役所での無料法律相談です。法律関係の書類の作成をしてくれることはありません。
そのため、「問題を解決したい」と思って相談に行くと、納得のいくような結果を得ることはできないでしょう。
役所の無料相談に行く際は、具体的な解決方法をもらうことを目的にするのではなく、「ちょっとだけ話を聞いてみたい」「今後の筋道を知りたい」といったスタンスで行くことをお勧めします。
市役所や区役所の無料相談を活用することのメリットはもちろん、無料であること、そして相談の敷居が低いことです。
役所での法律相談は基本的に無料で行われています。
また、相談が行われる場所も役所や市民(区民)ホールですので、あまり緊張せずに行くことができます。
実際に、多くの人が「とりあえず相談に行こう」と、気軽な気持ちで無料相談に訪れています。
婚はしばしば感情的な問題が伴いますが、市役所や区役所の相談窓口は中立的な立場で問題を解決しようとする場合があります。そのため、対立的な状況を抑え、より円満な解決を促進することが期待できます。
婚手続きは複雑で、書類の作成や提出などの手続きが必要です。市役所や区役所の相談窓口では、手続きについてのサポートを受けることができます。適切な書類の作成方法や提出先などを教えてもらえるため、手続きをスムーズに進めることができます。
役所の離婚相談では、相談する担当者を選ぶことができません。
したがって、離婚に精通した弁護士に対応してもらえるかどうかは運次第になってしまうのです。弁護士が事務所の宣伝ばかり、正式な依頼に繋げようとしてくる、など、相談が全く役に立たない場合もあります。
また、次のように、役所での無料相談で弁護士に心無い言葉を言われたというケースもあります。
たとえ法的には的確なアドバイスであっても、意を決して相談に行ったところでこのように言われてしまうと、離婚への不安が募るだけではなく、弁護士に対する不信感も出てきてしまうでしょう。
このような、弁護士を自分で選べないことによるミスマッチが起きてしまうことは、役所の法律相談を活用する上で大きなデメリットになります。
役所で行われる法律相談は、基本的に役所が開館している時間帯に行われます。
つまり、法律相談のほとんどは平日の昼間に行われるのです。
そのため、働いている方など、平日昼間に役所を訪れることが難しい人は、なかなか活用することができません。
また、無料相談では多くの相談者を対応するため、一人当たりの時間が10~30分ほどと決められているケースがほとんどです。短時間で抱えている問題を相談する必要があるので、満足するまで相談できずに終わってしまうことがあります。
役所の無料相談は、気軽に相談できて画期的ですが、なんの準備もしないまま行ってしまうと、収穫がないまま無料相談が終了してしまった…という事態になりかねません。
このような状況を避けるためにも、あらかじめ準備を行ってから無料相談にいくことが大切です。
ここでは、実際にどのような準備が必要なのか、また、どのような注意点があるのかということについて解説していきます。
まず大切なことは、事前準備をしっかりと行うことです。
役所での無料相談は、1件あたりの相談時間が決まっている場合が多く、十分な時間を取ることができません。
したがって、「無料相談で全て教えてもらおう」という姿勢で無料相談に行くと、結局用語の説明だけ聞いていたら時間が終わってしまった、なんてことが起きる可能性があります。
無料相談に行く際には、慰謝料や養育費、財産分与や親権などの離婚に関する知識や用語をある程度身につけてから行くようにしましょう。
「何を一番質問したいか」に話を絞って弁護士に伝えることで、スムーズに相談が進み、充実した相談時間にすることができるはずです。
具体的な準備内容や注意点については、以下の記事をご参照ください。
役所での相談に限らず、弁護士に相談する前の準備について解説しています。
繰り返し述べているように、無料相談の多くは1案件につき30分1回のみの相談可能というような制限がついています。
限られた時間を有効に使うためにも、予約時間の10分前には役所に到着するようにしましょう。少しの遅刻でも対応してもらえなくなる可能性もあるので注意が必要です。
また、無料相談を予約ではなく先着順で行う場合もあります。役所によっては、整理券を配るところもあるので、早めに到着するようにしましょう。
早めに到着しておくことで、行ったのに混雑していて相談できなかったという事態を防ぐことができます。
無料相談を行っているのは、役所だけではありません。最近では、法律事務所やカウンセラーなど、様々な機関が離婚の無料相談を行っています。
ここでは、役所以外の5つの無料相談先を紹介します。
やはり定番の相談先は法律事務所でしょう。初回無料相談を行う法律事務所も少なくありません。
無料相談を行っているかどうかは事務所によるので、ぜひ検索して活用してみてください。
無料相談をしたからといって、その事務所と契約しなければいけないということはありません。
また、法律事務所には有料相談限定のところもありますが、事務所選びでは相談料より、弁護士を信頼できるか、相性が合うかということを重視することをお勧めします。
仮に依頼するとなれば数ヵ月や1年以上、弁護士と協力しながら問題を解決していくこともあるため、最初のうちからいかに信頼できる弁護士を見つけるかが大切です。
法テラス(日本司法支援センター)は、国民に弁護士をより身近に利用してもらうことを目的に設立された機関です。
ご自身の収入が、一定以下などの2つの条件を満たすと、1案件につき3回まで弁護士に無料相談することができます。
要件について詳しくは、法テラスのホームページをご覧ください。
また、収入や財産がなく、調停や裁判での勝訴の見込みがないと言えない場合には、弁護士費用を立て替えてもらうこともできます。
お金の問題で弁護士への相談を躊躇している人でも、費用負担なく弁護士に相談できるところは非常に魅力的です。
ご自身の状況に合わせてぜひ活用してみてください。
弁護士会は、弁護士を取りまとめている団体で、日本各地に存在します。
地域によっては、離婚に関する無料法律相談を受け付けています。
例えば、東京弁護士会では電話相談を行っていますが、離婚相談に関しては有料となります。
実施の有無や日時等は、各地の弁護士会によって異なるので、詳細に関してはお住いの地域にある弁護士会のホームページをご確認ください。
離婚の相談は、離婚カウンセラーにもすることができます。
離婚カウンセラーは、心の整理整頓や関係再構築の方法など、心理面についてアドバイスをしてくれます。
ただし、慰謝料や養育費などの法律関係の相談をすることはできません。
また、必ずしも無料相談を行っているわけではないので、事前に確認することをお勧めします。
一部のNPOでも、離婚問題について無料で相談することができることがあります。
ただし、離婚カウンセラー同様に、法律関係の相談をすることはできません。
NPOは、悩み事の相談や心のケアを担ってくれたり、適切な相談先を斡旋してくれたりします。
また、DVなどで悩む女性のためにシェルターを用意してくれるところもあります。
離婚に関する悩みは複雑ですが、悩みを話すだけでも心を軽くすることができるでしょう。
役所での無料相談は、敷居が低く相談しやすいというメリットがあります。しかし、時間の制限がある、弁護士が選べない、というデメリットも伴います。
無料だからという理由で選ぶのではなく、相性がよく信頼できる弁護士を選ぶことが重要です。
ぜひ、さまざまな機関を利用して、信頼のおける弁護士を探してみてください。