離婚と子供 | 面会交流調停で決める条件や弁護士費用の相場とは

★ お気に入りに追加

いわゆる子あり夫婦が離婚した場合には、父親か母親のどちらかが親権者となります。そのとき、親権者とならなかった親の方もその後子供とまったく交流がなくなるわけではありません。定期的に子どもと面会する権利があります。

そこで、どのように面会するのかを取り決める調停を行うことになるわけですが、それを「面会交流調停」と呼びます。そこで今回はこの面会交流調停の流れやかかる費用について詳しく解説します。

面会交流権とは

面会交流権とは、別居している親子が会う権利のことです。日本では共同親権が認められていないため、離婚が成立すると父親か母親のどちらか一方にだけ親権が認められます。

そうすると子どもは親権のある親と同居することになり、親権を持たない親とは会えなくなってしまいます。しかしそのことは、子どもの福祉の観点からも望ましくありません。そこで、親権を持たない親が子どもと会う権利が民法766条で保障されているのです。

調停と不成立になった場合の審判について

現実問題として、親権を持たない親が子どもと会うためには親権を持つ親の協力が欠かせません。

また、親権者となった親の中には子どもを別れた親の方に会わせたくないという人も多いのが事実です。拒否するような方もいます。そこで、離婚の話し合いの場で面会交流の方法の取り決めを行わなかった場合や、話し合いでまとまらなかった場合に行われるのが面会交流調停です。

この調停によって、具体的な面会方法が決められます。もしも面会交流調停でも取り決めがまとまらなかった場合には、裁判所の審判によって取り決めが行われることになります。

弁護士費用の平均・相場はどの程度?

面会交流調停の多くは離婚調停の際に行われるため、弁護士費用は離婚調停の費用の中に含まれていることが多いでしょう。

その場合、費用の相場としては離婚調停全体の平均価格としておよそ35~40万円程度になります。面会交流調停のみを行う場合には離婚調停よりも争点が少なくなるため、一般的には離婚調停よりも安い費用で依頼することができます。

その場合、着手金や報酬額も含めて20~30万円程度が平均相場です。ただし、この金額はあくまでも一般論であり、実際にどれくらいの費用がかかるかは一概にはいえません。

依頼する弁護士や調停にかかる時間、かかる負担によってはより高額になることもあります。

子供の意思が重要視される調停。場所や時間や頻度の取り決め

最初に、夫婦間で面会をどのように行うのかを話し合いましょう。定期的に面会をするかどうかについて、面会をする場合には

・その日時
・場所
・頻度
・連絡方法

などについてです。この話し合いでまとまらない場合、面会交流調停を裁判所に申し立てることになります。その調停でもまとまらなかった場合には、裁判官の審判に決定をゆだねることになります。調停の場所は申立者が相手方の住所地のある裁判所か、あるいは互いに合意した裁判所へ申し立てを行うことで始まります。

調停で何より重要視されるのは、子どもの意向や福祉です。そのため期日や時間、頻度、場所なども子どもに負担がかからないことを最優先として進められます。

この調停で取り決めされる条件としてまず挙げられるのは、会う回数です。一般的には月に1回程度の場合が多く見られます。面会回数は1年以上の間隔を空けて設定することはできません。また、その際には会う時間の取り決めも行います。子どもが小学校低学年ぐらいまでであれば2時間、それ以降は半日や一日という設定が多いです。

そして子どもの受け渡し方法の取り決めも行います。面会の間は必ず両親が付き添うなど、子どもが幼少期の間には特に大事なポイントです。ですが、受け渡し方法は後に事件やトラブル、最悪のケースとしては無理心中につながりかねない事柄ですので、とりわけ両親の関係がよくない場合には細かい部分まで具体的に決めておいた方がよいでしょう。

最後に、面会を拒否できる場合についての取り決めを行います。たとえば子どもが病気の場合などです。そのほか、面会時の費用負担や連絡方法、学校行事や誕生日の際にどう過ごすかといった細かい部分について話し合われることも多いです。状況によっては養育環境などへの調査官調査が行われたり、実際に面会交流の試行期間が設けられたりする場合があります。そのような調査を通じて、面会交流を実施しても問題が起こらないかどうかが判断されます。

調停申立書など、申立に必要な書類

面会交流調停の申立は、親権を持たない親が行います。

この場合、必要な費用として子ども一人につき収入印紙1200円分と、連絡用の郵便切手を用意しなければなりません。また、必要書類としては面会交流調停申立書とその写し、未成年者の戸籍謄本が挙げられます。

申立書には事情説明書と調停に関する進行照会書が付随していますので、それらもしっかり記入しておく必要があります。申立書は裁判所のホームページからダウンロードすることが可能です。

子供が「会いたくない・・・」と拒否。面会交流が認められない場合

基本的に面会交流調停では、親権を持たない親と子どもとの面会をどう実施するのかという方向で進められていきます。

しかし、場合によってはたとえ面会交流権があっても面会交流が認められないこともあります。たとえば非親権者が過去に子どもに対して暴力を振るっており、今後も同じことが発生する可能性が認められる場合です。

ただし、このケースは危険度がかなり高いときのみであり、再び暴力を振るう可能性が低い場合や、子どもの側がトラウマを持っていない場合には、面会交流が認められることが多いです。そのほか、子どもが10~12歳以上である場合には、子どもの意思が重要視されます。もしも子どもが「会いたくない」といって面会交流を望んでいないのであれば、裁判所であっても無理やりに面会交流を強制することはできず認めらえない場合が多いです。

履行勧告とは?取り決めを守らなかった場合、再調停

離婚した両親の関係が悪化している場合、面会交流調停で取り決めをしたにもかかわらずどちらかが取り決めを守らないということがあります。

この場合、まずは裁判所に訴えることによって履行勧告が行われます。当事者同士の話し合いではまとまらなくても、裁判所からの要求ということであれば聞いてもらえる可能性があります。

手軽で使いやすいため、メリットが高い制度です。ただし、履行勧告に強制力はありませんので注意が必要です。無視される可能性もあります。もしも取り決めが守られない理由が両親どちらかの経済状況や生活状況の変化などであった場合には、改めて面会交流調停をやり直し再調停となります。

履行勧告や面会交流調停のやり直し以外の方法として裁判所に強制執行を申し立てる方法もありますが、面会交流でこの方法が行われることはあまりありません。また、強制執行で無理やり子どもとの面会を実現させることは、子どもに精神的な苦痛を与えてしまう結果にもなりかねないので注意が必要です。

連れ去りや無理心中のような大きな事件にならないために

面会交流調停といってもそもそもどのようなことを取り決めたらよいのか分からないという人や、相手側が調停に応じてくれないといった人も多いでしょう。

子どもに会わせてもらえないという人や、その逆に子どもが会うことを拒否しているのに裁判所が理解してくれずに困っているという人もいるかもしれません。そのような面会交流に関するトラブル、また万が一の無理心中のような大きな事件に対応するためにも、面会交流調停に臨む際には離婚問題に強い弁護士に依頼するのがおすすめです。

弁護士であればその事案に応じた適切な手続きを利用し、適切な内容の面会交流方法を提案してくれます。また、決まった面会交流がスムーズに実現されるように手伝ってくれるでしょう。まずは離婚問題に積極的に取り組んでいる弁護士を探し、相談してみてはいかがでしょうか。

この記事が役に立ったらシェアしてください!